京都旅行~2日目~
翌朝、雪がしんしんと降り続ける中、則子さんと美和さんはとあるお店へ向かいました。今回の旅のメインイベントである、『地毛で日本髪を結おう!』を遂行するためです。
則子さんと美和さんは、歌舞伎鑑賞仲間であり、時代劇も大好き。美和さんなんて携帯の着信音を、『大江戸操作網』のテーマ曲にするほどだし、則子さんは江戸時代に作られたアンティークの火鉢を買ってしまったほど。
日本髪は一見同じように見えますが、実は年代や職業、既婚・未婚などで細かく決まっているのです。例えば、『桃割れ』『結綿』などは、若い娘が結う髪型で、『島田』だと既婚女性、『丸髷』は更に年配の女性というように。
時代の変遷と共に流行は変わるので一概に言い切るのは難しいですが、例えば現代でも花嫁さんが、『文金高島田』のカツラをつけますね。あれは、『島田』を高く結い上げた髪型で、結婚して既婚になるという意味があります。
そんな江戸時代の話で盛り上がるうち、地毛で結いたいね、という話になり、旅行がてら京都へ行く展開になったのでした。
今回、お願いしたお店は『華陽』さん。最初は髪を結ってもらい、着物を借りて京都を1日散策というプランだったのですが、勢い余って舞妓さん変身プランも加えました。
まず、長屋だった家を改造したお店へ到着。玄関で靴を脱ぎ、2階へ通されました。そこで渡された襦袢に着替え、メイクを落とすように言われました。
その後、ストーブで温めながら使う昔ながらのコテで髪にウェーブをつけ、顔には鬢付け油をつけてもらいました。これをしないと、白粉が毛穴の中に入ってしまい、白塗りを落としても白いブツブツが残ってしまうそうです。
なるほど~と感心している一方、着々と日本髪が結われていきます。美和さんは年長の舞妓さんが結う『おふく』、則子さんは芸姑さんが結う『奴島田』でお願いしました。簪をつけ、着物も着せてもらうと舞妓さんの出来上がり!
和傘とぽっくりも借りて、タクシーに乗って祇園で撮影会。ちょうど雪が止んで、日が出ています。雪をかぶった祇園を背景に、パシャパシャ!再びタクシーでお店へ戻り、白塗りを落として、普段着用の着物に着替えました。
その格好のまま、一日、京都を散策です。
ちなみに、日本髪で外を歩く時は注意事項があります。まず本職の舞妓さんや芸妓さんがいる祇園界隈には近づかないこと。次に舞妓さんの振りをしないこと。
近年、観光客が舞妓さんの真似をして、花名刺を配ったり、写真を撮らせたりするので、本職の舞妓さんたちが困っているそうです。
もちろん、則子さんたちの目的は食べ歩きですから、問題ありませんが。(笑)
まずはお腹が減ったので、途中で見つけたおばんざいのお店で遅めの昼食を頂きました。案の定、日本髪に着物姿ですから、舞妓さんに間違われましたが、ちゃんと観光客だと説明しました。お料理も美味しく、お店の方たちも気さくで、ブログに則子さんたちの写真も載せて頂いたのですが、通りすがりのお店だったので、名前を忘れてしまいました。残念。
それから上賀茂神社の近くにある『御倉屋』さんへ行き、『旅奴』と季節の和菓子を注文。その頃から外は本格的な吹雪に。
本当は、2晩続けて『瓢亭MARU』さんにお邪魔する予定でしたが、寒いわ、疲れたわで、大人しくホテルへ戻ることにしました。
最後に錦市場へ行き、『仙波』さんでお土産の青実山椒を買い、ついでに、おにぎりとお惣菜も買ってホテルへ戻りました。
ささやかな晩餐でしたが、着物と日本髪の緊張から解けていただくご飯は格別でした。もちろん、デザートは『御倉屋』さんのお菓子。『旅奴』は、カステラ生地に黒糖をまぶしたお菓子。一口食べるとカリントウか?と思うのですが、カステラがほろほろ崩れて美味しかったです。
さて、38歳で舞妓さんになった感想は?
白塗りをするとシワが目立つ!!(笑)
肌色のファンデーションだと誤魔化せても、白い肌には、くっきり黒い影が出来るのです。その対比たるや。舞妓さんに年齢制限がある理由が良く分かりました。
皆様も白塗りをする際は、ご注意を。




