戻れない一歩の前で
あれっ?ここ…。あっ、ユーヤの家か。
夏休みだし「親居ないからって遊びに来いよ」って言われて、ゲームして、お菓子食って…。
みんなその辺で寝てるな。なんか飲もっかな。
「んっ…。和也くん?」
あっ、ヤバっ。マナミさん起こしちゃった。
「起こしちゃいました?ごめんなさい。飲み物取ろうと思って」
「ううん、大丈夫。私も何か飲もうかな」
ビックリした…。マナミさんがユーヤの部屋にいるなんて。…それにしても、いくら暑いとはいえブラトップにショートパンツで高校生の男子たちと雑魚寝してたら危ないだろ。僕じゃなかったら襲われてるぞ。
「んっ?なぁに?じっと見て。お姉さんに興味ある?」
「えっ、いや!そんなことは…。」
そう言いながらも、目を逸らさない自分がいる。
ダメだと思っているのに、期待してる自分もいる。
「でもここ、大きくなってるよ」
頭が真っ白になる。
やめなきゃいけないのに、体が言うことを聞いてくれない。
「ちょっ!やめてください!触らないで!」
マナミさんがどんどん近づいてくる。
避けようにも隣にはユーヤが寝てるし。
「…捕まえた」
妖しい笑みを浮かべているのに、目が本気のように見えた。
頭が冷えていくのに対し、体はどんどん熱を帯びていく。
「…こういうのは、好きな人とするもんでしょ?」
「ふふっ。そうね。私は和也くんのこと好きよ。和也くんは私のこと好きじゃない?」
「いや、好きですけど…。でも、そうじゃなくて…」
「なら何も問題ないじゃない。ねっ?」
本当にそれでいいのか?
頭では否定しているのに、言葉が喉につっかえて出てこない。
マナミさんが僕の上でブラトップを脱ぎ、まるでこれから獲物を射るような獣の顔で僕を見ている。
僕は戸惑いと興奮で、どうしていいのかすらわからない。
逃げたいのか、このまま溺れたいのか、それすらもー。




