婚約破棄ですって!?消火器ぶちまけてくれるわ!!
2作目です。
1作目と同じ世界か舞台です。よろしくお願いします!
「ペネロペ!貴様との婚約を破棄してくれる!!」
はあ?…いや突然の奇行にこう思うのも仕方ないわよね。
いきなり私の(恥ずかしい)婚約者ノア王太子殿下が夜会の途中に壇上に上がり、訳わからん世迷言を宣言したんだからね…。
日本の前世が無きゃ慌ててたんでしょうけど、王太子と前世含めたら数十年の差がある私にゃ呆れしか出てこないわ。
「恐れ入りますが殿下、婚約破棄には相応の理由が必要でございます。また、この婚約は王命によるもの。王命に逆らうという認識でお間違いないでしょうか?」
私、ペネロペはあくまでも丁寧に受け答えする。
一応(ド腐れすぎてるが)王族、それも王太子だもの。それに変な言いがかりを付けられている以上、こっちの体裁は整えておかないとね。
「ふん、貴様に発現したという魔法。消火魔法とか言ったか?そんなよくわからん魔法でドヤ顔をしてる、と多数の貴族から報告が来ているぞ!派手に炎を上げるわけでもないくせに国に尽くしているフリとは生意気な小娘め」
いや、私が小娘ならアンタはガキだよ。バカがつくね…。
そんなアホみたいなツッコミが思わず口に出かけたが、堪えて別の反論を口にする。
「殿下、私の魔法はたしかに派手ではないかもしれません。しかし街で一度火事が起こればその度に私に出動の依頼が来ます。これは国に尽くしていると胸を張れます。また、ドヤ顔をしたことは一度もございませんわ」
むしろ疲れた顔をしていることが多いわね。
なんたって火事が起こったら真っ先に私が呼ばれるんだもの。
火事?ああ、消火令嬢にまかせておけって風潮なのよ。しかも無償でよ!ふざけてるよね!!
食堂でフライパンから火が出た?ペネロペを呼ぼう!
寝タバコでボヤ騒ぎ?ペネロペを呼ぼう!!
火魔法の訓練で火事になった?ペネロペを呼ぼう!!!
この調子で24時間365日(これは前世の言葉でこの世界では微妙に違うが)飯食ってても風呂入ってても深夜で熟睡してても叩き起こされて出動させられる。
ブラック企業もかくや、というレベルで働かされていて、最近は目の下の隈が化粧でも隠せなくなってきた。そのせいで王太子殿下から陰キャ扱いされて避けられるようになってしまったのよ!
まあボンクラガキ王太子殿下に嫌われようが心に響かないけどね!!
「ハッ、火事など平民の消防隊に任せておけばよい!そんなに平民が大事なら平民になればよいのだ!」
このバカ王太子の言葉には笑い声3割、困惑7割って感じに空気が割れたわね…。
いやいや、笑い声っておかしいけどね。平民のおかげで私たちの暮らしがあるのに、平民を蔑む貴族が3割もいるなんてね…。
「貴様のような平民を助ける奴なぞ貴族と呼びたくもない!!婚約破棄後、さっさと去れ!そして二度と王宮に姿を見せるな!!」
そして王太子殿下がサッと手を上げると、衛兵が二人、私の両腕を捕まえて出口に向けて歩き出したわ。
まあ、申し訳なさそうな顔をしながら優しく掴んでいるので、嫌々やっているのがわかるわね。それもそのはず、兵士たちが火を使う訓練をする時、万一の為に私が控えていることが多いから。まあ王太子殿下から出禁を食らったから今後行くこともないかもしれないけど。
それにしても腹が立つわね。魔法が発現してから散々王宮にこき使われた挙句、バカ王太子と婚約させられて最後には捨ててくるなんてね。
王太子の独断?陛下は許さないだろう?そんなことは百も承知よ。恐らく婚約破棄が破棄されるんでしょうね。
でも私は許せない。
嫌々ながら散々守ってやったのに、ここまでコケにされてまた婚約して仲良しこよし?
