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迫真強盗部=VRの裏ワザ=  作者: 妖怪勲章おじさん
3/3

異世界オルガ.mp40

アーマドコアの新作が出ないので初投稿です(全ギレ)


仕事が終れば後はスターリンの系列銀行から洗浄されたお金が口座に流される。

それに加え、今年の分の勉学費用や実験材料費用などかなりの額が流し込まれ、そして私のアトリエもマネーロンダリングの一部として使われる。

完全に首輪をつけられている・・・辛いです。ゲームが好きだから・・・。


「あぁ、マスターがなんだか悲壮感を放ってます」


ホムンクルスに平坦な声で解説されると余計に辛いです。


「犯罪って儲かるのよね・・・」


つい言葉に出してしまう。この無情


「ホムは何も聞かなかった事にします」「ホムも聞いておりません」


こいつらは意外と良い性格してやがる。


推定ルネサンス期から近代のVRゲーム世界で現代のコンサルティングとまだ法規制されてないだけのグレーゾーンを掻い潜るだけでとんでもない額が動いているそうだ。

「詳しく知りたいか?」と髭親父にオリジナルスマイルで聞かれた時に全力で断った私は正しい。


一仕事を終えて改めてログインし直した日の朝、朝食をホムンクルス達に用意してもらって紅茶と共にもしゃもしゃした頃にフレンドメールが届いた。

内容は大体こんな感じだ。


「おはよう、今日予定空いるかしら?一緒に山岳地帯へ行きたいのだけれど。返事待ってるわ」


フレンドのアリサからの採取同行のお願いだ。

錬金術師は授業以外の場合お金を積んで素材を買うか自分で取りに行かなければならないので採取は重要なサイクルの一つである。

しかし錬金術師は後衛職で戦闘力は割と自作アイテム頼りな所が大きい、だから一定以上のレベルになるとソロ活動なんてしたら大赤字待ったなし。

そういった関係で前衛職の知り合いを誘って錬金術師2.3人と前衛2.3人のパーティを組むことが多い。


早速了承の返事を送ったのだが、前衛職をどうやって調達したものか。

店の常連にちょっと頼もうかな、冒険者ギルドで募集しても当たりはずれあるし。

フレンドチャットを飛ばして確認を取ってみよう。


『槍の兄貴、今大丈夫ー?』


『なんだいメーナの嬢ちゃん、話なら今は構わねぇよ。』


良かった、繋がった。

知り合いで腕が立ち、フリーなプレイヤーはそんなに多くないから助かる。


『今日山岳地帯に出掛けたいのだけど護衛頼めるかしら、相場の金貨50枚+ポーション割安チケットでどうよ』


『悪かないな、もう一声あるかい?』


あんまり豪遊してる風に見られるのは副業的にもよろしくないし、渋った風に言うべきかな。


『しょうがないわね、現地でのポーション使用分はこっちで持ってあげるわ』


『いい具合だ、それなら乗るぜ』


適正価格なら割と何でも請け負ってくれる兄貴ほんとすき、でも男としては見てあげれない。


そうと決まれば善は急げだ。朝食を片付けてホムンクルス達に店番を頼むと、

遠出用の薄緑色を基調とした服に着替え、錬金術師のコートを羽織る。

勿論ベルトとポーチにはポーションや爆弾用の触媒をセットして、ショルダーホルスターに副業では使わない正規登録されたM1911を吊るす。

これで準備は完了!よし、アリサに同行と前衛調達の旨を伝えるメールを送って出発だ。

________


帝都の玄関口で待ち合わせした私たちは帝都の門前にある巨大な広場の複数ある噴水の一つで合流した。

時間はまだ朝の部類だが、帝都の門前広場ではPC/NPC問わず簡易市や帝都からの出入りする沢山のNPC達で溢れ返っている。


「よう嬢ちゃん達、出掛ける準備は大丈夫かい」


槍の兄貴が市で買ったらしい真っ赤な林檎を齧って待っていてくれた。

私とアリサはほぼ同時に到着したぐらいで、手配した馬車のある方へと皆を誘導する事にする。


「準備はバッチリよ」


フンスっといった感じに気合の入ったアリサが返事をし、私も倣う。


「大丈夫、いつも通りね」


「移動は短距離用の馬車を用意してるから安心して、こっちよ」


このゲームの場合少人数長距離の移動は限定された移動用ポータルが国家間に敷かれている為楽に出来るのだが、

ある程度以上の文明強度があれば鉄道が敷かれていたりする。

なお短距離ならやはり馬車がまだまだ現役である。インフラ工事はお金がかかるからね、仕方ないね。


道中は各自本を読んだりゲーム内情報を浚っていたりと割と自由だ。

掲示板もあり、ついこの前の宝石店強盗に関するスレッドも立っていた。

IBIや(帝国版FBI)その重機動部隊に就職するようなプレイヤーも当然いるのでこの辺の情報も意外と馬鹿に出来ないのだ。

警戒レベルの高い時期に過激な仕事をすると昔のゲームの様に発砲から2分で重機動部隊とガチバトルなんてこともある。

