1.推しってなんでこんな神なのでしょう?(雛side)
「推し様が後ろで髪結んでるとか、このビジュ神すぎでしょ...!!反則だってぇ...///」
私は"柚屋 雛"。
女子高生で生粋なオタクでありながら、趣味で作詞をやっている女子高生です!
「やっほー、雛。今回のビジュ、神すぎじゃなかった?」
彼女は"長谷部 結衣"。
私の親友。
私達がやっているゲームは推しキャラを育成して、アイドルなら歌やダンス、俳優なら演技力、バンドなら楽器を上手くさせるリズム育成ゲーム。
育成する方法は簡単。
リズムゲームでアイテムを集めるか、ガチャでそのキャラを引く。
ガチャで引いたカードの種類によって、近未来感や和風感など、色々な服装に出来たり、そのカード特有のストーリーやオリジナルボイスも聞けるの。
ちなみにそのカードのビジュも神すぎるので、課金者が増えているんだ。
「うん、マジで神!てか、今回のストーリーで私達の推し2人が来るなんて、びっくりだね!」
「それな!てか、今回和風でしょ?そんな演技させられるとか、神っ!!」
私達の推しは俳優だ。
そのため、普通言わないような言葉も言ってくれたりして、神である。
「拙者、とか?」
「ござるとかもあるかも!」
「「いいねぇ...。」」
私達は学校へ現在向かっているが、それまでもずっと話している。
途切れる事などない。
「やっぱり湊様が神なんだよ。」
「えぇ、1番は莉央様じゃない?」
私達の推しは勿論違う。
私の推してるのは、水色の髪に紫の目を持つ男子高生"神谷 湊"。
結衣が推してるのは紺色の髪に黄色の目を持つ男子高生"星川 莉央"だ。
ちなみに2人共イケメンである。
「あのさぁ、学校の帰りにグッズ買いに行く?」
「うん、行こう!!ランダムのやつ欲しいもん!」
そうして話していると、学校に着いた。
「あっ、2人共!」
私達に話しかけたのは、生徒会長の"片瀬 玄野"。
ちなみに玄野もそのゲームが大好きだが、真面目キャラをやっているので、誰もいないところでバレた私達には素で話している。
「雛ちゃん、このグッズあげるよ。この前ランダムで引いたんだ!」
「やった!ありがとう!!」
「あのさ、そろそろ急がないとじゃね?チャイムなると思うけど...。」
「あぁ、本当だ!」
廊下を走る。
生徒会長がやることではない。
私は知らん。
「じゃあまたね、玄野!」
「うん、じゃあね!」
玄野だけが違うクラスなので、別れる。
「危なぁ、間に合った!」
2人は席が遠いので、別れる。
結衣は陽キャなので友達が多いが、私は陰キャなうえクラスの端の席なので、ボッチである。
「ふふっ...///」
そういう時は推しの声を聞いている。
その時がめちゃくちゃかわいいらしく、男子に人気らしい。
なんか小柄なのも人気なんだって。
「おら、授業始まるぞ。」
先生が来たので、スマホを仕舞わないと回収されちゃう。
前回収された事あったし。
ちなみに私は頭が少し悪い。
授業なんて大っ嫌いだ。
まぁ、本気で覚えたら満点取れるけど...。(マジ)
「早く終わらないかなぁ...。」
さて、推しの絵描いて待つかぁ...。
そして、授業が終わり、買い物して帰る。
「疲れたぁ...推しに会いたい...。」
私は一人暮らしだから、普通に寂しい。
「...え?」
自分の部屋のベッドに人が寝てるんすけど?
それも...推しなんだけど...。
「ん...ぁ...?」
「っ、声が良いっ...///」
生の推しに意識が飛びそうになったんだけど...。
「あ...れ...君は...。」
「はっ、初めまして...!柚屋雛です...!」
推しに対してしっかり挨拶しなければ!!
「あぁ、僕は神谷湊だよ。」
「湊さんですね。初めまして...!」
決して知ってるとはバレないようにしないといけない。
あと、推しだともバレないようにしなければっ!