無理にきまっているでしょう。
こうなったらやることは一つね。
復讐よ!!
「と思ったは良いものの、どうしたものかしらね」
私は屋敷の庭のガゼボで紅茶をいただきながら、復讐の方法を考えていた。
断罪劇(笑)からは数日経過している。その間、王宮の使者からの謝罪という名の婚約復帰しろという命令と、王子の祖父母になるということしか眼中にない両親からの執拗な「許してやれ」攻撃に辟易していた。
まあ復讐方法考えていることからわかるけど、許す気ないけどね!!
「でもこのままだと復讐してもアレと結婚させられる羽目になる…」
呟きながら私は茶を啜る。まあ音を立てないでしているんだけど。
つまり私は本当に婚約破棄になる勢いでバカ王太子に復讐しないといけない。さもないと地獄の結婚生活が待っている。
勿論復讐と婚約破棄を別々にすることもできるが、両親が納得しないだろうし、復讐後に幽閉されて二度もチャンスがこない、とも思える。
「前途多難すぎるわね。使える手札も多くないし」
両親が味方でない以上、家の私兵は使えない。私自身の私兵を持つことも今までなかった、というか王家も両親も許さずにいた。
つまり基本的に自分しか手駒がないのである。
「となると、消火魔法を復讐に使うしかないわね」
この魔法、ただ火をフッと消す魔法ではなく、水で消火したり、前世で言うところの消火器の中身、ピンクの粉の消火剤を撒くこともできる。
ただし水は飲むためには出せないという痒い所に手が届かない代物だ。
だから婚約破棄したとも捉えられるのが悲しいところ。
「アレに着火させて水をかける?二重の罪で磔になりそうだわ」
つい最近、少し離れた国で王族が首チョンパされた、みたいな話もあった。あんな末路は御免被る。
「となると消火剤を撒く、というのが一番ね。どうしたものかしら…」
……
…………
………………
「そうだわ!消火剤があるなら消火器を作ればいいじゃない!!」
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俺様、ノア・バローはここバロー王国で王太子をしている。
ゆくゆくはこの国を継ぎ、愚かな平民に踊らされている王宮を改革、貴族中心の政治をしなくてはならない。俺様は教育係からそう教わってきた。
「婚約破棄をした後の空気は気持ちいいゾイ!」
ついつい変な語尾になるくらいには気分がいい。
父上からは「早く謝罪して仲を修復しろ」と言うが、そんなことをしたら支持層が離れていくではないか。俺様の支持層は貴族だ。これを変える気はない。
「殿下、次は武芸の授業でございます。お着替えが必須のため、お早めに移動をお願いします」
おっといけない。思考を回しすぎて昼休みの時間が過ぎてしまってたか。王太子が遅刻なぞ言語道断。さっさと移動しなければ。
「しかし特待生とは言え、平民と共に着替えるのは嫌なものだな」
更衣室で着替えている時、先ほどから一緒にいる側近にそう漏らす。近くに平民特待生がいるが構うものか。俺様が王になったら全員退学にして、開拓地に放り込んでやる。
「殿下、室内にこんなものがありました」
ふと、別の側近が謎の筒を持ってきた。
木製の筒に持ち手とレバーが付いている代物だ。筒には大きく「レバーを握るな!」と書かれている。
「以前はこんなもの無かったはずだな」
「ええ、得体の知れないものです。教師に報告して処分して頂きま…」
その発言を俺様は遮る。
「いや待て、危険とは書かれてないから危険ではないのだろう。ここはレバーを握ってみようじゃないか」
「殿下、危険です!!」
顔色を変えて側近が叫ぶ。その声に釣られて多くの生徒がこちらに顔を向けた。
「万一爆弾だったらどうなさるのですか!!」
その声に少し苛つきながら俺様は答える。
「爆発魔法持ちの魔法使いは国が管理している。こんな物を作っていたら即時衛兵に確保されるぞ」
その発言に側近達や周囲の生徒は確かに、という空気になった。
ふん、この程度も考えつかないとは愚か者どもめ。これで貴族の子弟なのだから不安になる。
「さあ、レバーを誰が握る?…いいや、俺様が握ってやろう」
「殿下、いくら危険は薄くても流石にそれは問題では?」
側近の一人は何故か青ざめた表情で言ってきた。何故だ?
