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山田会長と鈴木副会長

作者: ひぐらふ

なんとなく書いてみた小説です

「鈴木!女子全員のスカートの丈を膝上15センチにすればどうだろう」

「は?」

山田会長が満面の笑みで何かを言いだした。

「だから女子全員のスカートの丈を」

「いえ、二度言わなくていいです。

 わたしが言いたいのはなぜそんなこと言いだしたかです」

眉間にしわを寄せつつ聞いてみた。

「だってそうすれば生徒からの信頼度がうなぎのぼりになるだろう?」

「男子はともかく女子からの信頼度は滝のように落ちていきますでしょうね」

「ぐっ、たしかに」

ふぅとため息をつきのどを潤すため紅茶を一口。

「じゃあ男子も膝上15センチのスカートにすれば女子からの信頼も得られるだろう!」

紅茶を噴かなかった自分を誉めてほしい。

「何を意味の分からないことを言ってるんですか?」

「だからさ、女子の不満は自分たちだけスカートが短いことなんだろう?

 男子も同じようにスカートを履けば文句は出ないはずだ」

開いた口が塞がらない。

「山田会長はスカートを履きたいのですか?」

「いや?僕は生徒からの信頼に答えたいだけさ」

山田会長は手に持ってる紙を見せてきた。

そこには、

『女子のスカートを短くしてください!』

と書かれた1枚の紙。

「なんですかこれ?」

「目安箱に入ってたんだ。

 我々生徒会としては答えなければならないだろう?」

「これはただのいたずらです、さっさと捨ててください」

「いーや、これは生徒会へのメッセージだよ!

 女子のスカートを短くしてほしいという強い思いがこの一筆から伝わってくるんだ!」

頭痛くなってきた。

「その思いは懐にしまって通常業務に戻ってください。

 先生方からの依頼はまだ終わってませんよ」

「うーむ、女子のスカートを短くか、どうすればいいのか・・・」

ダメだこの人話きいてない。

「鈴木。ちょっとスカート短くしてくれ」

「いきなりなにセクハラしてきてるんですか」

「セクハラではない確認作業だ。

 女子のスカート丈がどれくらいで短いといえるかのな」

「いやですよ、だいたいそんなこと確認してどうするんですか」

「それはな、どこまで短くすればこの依頼を達成したことになるのかわからないじゃないか」

「その依頼書渡してください破り捨ててあげます」

「よく聞くのが膝上15センチという文言なんだがこれはいったいどこからきたのやら」

どうしてこの人話聞いてくれないの?

「だから鈴木、ちょっと膝上15センチまでスカートを短くしてみてくれ」

「いやです」

「ふむ」

山田会長は少し考え、

「じゃあ僕が膝上15センチでスカートを履いたらやってみてくれるか?」

「やっぱりスカート履きたいんですか?」

「ただの交換条件だよ。僕もスカートを履く。鈴木もスカートを短くする。これで対等だろ?」

「何が対等かどうかは知りませんがやらないものはやりません」

「じゃあどうすればいいんだ。僕がこんなこと頼めるのは鈴木しかいないんだよ」

「そんなこと言ってもいやなものはいやです」

「そうか、しょうがないな」

「やっとあきらめましたか」

「僕がスカート履いてその辺の生徒たちにどのくらいが短いか聞いてみよう」

「やめてください。そんなことしたら私まで恥ずかしくなります」

帰りたい。

「だったら僕のお願いを聞いてくれ。膝上15センチのスカートを見せてくれ」

「くっこの人は。わかりました。非常に遺憾ですがやってあげます」

「そうか!やってくれるか!ありがとう、優秀な副会長を持って僕は幸せだ」

「私はこんな会長で不幸です、ちょっとあっち向いててください」

ごそごそ

「どうですか」

「・・・」

「あの、山田会長? 黙られるとこっちとしても困るのですが」

「なるほど、これが」

「これが?」

「これが依頼をくれた生徒が見たかった光景なのだな」

「あの一応感想など欲しいのですが」

「ん、あぁ。だいたい分かった。ありがとう。もう戻していいぞ」

「は?」

「スカート丈を短くするのはやめようと思う」

「え? どうしたんですか、さっきまであんなに」

「いやなに、君の姿を見てねこれはいかんと思ったまでだ。

 我々生徒会が風紀を乱すようなことをしてはいかんとな」

「山田会長・・・」

「この依頼は残念ながら受けられないな」

「よかった、正気に戻られたんですね」

「すまない、僕は少しどうかしていたようだ」

「では先生方からの依頼をすませましょう」

「ああ、そうしよう」

よかった、これで今日は居残りせずに帰れそう。

「しかし」

「はい?」


「スカートはすーすーするというが一体どんなかんじなのだろうか」

「やっぱり履きたいんですか?」


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