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悪徳令嬢ですが、何か?  作者: 秋乃れい
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悪徳な朝の紅茶

3月4日


春も近づいてきたというのに、まだ寒い日も多いわ

なんでも思い通りにできるけれど、天候ばかりは好きにできないのが歯痒いわね


今朝もずいぶん空気が冷えていて

こんな朝はジンジャーが効いた温かい紅茶をメイドに部屋まで持ってこさせることにしているの


だって、食事をする部屋まで遠いし、起き抜けの目覚ましに温かいものを飲みたいじゃない?

厨房から私の部屋までそれなりに距離がある

そんなめんどくさいことをメイドに毎朝義務付けてるなんて、本当に私は悪魔よね


さて、メイドがいれた紅茶のカップに手をかけようとしたら「まだ熱いので」と言われたわ

なんなの、この子?

寒がりな私のために遠い厨房から部屋までの道中で冷めないようにと熱々のポットを運んできてくれたというの?

メイドのくせになんて生意気

さらには熱い紅茶だと指摘することで猫舌の私をバカにするだなんて


朝からなんて腹立たしいのかしら

しかたがないから紅茶が飲み頃になるまでメイドと軽く会話をしてやることにしたわ

内容はもちろん私の自慢話よ!


そしたらその子、無礼にも話の途中でくしゃみをしたの

よく見たら春に衣替えしたばかりの生地の薄いメイド服なんて着てるじゃない

こんな寒い朝に本当にどうしようもない子ね、自己管理もできないのかしら


見かねた私はクロゼットからこの子に合うカーディガンを見繕って1枚渡してやったの

「こんな素敵なカーディガンなんて、私たくさん持っているもの、1枚くらいくれてやるわ。でもあなたには高貴すぎて似合わないかもね!」

と自慢してやったら顔を真っ赤にして何度もお礼を言ってたわ


私のメイドなのに薄着なんてして震えてたら格好がつかないじゃない

ひいては私の見栄のためよ、勘違いしないでほしいわね

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