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「問題はなー、討伐パーティーと違って、試合のチームの組み合わせが、教師の気紛れでコロコロ変わるとこだよ。いったい何パターンの組み合わせを考えないといけないんだ?気が遠くなりそうだよ」
「ダメダメ。私そう言うの無理。二人に任せるわー……」
クロエの恐ろしいお母様に啖呵を切ったあの日から、クロエとユーシスは、毎日毎日、喧々諤々で対リファール対策を考えていた。
もちろん毎回一位のリファール対二位のクロエという組み合わせになるわけでもないので、日々の授業の中で、二人が直接対決するのは数えるほどしかない。
その数えるほどしかないチャンスで、毎回相手を直接負かしていかないと、実力が亀甲しているリファールに、ポイントで上回るのは厳しいだろう。
三対三か、五対五か。互いの術士の組み合わせが誰と誰か、星の数ほどある場合分けに対して、それぞれ、リファールが取るであろう戦略一個一個に、対抗手段を考えていかないといけない。
「まあ、基本の型はやっぱりあるよ。あとは、その基本パターンにくっ付けていく感じで、応用パターンを考えていけば……」
なんか、楽しそうだな、二人とも。
真剣そのもののユーシスの顔。
コイツったら、七年間でいま最も輝いている。
いいよいいよ、私は。二人に言われたことだけやっとくから。
エドガー様だって、きっとそうだもの。
あーあ、夏休み、早く来ないかなー。
放課後の教室で、延々と対策会議を開いている、クロエとユーシスだった。




