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5時55分と月

作者: うぃる


その時僕は口にしていた、死にたい、と。


 気づけばいつもの日常が始まっていた。”戦い”。敵は誰で味方は誰だ。戦いが始まるといつもこうだ。


 自分にとって戦いは日常となり”戦場”にいる感覚は消え失せた。それは嬉しく、そして悲しみに満ち溢れていた。悲しみだけが戦場を覆っていた。当たり前だ、傷つけることがどれだけ悲しみを生む行為なのかと。


 いつしか悲しみで自分を保っていた。悲しみでしか自分を満たせられなかった。悲しみでしか生きれなかった。


 誰かを、そして自分を傷つける。自分だけを永遠に傷つける。こんな日常は嫌だ。胸が苦しく張り裂ける思いだ。


 傷つけることでしか自分を保てない。生きれない。それしか術を知らない。自分はなんて悲しい人間なんだ。本当に自分は人間なのだろうか、それとも人間になりたいのか、なれていないのか、欠けているのか、モドキなのか。


 他の生きる術を知らない。自分以外の人間は生きる術を知っている?もしそれがあるなら教えて欲しい。自分をこの戦場から救って欲しい。生きたい。


 自分はこの戦場に依存していた。いつの頃からだろう。考えたくもない、吐き気がする。


 ここは自分だけの戦場。自分だけでこの戦いに勝つしかないのか?誰かが救ってくれるのか?勝利とはなんだ?自分に勝てば人間になれるのか?そもそも本当に生きたいのか?


 日々思いそして願い、祈る。それしかわからない。生きたいと。


 いつか荒れ果てた戦場に美しい花が咲き乱れることを。

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