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出店準備とおべんとう

お夕飯をたべて、お風呂でゆっくりしたあと、明日からの出店の準備をすることにした。

味塩コショウとコンソメと出汁の素を小さな小袋に詰めていく。

「いっぱい売れるといいなあ…美味しいごはんがあちこちで食べれるといいなあ…」

と、透明の袋にせっせと詰めて、リボンで結んで100個ずつのセットにしたところで、ふと、気が付く


「……私、引きこもるためにお金儲けしてたんじゃなかったっけ…?」


ダイヤモンドサックス商会に卸した商品で完全に、引きこもりになれるのに、なぜか町で毎日出店して、物を売ろうとしている…。


「しかも、最初1年契約しようとしたよね。止められたけど」


ふと気が付くと、毎日働こうとしている、この身に沁みついた習性…おそろしい。


「まあでも、めっちゃくちゃ残業するわけでないし、美味しいごはんをこの世界でも食べたいし、まったりやるんだからいいよね?」


と、誰にするわけでもない言い訳をして、テーブルに積まれた小袋たちを見る。

少しだけリボンが余ったので、今日グリフィスにもらった花飾りに結んだり、リボンにしてつけたりして、お店のほうの出入口と裏口の両方にもらった目いっぱいを飾り付けた。


「あとは…お弁当でもつくろうかな」


日中ずっと市場で出店しているのなら、お腹が空くだろうと思い、明日のお弁当の準備をする。

温かいので、なるべく腐りにくいものがよいだろう、と思い、簡単なチーズとハムのサンドイッチにすることにした。


「…あ、パンがないのか…。うーんせっかくならあれ買っちゃおうかな…」


kuruzonでずっと気になるリストにいれておいた「ホームベーカリー」。

通販で買うパンは美味しいけど、普通の食パンみたいなのがないのが難点。

こっちのパン屋さんでのふわふわのパンを期待できない今、焼き立てふわふわを食べるなら、自分で作るしかない。


せっかくなら夜のうちに仕掛けてしまおう、と小麦粉やドライイーストなどを購入し、朝焼き立てが食べれるようにスイッチオン。

今日の朝みたいに電気が途中で落ちたりしないように、冷蔵庫以外の電化製品はコンセントも抜いちゃう。


「美味しいパンができますように」


ホームベーカリーに手を合わせて、マドカは就寝するのだった。





翌朝。

起きて、身支度をして、コカちゃんとトリスちゃんの小屋を掃除。

ついでに卵を4つ回収。

朝ごはんを一緒にたべよう、とおうちに2匹と一緒に戻ると、昨日仕掛けておいたホームベーカリーを開ける。


「ほわあああああああああ!」


焼き立てほわっほわのパンに思わず感激の声を上げる。

ちょっとだけ摘まんで一口食べてみると


「ふわうまああああああ」

「ぴ!!」

「ぴ!」


感動していると、足元でキラキラしたつぶらな瞳の2匹…。


「食べる?」

「ぴぴー!!!」

「ぴっぴ!」


小さなかけらを二つ渡すと


「ぴー」

「ぴ~」


美味しそうに体をよじりながらついばんでいる。


「さー!朝ごはん食べよう!そしてパンが冷めたらお昼ご飯作ろう」


生野菜と、ソーセージ、スクランブルエッグとパンの朝ごはん。

焼き立てのパンには罪深いけど、ジャムをたっぷり塗ってしまう。

しっかり朝ごはんを食べたあと、残りのパンをスライスして、バターを塗り、チーズとハムを挟む。

野菜も欲しいけど、日中外にいて、そこに置いとくことを考えると…生野菜は怖い。

ということで、シンプルなサンドイッチを

「…焼いたパン全部作っちゃうか」

チーズとハムを全部使い、チーズとハムがなくなったらジャムサンドにして、全部使い切る。

かごに紙を敷いて、全部をきれいにしまうと、同じように紙をかぶせて、かごの蓋をしめる。


「よし」


お弁当と持っていく調味料をまとめると、家の横にとめた自転車にくくりつける。


「あ、あと飲み物も必要よね」


自転車に荷物をくくりつけたあとで思い出し、kuruzonでペットボトルのお水を箱買い。数本を持っていくことにする。


「コカちゃんとトリスちゃんは、今日はお留守番ね」

「ぴ!」

「ぴぴ!」


裏庭に2匹を放すと、自転車にまたがり、町へ向かって漕ぎ出す。


「さー頑張って売るぞー!」

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