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アストロ帝国  作者: ゆかり
6/8

06 夏休み


 帰る旅費を溜める為、短期間のソロ冒険者をやる事になった。


 薬草採取、ゴブリン討伐、下水掃除が主な仕事だ。


 薬草採取は鑑定の指輪で対応、ゴブリン討伐は光魔法で対応、下水掃除は浄化魔法で対応した。


 1カ月、愚直に仕事をし、金貨5枚になった。そしてランクもCに上がっていた。これで、なんとか帰れますわ。


 馬車で帰るのも、お金がもったないと思うようになり、召喚魔法でグリフォンを出し。空を飛んで帰る事にした。


 聖女達にも聞いたが、聖女達も自腹で生活しているので、馬車等に乗るのだったら歩きますと言われた。


 聖女、大聖女の扱いが酷くない? この国。なにやら、聖女は対価を求めてはいけないと皇帝に言われたらしい。前世の大聖女でもこんなに粗末に扱われた事がない。この国に対する聖女の地位は低いのだろうか。


 良い国があったら、そちらに移り住もうと聖女達と会話してある。部下は優雅に税金で暮らし。聖女は汗水垂らして働き、家賃も税金も払っているのだ。ただで利用されているとしか思えない。大聖女の塔の土地保有税も私が払っているのはいかがなものか。

