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晩春閑步
逍遙林下路
天霽步遲遲
宿雨紅鋪地
和風緑滿枝
東君流涕處
騷客斷魂時
唯覺春如夢
豈吟迎夏詩
逍遥す林下の路
天 霽れて歩み遅遅なり
宿雨 紅 地に鋪き
和風 緑 枝に満つ
東君 流涕の処
騒客 断魂の時
唯覚ゆ 春は夢の如しと
豈に吟ぜんや夏を迎うるの詩
林道をそぞろ歩けば
空は雲も無くなって歩みもゆっくり
夜の雨に打たれた花が赤く地面を舗装して
柔らかい風に吹かれて緑の葉が枝にぎっしり
ここは春の神様が涙を流した場所
詩人のおれが感慨にふける今このとき
この光景を見てただ思う、春は夢のようだと
どうして初夏の詩などうたえよう
東君=春を司る神。
騒客=詩人。風騒の「騒」。さわがしい客ではない。