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彼女が帝国最強の水術士になった理由  作者: 滝川朗
第一章:学院入学前の子ども時代からずっと一緒のユーシスには、サラが陰術クラスのエドガー・エレンブルグに長いこと片想いしていることもバレバレだった。
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 陽術クラスの女友達からは、なんであんな『クズ』と友達なんかやってるのかとよく聞かれる。


「さいっていよ……ほんとにアイツ。オパールと付き合ってた時、アリサとは別れたって言い張ってたけど、絶対被ってた時期あったって……!ほんっと、信じられない、人間の風上にも置けない最低なヤツよ」


 オパールは陽術クラスの二軍にいる美人さんで、アリサは一つ下の学年の女子だった。どっちも、ユーシスが好みそうなお人形みたいな女の子達だ。


「はあ……私はもう今さら、何を聞いても驚かないよ。アイツの凄いとこは、この狭いコミュニティでそこまで好き放題やらかしといて、誰からもハブられてないところなんだから……」


 そう。普通だったら男女双方から総スカンを食らってもおかしくない行いをしているにも関わらず、彼の周りには男女問わず常に人が集まっている。

 人間関係をコントロールすることに関して、とても器用なのだ。押さえるとこ押さえているから、クズだなんだと罵られながらも、結局誰もヤツのことを憎みきれない。

 そもそも、ユーシスと付き合う女子達だって、アイツがクズだと承知の上で付き合ってる訳だから、まあ自業自得と言えなくもない。


「斯く言う私も……アイツには借りがいっぱいあるからなあ……」


 ユーシスの狡賢さは幼い頃からのことで、アイツが今のような大魔王になる前は、天使のように可愛い顔をした白魔術師の卵は、サラにとって、頼れる英雄だった。

 地方では特に、呪力を持つ人間に理解が薄く、まだまだ当たりが強いので、二人の故郷、西部フリースラント領に居た頃は、翠緑の呪力を持つサラは、しょっちゅう近所の悪ガキ達に虐められていた。

 風術の使えるサラのことが恐ろしくて、直接攻撃のできないヤツらはいつも、サラの妹で、気の小さいアリスに矛先を向けていた。


 貴族の爵位こそなかったが、ヤーデ公爵家の流れを汲む地方地主クローディア家の末っ子長男だったユーシスもまた、純白の呪力の持ち主だったため、サラの気持ちを良く理解してくれて、虐めっ子たちのことを、持ち前の狡賢さで片っ端から撃退してくれていたのだ。


 当時のユーシスのことを、サラもよく覚えているから、初めこそ真面目に説教していたものの、最近は諦めて普通に友達をやっている。


「ほんと、ズルいヤツよね。皆が自分のこと、憎めないの分かっててやってるんだから……。いつか、痛い目にあっても知らないわよ」


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