さよなら現世、こんにちは来世
初作品です。
ドラゴンにバブみを求めるとかあんま聞かないので
無いならやってみようの精神で書いてみました。
こんなのバブみなんて言わない!とか思うかも知れないですが、自分の感性で書いてますのでご了承下さい。
「あー、今日もお仕事お疲れ俺。」
一体今まで何回言ったかも分からない一言を俺は呟いた。
俺は竹中竜也。今の会社に入社して早5年、周囲からすれば中堅社員の扱いを受けるだろう。
父親が早くに亡くなり、女手一つで俺を育ててくれた母さんに
恩返しがしたくて、給料がそこそこあり休みが多めな会社を選んだ筈が、全く休みが取れず残業代が基本給に迫りつつあるヤバイ会社に入ってしまった。後悔しかない。
「お先~。」
会社の先輩がそう言い残して帰ってからもう3時間程経っているだろう。
今事務所にいるのは俺だけなので早く帰ろうと体を動かすためにコーヒーを一気に飲み干した。
「家に帰れば母さんが、ご飯作って待っててくれてるよな。」
そう思いつつ、今日のご飯は何だろうと思いながら机を片付けていた時に眠気が襲ってきた。
「あれ?」
立った時に体に力が入らず、そのまま椅子に腰掛けてしまった。
眠気が収まる処か更に強くなってきたので、机に腕を置き少し仮眠をとろうと体制を崩す。
(眠気がヤバイな。母さんに悪いが少し寝てから帰ろう。)
そう思い家で待っててくれている母さんに悪いと思いながら少し寝ることにした。
「あー、癒しが欲しい。母さんに甘えたい。」
寝る前に俺はそう呟いていた。
もう今の母さんに会えないとこの時に寝ること無く、家に帰って
もう一度母さんに会っておけば後悔なんてしなかったのに。
その後俺は、眠るように過労で死んだ。
お…き…さ…。
(ん?なんの声だ?)
少し前まで俺は寝てた筈なのに何かに起こされるような
誰かの声が聴こえてきた。
おきな…い。
誰か分からないけど、もう少し寝かせて欲しい。
俺は寝返りをうった。
あれ?
今俺、寝返りを打たなかったか?
机で寝てた筈なのになんで寝返り?
有り得ないよな?
「起きなさい。」
え?誰?
キョロキョロと周りを見ると森が広がっていた。
水の流れる音も聞こえるから、川も近いと思った。
そして目の前には赤い鱗を持つ何かがいた。
「お、おはようございます。」
アホか!俺は!言葉なんて通じるわけ無いだろ!
「は~い、おはよ~」
なんか猫なで声が目の前の何かからするんだけど有り得るのか?
つか、どっからそんな声出してんの?
それより目の前のなにかはなんなの?
現代社会にドラゴンなんているわけ無いよな?ドッキリとかで作ったロボットとか。
「あのー?どちら様で?」
その一言で目の前の何かから泣きそうな悲しそうな声が聞こえた。
「わ、私は貴方の母ですよ…?」
え?母?マザー?お母様?
待ってくれないか。
俺は人だよね?そっちは某狩りゲーに出そうなドラゴンですよね?
え?どゆこと?
現代社会に生きてきた俺は気付いたらドラゴンの息子?になったらしいです。
初回なのでバブみ要素皆無ですね。
これから、ドラゴンの母さんの甘やかし無双に
なる感じになると思いますが読んで貰えるとありがたいです。