そして時間が掛かり、被害も拡大すれば帝都守護騎士団がやってきて地獄の釜が開く。


あーやだやだ、オフの日にまで副業の事考えるのヤメヤメ。


そうやって暇を潰して30分程、合間にロープウェイを挟んで到着したのが帝都近辺の山岳地帯。

この辺りは結構レベルの高い魔物が湧くから採掘コストが割に合わないって事で冒険者達にも開放されている鉱山の一種で、

魔術・錬金術で扱う高レア素材が採取と討伐素材で手に入る為、現在の最前線クラスならお世話になる場所だ。


「ほんじゃ、警戒は俺がやっとくから採取はお好きにどーぞ」


当然後衛職ばかりで来ると速攻で殺されるかコストに合わないアイテムを大量に使わされるので槍の兄貴のおかげで楽が出来る。

槍を軽く手癖で回してから地面に突き刺し、適当な岩に座ってから警戒スキルで周囲の索敵を始める槍の兄貴。


「それじゃあ私たちは手分けしてやりましょ、この辺今日中に大体採取ポイント回りたいし」


「賛成。課題も片づけたいからね」


アリサの方針に私も同意し、手早く採集ポイントを片付けていく。


(お目当ての薬草と鉱石を幾つかゲット、悪くないペースね)


周辺一通りが終われば槍の兄貴に声を掛ける。


「お、この辺は終わりかい。じゃあ移動しようか」


瞑想するような形だった姿勢から素早く立ち上がると槍を引き抜き私たちを先導してくれる。


道中翼竜に何体か襲われたが、前衛として兄貴がスキルを使って避けながらヘイトを稼いで攻撃しつつ、

アリサが魔術を詠唱して氷結全体攻撃、私が討ち漏らしをM1911で黙らせる。

現役前線組二人がいるおかげで楽できるって最高ね。


「はい、ポーション」


戦闘が終われば強壮ポーションと回復ポーションを兄貴に渡してあげる。

アイテムボックスには常備用として多様な爆薬(一部採掘用)とポーションが詰めてあるので自分で作れる錬金術師なら大した出費じゃない。


「ありがとよ、自腹で買うと地味にたけぇーんだわこれが」


事実、このゲームでは生産職の囲い込みがスキル成長の為に金銭と素材が必要なため発生しやすく、ポーション類までプレイヤーが経済市場に流している余裕がない。

NPCから買うと並の品質を金貨で一枚はする為戦士職たちが金欠に悩まされるのが良く見る光景だ。


ちなみにお酒は0.3金貨、つまり3銀貨から飲めるので本当にポーションは本当に高い、通常の商取引では銀貨単位が使用されたりする。


今日の山岳地帯での採取と討伐は成功、目的の薬草複数種を十分な数とレア鉱石をそこそこに翼竜の牙や鱗も手に入り上場。

翼竜や適当なゴブリンを撫で斬りにしたので収支は討伐報酬もあってややプラスだ。


帝都の門を入って直ぐの冒険者ギルドでモンスターの討伐証明を換金してから併設してある酒場で即打ち上げだ。


テーブル席に陣取って酒と肉につまみを注文し乾杯する。


「「「かんぱーい」」」


「カァー!VR内で好きに旨いモノ飲み食い出来るの最高!」


槍の兄貴は鳥の手羽先を齧りながらビールを木製のコップでごくりと流し込むように飲む。

VR内の食事の味は現実の飲み屋やファミレスチェーン店達と提携して再現されている為実際においしい。


私はもそもそとチョリソーを齧りながら赤ワインを舐めるように飲んでいる。

そんなに食が太くないのでつまみを食べていればすぐにお腹いっぱいになってしまうのだ。


アリサがカルボナーラを食べながら白ワインで美味しそうに飲んでいるのを見るに彼女もVR内の食事は大好きらしい。


そんな私たちに近づく如何にも妖艶な魔女ですっといった女性が槍の兄貴に一声かけた


「あら、今朝見かけないと思ったら。こんなところで女の子引っ掛けていたのかしら?」


彼女は槍の兄貴の彼女、もちろんVR内のしかもNPCだが。兄貴から惚れて告白したらしい。

そして私たちのアバターは強さを感じる華があるアリサと地味目ながらも美少女にした私だ。


ちょっとした修羅場かと思ったが、兄貴はケロッとした顔で真相を答える。


「ガキは守備範囲外だっての、単なる護衛依頼の依頼主様さ」


「ガキって何よ!私はもう成人してるわよ!(ゲーム内では)」


それにちょっと噛みついたのがアリサだ。


「フフッ、そうね貴方はもうレディだものね。隣、よろしいかしら?」


「どうぞどうぞ、何飲まれます?」


意味深な微笑と共にアリサを宥めた彼女に、席を譲った私は何を飲むか聞いてそれをウェイトレスに伝えることにした。


時刻はもう夕刻の6時、のんべぇ達の時間だ。酒を飲むのは当然の時間だろう。

そうしてこの日の日常的なVRゲームの一日は過ぎていくのだった。

復刻で良いからPS4でAC4とfA出してクレメンス(鬱)

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