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狂風
奔雲片片向天邊
萬頃波濤散做烟
侵入深閨吹寂寞
莫留遊子礙帰船
奔雲片片天邊に向かう
萬頃の波濤散じて烟と做る
深閨に侵入して寂寞を吹く
遊子を留め帰船を礙ぐる莫れ
ちぎれ雲が次々と空の彼方へ飛んでいく
海いちめんの波が散らされて霧になる
深い寝室に入ってきて寂しさを吹く
どうかあの人の乗る帰りの船を邪魔して引き留めたりしないでおくれ
閨怨詩。
閨怨詩とは、家にいる女性が、その場にいない男性のことを思っているという状景を詠んだ詩です。
起句の天辺へ向かう雲が、風の強さを表現するとともに結句の遊子のメタファーになっています。