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第1章: 新たな世界、そして新たな詐欺
祐一はすぐにこの世界が自分にとって絶好の場所であることを理解した。人々は素朴で純粋であり、疑うことを知らなかった。彼は詐欺師としてのスキルを使って、瞬く間に地位と富を築いていった。まずは簡単な嘘から始め、次第により複雑な詐欺へと発展させていく。
「ここはなんて簡単な世界なんだ。」
祐一は毎日のように新たな犠牲者を見つけ、彼らから金銭や権力を巻き上げていった。彼はその手口を完璧に練り上げ、誰も彼に疑念を抱かないように仕向けた。祐一の周囲には常に忠実な部下や、彼を慕う者たちが集まっていた。彼はその名声を高める一方で、裏では汚い手口を使って反対者を排除していった。
しかし、彼は次第に異様な感覚を覚えるようになっていく。すべてが順調すぎる、何もかもが彼にとって都合が良すぎるのだ。人々は彼を崇拝し、逆らう者は一人もいなかった。祐一はその状況に疑問を抱き始めるが、同時にその甘い生活に溺れていた。