プロローグ
久々に描いた。
他のやつ没にはしないけれど大幅に改訂しそう。
草木の一本もない荒れ果てた大地
朱殷色をしたナニカの小山
暴風が吹き荒び、轟音響く雲の渦
数多の情景が、本をめくるように延々と目前に広がる。
人々は恐れ、獣は慄き、大地が泣く。
そんな絶望を凝縮した景色がつづられる。
衝動的に目を逸らそうとも、目を瞑ろうともその景色は脳に鮮明に焼き付く。
今はただ、それを受け入れるしかなかった。
腕の痛みはまだ続く。
僕にはつくづく運がない。
ウンは付いているのに運はない。
いや、運が悪いというべきなのだろうか。
小さな事なら当たりくじを引いたことがない。
大きな事なら幾度か生死の淵を彷徨った。
それでも今生きていられたということは、わずかでも運があったということなのだろう。
でも、そんな雀の涙ほどの運も今尽きようとしている。
右手にはおそらく冷えたウン、左手には生温かいナニカ。
股の間から鼻につく臭うものがちょろちょろと、ボロい制服を濡らしていく。
あぁ、どうしてこうもつくづく運がないのだろう。
読んでくれてありがとう
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