「俺様の命令に従えないのか?王太子であり、将来の王の俺様の命令を?」
そこまで言って、ようやく皆、誰に歯向かっていたのか気づいたらしい。皆青ざめた表情でこちらを見つめている。
「さあ、握ったらどうなるんだ?金貨でも降ってくるのか??」
冗談を俺様は言いながら、レバーを握った。
「うっ、うわぁ!!何だこれは!!!!」
私、ペネロペは食堂に備え付けられているテラスで紅茶をシバいているわ。元々は珈琲派閥だったんだけど、転生してから珈琲が見つからなかったのよね。もしかしたら他の国で細々とあったりするのかもしれないけど…
閑話休題。
先ほど、私は試作した消火器をコッソリ男性更衣室に置いてきた。次の時間は殿下のクラスは武芸の授業なので、更衣室を使う。
他の貴族の子弟や特待生達は危険物だから忌避するだろうが、あのボンクラならさっさと手に取るだろう。
そして苛つきやすい性格もこちらに有利に働く。恐らく、触ることに反対する周囲に苛つき、権力を振りかざすのだろう。
そして、試作消火器にはちゃんと使い方を書いてある。まあやめろ!という風にだけどね。
さ、もう学園の授業とかどうでもいい。このテラス席からは更衣室が見える。このまま見物させてもらうとしよう。
そして昼休憩が終わる直前、いきなり更衣室のドアが開き、中から慌てて着替え途中の生徒達が飛び出してきた。ほぼ同時に白っぽい粉みたいなものも噴き出してくる。うーん、昔見たことあったけど、相変わらずの迫力ね。巻き込んだ周りには申し訳ないけど、暴君を先に潰せるから許してね。
しばらく中からは半裸やら上下チグハグな恰好をしている生徒達と白い粉が飛び出してきていたが、やがて生徒が出てこなくなると、今度はピンクの粉も白い粉と一緒に出てきた。そろそろ中身はほぼ出尽くしたはず。あのボンクラはどうしているのやら。
やがて粉が収まってきたタイミングで、ボンクラが試作消火器を持ってフラフラと出てきた。呆然自失としているようにも見える。ちなみに側近は早めに離脱していた。ボンクラは見捨てられたのだ。
そろそろ笑いを堪えるのに限界を覚えた私は、席を立った。紅茶は既に飲み干していたので問題ない。
私はトイレに早足で入ると、大声を上げて笑い出す。
「フフフ、アッハッハッハッハッハ!!ハーハハハ!!!!」
あー、スッキリした。他の人を巻き込んだのはダメだっただろうが、責任は私が取れば問題ない。婚約者の立場を降りればそれでいいはず。
あのボンクラがどうなるかわからないが、もうどうでもいい。私は自分の未来を考えていくことにしよう
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「こっの、大馬鹿ものがぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
「ぼんぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
私の目の前で陛下がボンクラにバックドロップを決めた。前世でもあるのか?と思えるくらい綺麗な技だ。何も観客がいたら大盛り上がりだろう。
ま、ここ会議室にいるのは陛下、ボンクラ、私、両親、大臣やら財務卿やらの国の重鎮、そして衛兵だけだから静かなものだが。一人だけ衛兵が笑いを堪えてるみたいだが、声を上げたらその時点でクビだ。頑張ってね。
「私の言うことが聞けないのかこの愚か者がぁぁぁ!!!!」
「ヒッ、お許しください父上!!!!」
「ここでは『陛下』だろうがぁぁぁ!!!!!!」
