3.なんで私の部屋に推しがいるんですか?(雛side)
お、推しがなんで私の部屋に...!?
本当になんで...?
「初めまして。それで、ここは何処か分かるかい?」
「私の部屋です...ここ。」
私のベッドで寝てたのが本当に驚きなんだけど...。
もう寝れないよ、あのベッド。
それで、知らないフリ...。
「不法侵入ですか...?」
「いや、僕もなんでここにいるか分からなくてね...。」
「な、なるほど...とりあえず詳細話してもらいたいので...少し待っててください!」
...なんか逃げてきちゃったけど、どうしよう...!?
とりあえずホットのココアでも持っていっておこうかな...?
推しの好物だし...。
...自分の部屋に入るのが怖くなることがあるとは思わなかったよ。
よし、行くぞ...。
「あ、お待たせしました。これ、どうぞ。」
「ご親切に、ありがとうございます。」
推しのはにかみ、神だろぉ...!!
待って、浄化されそう...。
「そ、それで、ここに来る前のことで覚えている事ってありますか?」
「ここに来る前は、ドラマの台本を覚えてて...。」
ドラマ...ハッ、最新イベの...。
「なるほど、ドラマ...俳優とかなんですか...?」
とりあえず、知らないフリ、知らないフリ...。
「そうだね。最近なったばっかだけど...。」
「へぇ、凄いですね。私、俳優とか好きで...びっくりです。」
誰とは言ってないもん。
「ちなみにどんな俳優が好きとかありますか?」
あっ、ヤベ...。
えと...えと...推しの名前は言っちゃいけないから...。
この世界の俳優...。
「与川寿人さんですね。元気で良い演技なんですよ!」
「へぇ...元気な人とかが好みで?」
「は、はい...!」
なんかあっち、私の事色々知ろうとしてる風あるんだけど...。
もしかして、悪い人じゃないか疑ってるとか...?
まぁ湊様、用心深かったりするしね...。
というか、元の世界に戻るまでどうするんだろ...。
「あっ、そういえば、元いた場所まで帰るまで、どうするんですか?」
「あぁ、それは...。」
別世界だもんね。
戻れるか分からないもんね。
「...もし良かったら、ここに泊まらせてくれないかい?」
「え...。」
推しが、私の家で...?
「いやだったら大丈夫なんだけれども...。」
「いえ、全然平気です!!」
湊様が家から出ちゃったら、大問題よ!!
ゲームのキャラがいるって...。
「となると、部屋どうしよう。どの部屋も物置き部屋で、この部屋しか使えないし...あっ、敷布団あるし、私それ使うのでそのベッド使って良いですよ!物置き部屋が片付いたら、ちゃんとした部屋作るので!」
「いや、流石にそれは悪いよ...。」
「大丈夫です!!」
推しに敷布団なんか使わせられないし...。
「...なぜか僕に敷布団を使わせるのが嫌そうだね。」
ギクっ!?
あぁ、ヤバいヤバい。
バレたか...?
「...それなら、2人でベッド使うかい?」
「...へ?」
...え、ちょっ、ぁ...?
「なーんて...。」
「...わ、かり...まし...た。」
「...え?」
えっ、今私許可した?
なんで分かったって言ったの?
推しと寝るんだぞ。
推しにも悪いぞ?
バカじゃね?
「...じょ、冗談のつもりだったんだけれど...。」
「そ、そうですよね!すみませんでし...。」
「けど、もし君が良ければ、僕はそうして欲しい...かも...///」
「ふぇ...///」
推しがちょっと照れてる...?
かわいい...てか、なんで...?
あっ、そっか!!
湊様、女の子との関係が一切ないんだ!!
だから、慣れときたいのか...!!
なら、頑張る...か...。
あっ、無理そう...///
「と、とりあえず夕飯近いんでなんか買ってきますね!!」
に、逃げないと、逃げないと!!
夜になったら多分忘れてくれてるから!!