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転生したら私の創った世界は崩壊していました

久しぶりに完成させる気のないアイデアが……


乙女ゲーもの読んでたら思い浮かんだ

 ────遅れる! 遅れる、遅れ、あっ……


 歩道橋の下り階段、足を踏み外した感触反転する世界、そして鈍い衝撃。


 これが私、早乙女(さおとめ) (ゆめ)21歳最期の記憶……



















 そして、(わたくし)転生しましたの……オーホッホッホ!貴族ですのよ貴族、しかも前世の名前とはかけ離れた顔面偏差値とはおさらばの美人よ、美人。……まだ5歳ですけれど。


 そしてどうやらここは私のよーく知っている世界らしいのよ。乙女ゲーの世界、それも私の書いたシナリオの、ね。まあ未完成だったんだけど。


 名前に反して生まれも育ちもスペックも平々凡々な私は地味だった高校生活を反省するも大学デビューに失敗、ヲタサーの姫を目指すも失敗……流れついた先は乙女ゲーサークル。プレイはもちろん、ゲームの作成までするという中々本気な部活で青春?を送ることになった。

 私は高校では文芸部(まともに活動してなかった)だったためシナリオを任されたんだけどダメ出しの嵐。大きなイベントに参加するとかで急かされて三徹で書き上げた矢先に死んじゃったからなぁーー。だからまあ未完成の世界とも言えるのが不安かもしれない。


 でもそれを上回る期待もある。だって自分の書いた、いや、描いたキャラが実際に動いて生きているのだ(まだ確認していないけど)、創造主としてこれ以上に嬉しいことはない。


 さて、今は何年か分からないけれど私は本筋に関わるつもりはないし、派閥だけ勝ち馬に乗って悠々自適な貴族生活を送ろうではありませんか。





 けれど、すぐに私のこの希望はあえなく潰れることとなる────











「だ、第一王子と第二王子の両殿下が一緒に廃嫡されただとっ!?」


「はい、確かなようです。近々王家から正式に公表されるとのことです。理由としては前々から噂になっていた────」


 それは勉強を抜け出して屋敷の探検でお父様の執務室に入り込んでいたときのことだった。


 お父様は私に気づいていなかった。そこに飛び込んできた部下らしき人。彼が報告した内容に私は突然足元が崩れていった感覚を覚えた。

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