うーむ、見世物としては最高だが、ここにいつまでも居たくない。両親も困り果てているし、そろそろ誰かが止めてほしいものだ。
「陛下、そろそろ話し合いに入られないと時間が…」
「そうか。なら続きは後でやろう」
「ヒッ」
怯えているタンコブ付けたボンクラの髪を掴んで強引に席に座らせた陛下は、自身も議長席、所謂長テーブルの短辺に座る。ちなボンクラの席はその隣ね。ストレス半端なさそう。
「では、進行は私が務めさせて頂きます」
こうして会議が始まった。
「何故ですか!!私達の娘を王妃にすると契約したではありませんか!!!!」
お父様がぶちギレている。まぁ契約の破棄、というか自分たちの野望が潰えそうだから必死だろう。
あれから議論は踊った。両陛下、ボンクラ、各卿に大臣、父母の議論が紛糾している中で決まったのが
・ボンクラの不義理による慰謝料を父母に支払う(私にじゃない)
・ボンクラの廃嫡(王妃陛下及びボンクラ派の卿が発狂)
・ボンクラの幽閉(王妃陛下再び発狂)
ここまでは決まった。発狂案件が何度かあったが決まった。
しかし、私を次期王太子の第2王子殿下の婚約者にしない、と王が言い出した途端これである。
「ふむ、今回、王太子が廃嫡になった原因をわかっておるか?」
冷静な陛下がお父様に問いかける。
「ええ、先ほども説明がありましたから。更衣室内にあった正体不明の筒のレバーを握ったら、中から謎の粉やら綿やらが出てきて、更衣室を破損したからでしょう??」
「正解だ。正確には危機管理の無さと横暴さが原因だがな」
ここで話を切った陛下は、私に顔を向ける。
「で、だ。その筒の中に入っていた色々な物だが、私は見たことがあるのだ。なぁドーントレス令嬢よ」
試すような視線に、私は真っ向から立ち向かう。
「陛下、ハッキリ言っていただかないとわかりませんわ」
「では問おう。ドーントレス令嬢、そなた、あの謎の筒を作ったな?」
鋭い眼光で私を睨みつけてきた陛下に対し、私は堂々と答える。
「ええ、アレを作ったのは私ですわ」
その言葉に会場がどよめく。
でも大臣や一部の卿は「本当だったのか」という感情っぽい。まあ消火魔法見せてた人もいるからバレるよね。
「設置したのもそなただな?何故、こんなことをした?」
陛下は冷静に私に問いかけてくる。
「それは…復讐と婚約破棄のためですわ」
私も冷静に言葉を返す。
「もっと別の手段があったのではなかったのか?復讐はともかく、婚約破棄なら何とかできたのではないか?」
その質問に私は冷たい目をして陛下に返す。
「陛下からよりを戻せ、と言われ、ただ次期王の祖父母になりたい両親に何を言っても無駄ですわ。全てを壊すにはこれがベターでした」
その言葉に、王は少し後悔の表情を出す。
「私は、ノアが更生することを望んでいた。幼少期に付けた教師が良くなかったのか、歪んだ思考を持ち、歪んだ王になろうとしていた。だから其方との縁を取り戻させ、ノアの更生をさせたかったのだ。其方に苦労をかけるのは分かっていたが、私も我が子は可愛かったのだ」
その言葉に少しムッとした。私を酷使して、国を正常に保たせようとしてたのだから。一番の問題はこの優柔不断な王じゃないのかしら。さっきのバックドロップに感動してた感情を返してほしい。
反論しようと立ち上がり口を開きかけた瞬間、突如私は腹を掴まれた。
「お前ぇぇぇぇぇぇ!!!!ここまで育てておいて恩を仇で返すとは!!!!!!!!」
お父様がそう言いながら私は持ち上げられ、気づいた時には仰向けになっていた。背中に強い痛みもある。どうやらバックドロップされたらしい。
うーむ、ショック。たしかに他の生徒を巻き込んだのは悪いけど、ここまでされるものなの?
