だが断る!
前回までのあらすじ
イケメンがいきなりやってきて、上から目線で話しをされた。
圧倒的不審者だが、実は領主様だった。
んでもって、領主様は
「オレと契約しろ」
っていってきました?
魔法少女にでもなるの?
グリフィスからの「俺に保護されろ」提案を聞いた私は
「だが断る!」
思わずそう口にしてしまった。
「は?」
「あ、いえ、こう丁重にですね、お断り申し上げるというか、なんていうか……」
確かに、この世界には不慣れかもしれないが、もう充分大人なので、ある程度は自衛もできるし、なによりも
(引きこもりたいので、なんだかめんどくさい人と関わりたくない)
これに尽きる。
私は異世界にきて、kuruzonでお買い物しまくって、ゲームし放題、漫画読み放題の自堕落な生活を謳歌したいのだ…!
と、そこで思い出す。世知辛い世の中なので、この世界でkuruzonしまくるためには、それなりに稼がないといけないことを。
何故って、ソーラーパネルが結構なお値段したのと、蓄電池もものすごおおく高かったからだ。
ゲームやるためには異世界でも稼がなくてはいけないの、辛い。
なので、王子様にこう言ってみた。
「ええと、保護とかそういう仰々しいのはやめてもらって、穏便に取引しませんか?」
「つまり、君が遠い国から持ってきた品物やその技術で作ったものを私たちに卸すので、それを買い取れ、と?」
「はい。このカップや砂糖とか他にもいろいろありますよ」
そういってみると、グリフィスは「ふむ」と考える仕草をしたあと
「悪くない提案だ。だが自分が取引をするといろいろと触りがあるからな。明日迎えにくるから、信頼できる商会を紹介しよう」
そういって、今日は帰ってくれることになった。
というか
「グリフィスさまあああああああ!」
泣きながら、騎士の恰好をした人がお店の扉から飛び込んできてびっくりした。
「いなくなるから心配しましたあああああ」
って鼻水だか涙だがぐちゃぐちゃにして、騎士の人が心配してたのは、自分の首かもしれない…。
グリフィス(とお付きの騎士さん)が帰った後、kuruzonでさっき買ったものを開けて、お部屋をとりあえず整える。
「布団、よし。フライパン、よしお鍋、よし。食器も…よし」
お夕飯はさっき買ったパスタとパスタソースで簡単に済ませたけれど…
「お風呂とトイレ…って」
ちょっと考えて、懐中電灯を買って、裏口のドアを開ける。
扉を出て建物にそった左奥に気になっていた離れの小さな小屋。
「たぶん、トイレか…お風呂か…」
ギギギ…と音を立てて扉が開くと…
「あ…」
昔々のトイレがそこに鎮座していた…。
「水洗トイレは…山とか設備がないところだと浄水タンクも必要なのね…浄水機能つきのタンクって…え、こんなに大きいの!?」
文化的な生活のためにトイレショックから立ち直るとお風呂をトイレを早速kuruzonで探してみる。
井戸があるから、変に汚水は流せないし、トイレの説明からいろいろ探してみるが、どうにも解決案が浮かばない。
「お風呂も、結局排水が問題よね…」
しょんぼりしながらないものはしょうがない、と沸かしたお湯とバケツで掃除で埃っぽかった体と髪を洗う。
「湯舟に…入りたい……」
kuruzonがあってもどうにもならないものがあるのだなあ、と実感するまどかであった。