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何気ない恋

友達以上恋人未満

作者: 恋熊

最近、俺、木崎直人は、最近よく携帯ばかりを見ている。


「・・・・」


というのも、この間、俺は罰ゲームで女の子をナンパしたところ、見事成功したからだ。


それからというものの、俺とその相手の女の子である美鳥渡世はメールのやり取りや電話をよくしている。


メールの内容は他愛ない話ばかりだけど、彼女とは息が合うのか、どんな話をしていても楽しいと思う。


そんな風にお互いどれだけ経っても話が尽きないため、俺達はメールと電話の時間を決めることにした。

お互いに学生で時間は限られているし、夜遅くまで話していたら次の日に差し障るだろうという配慮だ。


しかしその分、彼女と話すのが待ち遠しくなってしまっているのだ。


「ふふっ」


HR前のこの時間も思わず笑みがこぼれる。

変に思われない様に口元を隠す。


「なおくん何笑ってるの〜?」


そんな陽気な声が聞こえて来る。


そちらを見ると、俺の胸辺りの身長の女の子がいた。


青みがかった長い黒髪を上の方で手ぬぐいで一纏めにした女の子。

身長は先述の通り、俺が180ぐらいなので、女子にしては高い方で、スタイルがいい。

特に足がスラリと長く、程良い肉付きで色気がある。

丸々とした目に八重歯が特徴の元気な女の子。


それが俺の幼馴染こと、日向湊だ。

彼女は良い意味でバカで、周りが落ち込んでいても持ち前の明るさで元気にしてしまう様な女の子だ。


しかし、この場面においてはただの空気の読めない女だ。

もし俺がナンパした女の子とやり取りしてるなんてバレたら、思いっきり茶化される上に最終的に美鳥に変なメールを送って台無しにするに決まっている。


「なんでもないからあっちに行ってなさい」


シッシッと俺は湊を追い払う動作をする。


「にゃは〜ん?これは何かありますなぁ」


ニヤニヤと俺に顔を近付けてくる湊。

鬱陶しい奴め。


「お前には関係ないだろ」

「え〜?そんなこと言わずに教えてよ〜」


そう言いつつ、湊は俺の鞄を開け、1時間目の教科の教科書とノート、筆記用具を取り出す。


「お前はいつも人の秘密とか悩みとか聞き出そうとするな。そういうのは良くないと思うぞ」

「そんなこと言わずにさぁ〜」


俺は湊の制服のリボンが曲がっていることに気付き、直してやる。


「あ、これこの前貸してくれたノート。助かったよ」

「どーも。この貸しで教えてくれない?」

「それはそれ。これはこれだ」


俺は授業でわからないことがあった為に湊に借りていた授業の要点をまとめたノートを返す。

ちなみにこのノートは俺にわかりやすい様にまとめてくれたもので、自分用のものは他にあるらしい。


「じゃあこれ、前借りてたCD。このバンド本当にいいね!こう、歌声に深みがあるっていうかさぁ」

「だろ⁉︎それにギターがすごいボーカルと息合っててさぁ!どの曲聴いても好きになるんだよなぁ!ってその内に携帯離したりはしないから」

「ちぇっ。チラチラ見てるから何かあると思ったのに。というかやっぱり携帯なんだね」

「しまった!」


俺も湊もハマっているバンドのCDを貸している話から携帯に何かあるとバレてしまった。

何たる失態。


そこでふと気付く。


「お前、またスカートのポケットに何か入れっぱなしにしただろ。何か膨らんでるぞ」

「えっ!嘘っ!」


湊はごそごそとスカートを弄る。

ただ、その仕方が荒いため、スカートの裾がヒラヒラ揺れている。

俺はさりげなく1番スカートがズレている方へ移動する。

もちろん湊の方は見ない。


「ホントだ!失くしてたと思ったニャン太郎あった!ありがとなおくん!」

「良かったな」


湊はお気に入りの猫のキャラクターのストラップを手にとても嬉しそうだ。


「それでなおくんや。この美鳥さんという人、あたしにも会わせて!」

「しまった!」


いつの間にか携帯が取られていた。

幼馴染に隠し事はできないもんだな。

こう、爆発しろっ!って言いたくなる様な話が書きたかった

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