いや、高い制服を何着もダメにしているからここまでされるものか…。
「貴様なぞ勘当だ!!お前なんざもう無用だ!!」
さらに私に怒鳴りつけてきた父親を、衛兵が慌てて取り押さえる。
「その愚か者とその妻を、即刻つまみ出せ!!」
今も拘束から逃れようと暴れているお父様…いいや、公爵とうなだれている公爵夫人を衛兵は連行していく。
これで二人を見るのは最後だろう。さようなら、二人とも。一応今まで育ててもらってありがとうね。
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「社長、次の商談まで時間がございます。しばらく休憩してください」
「わかったわ。ありがとう」
社長と呼ばれるのも慣れてきたわね。公爵令嬢やら令嬢やらと呼ばれるよりも心地いいわ。
私が父母を見送ったあと、第2王子殿下との婚約は勿論なく、更に私を貴族籍から除外することも決定された。あれだけのことをしたし当然ね。
あの後念のため、元我が家に帰ってみたが案の定中に入れず。キレるのも仕方ないが、私物を道の前に捨てられてたのは流石に心に来た。
まあ私有財産は既に個人口座に移していたからモーマンタイだったけどね!(泣)。
さて、そんな資金だけ手元に残した私だけど、一生涯生きるだけの金ではない。つまり私は金を稼ぐ必要がある。
幸い、平民の中に男女差はそこまでなく、誰でも金持ちにでも貧乏にでもなれる国なのよね。なれないのは貴族だけ。私はもう貴族になりたくないからどうでもいい。
そんな私の選択。それは、消火魔法の有償化だった。一回一回の出動に僅かながらお金を貰う。自分の魔法を使うのにこれほど有効な使い方もないだろう。むしろ今まで無料だったのがおかしいのだ。
王宮が文句を言ってきたらその時は国を出るつもりだったが、陛下は私に負い目を感じたのか、有償化を受け入れた。その代わり訓練等の出動は無くなったが、文字通り火種はいくらでもある。割とあっさり金が貯まった。
このタイミングで私は、消火器を作るときに協力を仰いだ魔法使いを招く。
私が復讐に使った試作消火器だが、短期間の開発かつ、魔法使いの外側からも中側からも魔法を重ね掛けしなければ前世級の噴射力は無かった。つまり、圧倒的にコスパと技術差が悪いのね。
この魔法使いの能力は「圧力魔法」。圧力が無ければ消火器は動かず、彼がいなければ開発は成功しなかっただろう。
そして私と彼、そして鍛冶に精通したドワーフの力が合わさり、遂に比較的安価な消火器を開発!試験の後、販売に乗り出したの。
結果は…大ヒット!!何度かデモンストレーションを行い、火を扱う場所での万一に即応できる、というのが大バズった。逆に言えば今までかまどとかがかなり危険だったということだけどね…
こうして私は資金を元に商会を設立、社長となったというわけ。その間、没落した父母からの支援要請を撥ねつけたり、共産国家を名乗るヤバい連中からつけ狙われたりしたが、後者に関しては陛下が影をつけてくれたお陰で何とか対処に成功した。
平民なのにここまでしていいの?とも思ったが、負い目もあるでしょうけど、消火器が我が国の一大産業になっているからというのが大きそうね。
ここまでがあの会議の日から現在までだ。私は王妃の座を蹴ったのを後悔してないし、貴族籍から除籍されたことを後悔してない。
前世の記憶がある状態で貴族をやるのも結構大変なのよ。戻ってくれ、と言われても断るつもりよ。
さあ、過去を懐かしむのもここまで。今は次の商談についてのおさらいね。
内容は…隣国にて最近開発された鉄道への消火器設置に関しての商談ね。
鉄道…前世で危機なじみのある交通機関。やっぱりこの開発者も転生者なのかしら。開発者が直々に来るらしいので聞いてみましょうかしら。前世の話ができるかもしれないのは楽しみね。
さ、次のお仕事もがんばろうっと。
ありがとうございました!




