玖音雪乃
「しょーちゃん、変わらないなぁ。」
彼と会うのは何年ぶりだろうか。
私が高校二年生に進級する時に、彼は転校してきた。彼を見た時、直ぐに成海翔であることが分かった。首もとにある火傷の跡を見て。
昔、彼はバスの事故に巻き込まれたそうだ。救助された時はかなりの重体で東京の総合病院に緊急搬送されたと聞いた。
最後に会ったのは、お見舞いに行った時だ。しかし、私達の存在は彼の記憶から消えていた。
その時の記憶は今も鮮明に残っている。
首もとに残った火傷や色々な医療機器に囲まれている彼、そして、その日は事故が起こった時と全く同じように雨が降っていたことも。
「おーい、ユッキー!生きてますかー!」
ふと我に返ると、友人の吉岡真希がこちらの顔を覗き込むようにして見ていた。
「あっ、うん、ごめん。」
「ったく、それでさー......。」
真希がまた愚痴を再開する。
気がつけば、雨はあがっていた。
ごめんなさい。しょーちゃん。もう少し、待ってて。
うっす。
今回で二話目ですね。どんどんネタが切れていってます。五話あたりから更新ペースやばいことになってそうです。はい。
次回はかなり後になりそうなので、先に二話を出しときました。
こんないい加減な奴ですが、これからもよろしくお願いします。