(4)
――クックックックッ……。
アヴァロンの心底愉しそうな嗤い声が響く。
「悪魔の囁きだね、アルファトス。なーにが『いつでも僕のことを喚んで』さ。笑い過ぎてはらわたが捩れるから止めてくれよ……」
「可哀想なクロエ・カイル。『至高のマナ』と引き換えに、神様達の暇潰しのための、くっだらないゲームの『アバター』にされるとは少しも知らず、完全に恋する乙女じゃないか。悪い男だな!お前も……!」
目尻の涙を拭きながら笑い続けるアヴァロンの隣で、若き紺碧のプレイヤーは憮然とした顔をしていた。
「覗き見とは悪趣味だな。相変わらず、純白のプレイヤーとは思えない性格の悪さだ」
「悪かったね、君があまりにも『人間』みたいなことするから、可笑しくてさ。若いよ、若い。若すぎるよ君は……」
純白の熾天使の嗤いは止まらない。
アルファトスが射殺すような目で睨み付けているのもお構い無しだ。
「しかし、面白くなってきたね。今回は十八歳以下限定の『ユースゲーム』としようか……!僕も、崇高な純白の呪力の持ち主を早く探さなくては……!」
アヴァロンはウキウキした声で言う。
「茶化さないでくれ。俺は真剣なんだ」
青ざめた顔で呟くそんなアルファトスの言葉に、アヴァロンもふと真剣な顔になって言う。
「止めよ、アルファトス。僕は、君に忠告しているだけだ。何度も言っているだろう。人間の乙女に恋なんかして、ロクなことはないぞ。自身のアバターなどに思い入れを持つべきじゃない。面白半分にそう言うことをしていたら、いつか泣きを見ることになるぞ……!」




