8/15
送春
曾過野寺緑陰繁
今日再来空断魂
落托十年都似夢
飛花無限已黃昏
曾て野寺を過れば緑陰 繁し
今日再来して空しく断魂
落托十年 都て夢に似たり
飛花無限 已に黄昏
以前にこの寺にやってきたときには、緑が生い茂っていた
今日再び来てみて、空しく感慨にふけるばかりだ
気ままに過ごしたこの十年はまるで夢のようだ
終わりなく飛び続ける花を見ていたら、とっくに夕暮れになっていた
断魂=深い感慨をおぼえる
落托=落ちぶれた様子と自由奔放な様子の意味があり、どちらの意味で取ってもらっても可。
※推敲
承句、来を尋に変更。
「今日再び尋ねて空しく断魂」