 私は大聖女でもなんでもないと思っている。大聖女の記憶があるだけで、あくまでもラークス騎士家の4女である事には変わりがないと思っている。


 だから何だな、分け前よこせ~なのだ。


 そんな事を考えながら、グリフォンに乗って、家族の元に向かっている。


 家族のところで、ゆっくり、のんびりするのだ。


 うんうん、そだそだ。


 んっ! もう実家が見えて来た。3日の行程が半日で着いた。これからはこの方法で帰るわ。


 屋敷門前で降り、召喚魔法を解除し門兵に挨拶した。


 門兵はグリフォンの存在に驚いていたが、サラがグリフォンから飛び降りたのを見て気を取り直した。

「サラ様、お帰りなさいませ」

「ジルもお疲れ様。父上はいる?」

「はい、出かけている様子はありません」

「そう、ありがとう」


 執事が出迎えてくれて。自分の部屋に直行し、ベッドで寛ぐ。グリフォンの背中で半日いるのはとても疲れるのだ。


 ふ~! 安心するわね。使い慣れた枕と毛布。これぞ、我が家だわ。


 30分程、寛いでいたが、執事が父と会える事を伝えて来た。


 早速、父の書斎に行き、帰って来た事を伝えた。


「父上、只今帰りました」

「うむ、学院の方は順調か?」

「はい、中の上をキープしています」

「上を目指しなさい」

「あまり目立つと、嫌がらせがきついので」

「自分が選んだ道だ、上を目指しなさい」

「はい、分かりました」


 父は私が大聖女だとは知らないのね。帝都にいた上級貴族しか私を見ていないから幸いだったわ。姉も兄も父の手伝いでここにいたし。


「夏休みなので、リフレッシュさせて頂きます」

「うむ、宿題は忘れるなよ」

「はい、分かりました。それでは失礼しますわ」

「うむ」


 さてと、これから精霊に挨拶してきて、私がいない間に変わりがないか聞かないとね。

 父の領地に何か問題がある場合、精霊に聞くのが一番早いのだ。


 釣りに出かけると執事に伝え。森に入る。


 森の精霊の声を聴く。


「タソ村が日照り続きで穀物に被害があるって」

「南の森にダンジョンが現れたって」

「東の森にオークの村が出来たって」


 う~ん、この3つか。

 タソ村は地形からして、雨が降りにくいのだ。村人にはジャガイモを推奨してみましょう。

 東の森のオークはさっさと退治するとして、ダンジョンは厄介だわ。

 数日はダンジョンに潜る事になる為、父には言い訳が必要だわね。


 屋敷に帰り、父の書斎に向かう。


 ドアをノックし、

「父上、サラです」

「ああ、入り給え」

 ドアを開け、父の前まで来た。父は書類の整理をしていたようだ。

 父は私を見上げながら、

「どうした?」

「はい、言い忘れましたが、学院の友達から遊びに来ないかと、誘いがありまして、友達のところに行きたいと思います」

「もう、行ってしまうのか?」

「はい、冬休みには、又、お世話になると思います」

「そうか」


 父は立ち上がり、私のところにきて抱きしめられた。数秒後、

「行っておいで」


「はい、それでは失礼します」


 タソ村の事を言い忘れてしまった。執事にでも言っておこう。


 屋敷の玄関前に執事がいた。この人、感がいいわね。

「サラ様、ご無事な旅を」


「父上には言い忘れましたが、タソ村の日照りは雨が降りにくい地形ですので、ジャガイモを生産する方がいいとお伝え下さい」


「はい、畏まりました」

「それでは、行ってくるわ」


 屋敷から出て、武器屋に立ち寄った。


「これはサラ様、お久しぶりです」

「指弾の玉はあるかしら」

「サラ様がお使いで?」

「帝都では指弾の玉不足でこちらで買おうと思いまして。1000玉程、下さい」

「畏まりました」


 私に指弾等、打てる訳がないので、『身体強化』と『絶対結界』の2重掛けをして戦おうと思っている。オークは再生能力が高いので体に当てても再生してしまうので、指弾で頭を吹き飛ばそうと思っている。


 後は、ダンジョン用に食料を調達しましょう。

 こうしている間にもグリフォンには、オークの村を偵察して貰っている。


 パンと水だけでは嫌なので、食堂屋でお持ち帰り定食を20食程、調達した。


 指弾の玉1000玉と、お持ち帰り定食を収納指輪に入れて、

「さあ、出発だ!」


 東の森に行く途中、グリフォンと合流した。オークキングとオークジェネラルがいて、100体のオークがいるとの事。


 グリフォンに乗り、オークの村まで1分程で着いた。


 とりあえず、

『身体強化』

『絶対結界』


 オークの村に飛び降りた。ドスンという音が響いて、オークはこちらを振り向いた。途端に襲い掛かってきたが、動作が遅い。


 指弾を狙いを定め、打ちまくる。オークの群れは連系が取れていないみたいだ。まだ新しい集団なのだろう。


 30分程で、見える範囲のオークは倒し、死体は収納指輪に入れた。オークのお肉は美味しいらしいので冒険者ギルドで売ろうと思っている。


 奥の方から、オークキングとオークジェネラルが2人がかりで突っ込んで来た。だが、私の『絶対結界』に阻まれ、弾き飛ばされた。信じられないという顔だ。


 咆哮を上げ、武器で攻撃して来たオークキングは大剣、オークジェネラルは大斧だ。

 何度も攻撃して来たが、『絶対結界』に弾き飛ばされる。


「もう、終わりですか? ……それでは『光魔法』、ヘブンズレイ」

 掌から強力な光の光線が放たれ、オークキングとオークジェネラルの頭が一瞬で消し飛んだ。仰向けに徐々に倒れていく。

 2体を収納指輪に入れ、

「『生命探知魔法』、ライフディテクション」


 もう、強い生命反応は無いようね。


「次はダンジョンか。それが終われば、帝都に戻り冒険者のアルバイトを続けましょう。お金はあるだけ安心だもんね」


 サラは冒険者になるつもりはなく、アルバイト感覚で依頼をこなしているだけだ。


 サラは上空に飛んでいる、グリフォンを呼び出し、ダンジョンに向かう。

 ダンジョン前で昼食をとりながら考えていた。

 私が帝都に行く前にはダンジョンは存在していない事から、新しいダンジョンだわね。そうすると、階層も浅いはず。10階層もあれば良い方だわ。


 とりあえず、

『身体強化』

『絶対結界』


 ダンジョン内に入った。


 ゴブリンがうじゃうじゃと出て来た。うわ! 気持ち悪いし、臭い!


「では、『光魔法』、サンバースト」

 小さな光の玉を出し飛ばす。ゴブリンは小さな光の玉を凝視していた。その瞬間、大爆発が起こった。無事なゴブリンも目を抑え、もだえ苦しんでいる。


 それらのゴブリンを杖で刺し殺して行き、ドロップアイテムは勝手に収納指輪に入っていく。


「さてと、ダンジョンボスはなにかしら」



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