再び雨は降りだす
「おい嘘だろ。」
二〇一三年六月一三日、僕は午後から降り出した雨にいら立っていた。学校も早くに終わったので、今日は早く帰れると思っていたが、想像以上にひどい雨だ。帰りの電車も停まっているだろう。
しかたなく走って駅に向かおうとすると一人の女性が僕に傘を差しだしてくれた。
「これ使う?」
「え、あ、ありがとう。」
不意の事で、思わず間抜けな返事をしてしまう。
「どういたしまして。二本持ってたからよかったらと思って。」
そんな会話をしながら彼女から傘を受け取る。風がそよぎ、彼女のライトブラウンのショート髪が揺れ雨の雫が彼女の青い瞳を輝かせる。その瞬間、何故か懐かしさに似た妙な感覚に見舞われた。
「君は……。」
「玖音雪乃。雪乃って呼んで。」
「ありがとう、雪乃さん。」
「呼び捨てでいいよ。」
「雪乃……。」
その名を口にして、再び先程の懐かしさが僕を飲み込む。
「あっ、ごめん、僕は成海翔。」
「翔君ね。覚えた。」
僕が我に返ると彼女は楽しそうに微笑みながら言った。そして、その微笑みもまた懐かしさが襲う。そこで僕は思い切って訪ねた。
「僕ら、前に会ったことある?」
「ん~、ないと思う。」
彼女の返答はあっさりとした否定だった。
「ユッキー、もう行くよー。」
彼女の友人らしき人物が手を振っている。
「それじゃ、もう行くね。」
「うん、傘ありがとうね。」
すると彼女は小走りで友人のもとへ行った。
はじめまして。長門 照門です。
今作から小説を書いていこうとおもっている高校一年生です。普段は剣道とバスケットをしています。
とはいえ、まだ小説の執筆というのを趣味&特技づくりの気持ちではじめたばかりなので、読んでいただいた通り、圧倒的語彙不足です。(笑)
これから執筆を頑張っていこうと思っていますので、私のライターとしての成長を暖かく応援していただけると幸いです。
これからよろしくお願いします‼