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転生してサラリーマンになった  作者: リッチー
3/48

できる上司と末恐ろしい新人

 数日後、会社の判断として営業部に在籍のまま、担当企業を減らして開発部の方も業務をこなすという異例の人事となった。

 俺の担当から半分の企業を営業一課の同期に振る形で担当の変更と引き継ぎを行った。4月の新人が入社する前に引継業務をこなさねばならないため、結構忙しくなった。

 課長の方針としては一見均等に担当を振り分けているように見えるが、実は業務内容的には兼人、麗子、栄美、への負担が大きくなっていた。

 この辺り、課長の采配の絶妙なところでこの人のEQが高いと言われる所以である。

 所沢課長は39歳になる男性で、中肉中背と言うのを体現したような背格好ルックスも飛び抜けて良いわけでも悪いわけでもない。しかし頭の中身は俺も舌を巻いている。

 EQ、すなわち「心の知能指数」別の言い方をすると「察する力」相手の心理や感情を理解し適切に処理する。その能力が秀でている。

 所沢課長の頭の中には社員全員の相関図が入っているのではないかと言われている。

 今回の人事に際してもその手腕を発揮し、部長に俺の二足のわらじを提案したらしい。

 そしてその際には既にどの企業を誰に振り分けるのかさえ素案がまとまっていたという。

 俺との関係性の強い人間により負担が大きく振り分けられているのは、俺からのアドバイスや実質的なサポートが受けやすい環境にいるからだ。

 そして一見、全員に均等に振ったかのように見える采配。全く恐れ入る。

 そりだけではなく、気弱な伏見などへは相手先の担当者の柔軟さまで盛り込んでいるというそつのなさだ。

 ちなみに俺の同期は10人から6人に減っていた。

 3人目の女性だった有吉久美子は早々に寿退社してしまった。

 何でも親の決めたお見合いによる婚姻らしい。

 お見合いから3ヶ月とは急な話だと思うが、色々あるんだろう。

 もう一人の退職者は福沢哲治。彼は大手企業の福沢製薬の嫡男で他社企業での修行でキャリアを付けてから戻る予定だったが、創業者の祖父が急逝し、父親が代表取締役に就任したのを機に呼び戻したらしい。人柄は良いが他人にも自分にも甘い気質が仇と出なければ良いと思っている。

 あとの3人については単に会社に馴染めなかったと言う話を聞いたが、そもそも社会人としての自覚が薄かったのではと思う節もある。

 残っているのは俺たち4人と伏見健吾・田代典明の2名だ。気弱な伏見が低空飛行で会社に居続けているのに対し、田代は少し特殊な気がしている。田代の特長と言えば、可もなく不可もない印象の薄めな人物というところだ。一見矛盾しているかのような特徴だが普通の人は多少の得意不得意があって、完全に個性を消すのは難しい。しかし田代にはそれがない。

 全てにおいて平均値を目指しているという本当かウソかわからない噂があるくらい個性を消していることが個性になっている不思議な男である。

 と言うことで俺が担当していた20社の内、10社を5人に2社ずつ振る形になった。

 

 「なんで開発なんかに行くんだよ。」

 兼人が昼休みに絡んでくる。今日は兼人と一緒に取引先に担当変更の挨拶に来ている。

 「完全に営業を抜けるわけじゃないだろ?」

 俺はサイゼリヤのミラノ風ドリアにスプーンを入れながら答える。

 「半分は行ってんじゃねぇかよ。」

 兼人はスパゲッティアラビアータをフォークでつついている。

 なんだかコイツにピッタリなパスタだなと思った。

 一応引き継ぎ作業はこの一社で最後だった。

 各取引会社ともに担当が俺から変更になることを惜しんでくれたのは俺にとっては世辞であったとしても嬉しかった。

 伏見については少し不安だが、他の4名については何の心配もないと思っている。


 株式会社ヨツバ、関西圏を中心に医薬品や医療器具を下ろす中堅どころのディーラーである。

 俺は兼人と二人、奥の応接室へ通された。

 今日は専務の時任氏とアポが取れていた。

 お茶を出され、しばらくするとノックの音とともに扉が開かれ、見知らぬ壮年の男性が現れた。

 「いや、ご足労いだだきありがとうございます。専務の時任があいにく急用で不在となっておりまして、私がお話をお伺いいたします。」

 俺たちはスーツから名刺入れを取り出し、名刺交換の体勢をスタンバイする。

 そして名刺を差し出した。

 「株式会社クロシエの長谷川でございます。」

 「藤原です。」

 株式会社ヨツバ、常務取締役、内藤文夫

 「ヨツバの内藤です。まあおかけください。」

 内藤氏は席を勧めてくれた。

 「すみませんね。時任が不在で」

 「いえ、こちらの都合でお時間を頂きましたので。」

 「本日は、営業担当の変更の件でご挨拶に伺った次第でございます。」

 「そうなんですね。長谷川さんから藤原さんに変更と」

 「はい、弊社の都合で申し訳ございません。」

 俺は兼人と一緒に軽くお辞儀をする。

 「いえ、結構ですよ。その件は時任が担当していた話ですから私がとやかく言うのも筋違いでしょうし、私の方から時任には伝えておきましょう。」

 その後、俺たちは新商品や既存商品の販売についての新たな切り口などを内藤常務に提案をして場を辞した。

 ヨツバから出ると近くの喫茶店で兼人と話す。

 「なんか、のれんに腕押しだなぁ」

 「まぁ、担当違いだからあんなもんじゃないか?」

 兼人はアイスコーヒーの氷をストローでつつき回している。

 俺はエスプレッソを傾けながら答えた。

 「で、時任さんってどんな人?」

 「専務は、熱い感じの人だな。何というか。両手剣使いみたいな」

 「なんだそれは?」

 「いや、なんだ、ほら攻撃が最大の防御みたいな?」

 おれはふと口をついて出た言葉をしどろもどろにごまかす。

 「スマホゲームの話か?」

 「そんな感じかな・・・」

 「ともかく、会ってみないとわからないなぁ。話は通したし、今度は俺からアポ取ってみるか。」

 俺たちは会社へ戻ることにした。

 16時頃に帰社すると課長が声を掛けてきた。 

 「お前ら、大変だったなぁ。」

 「どうしたんですか?」

 「どうしたって、ニュース見てないのか?」

 課長はそう言うと、自分の席に俺たちを呼んで、PCのモニターを指さした。

 ネットニュースには数日前から見つかっていた身元不明の溺死者の身元が判明したとの記事だった。

 そう言えばそんな事件もあったかなぁ程度の認識しかなかった。

 課長の雰囲気から俺たちの行動と結びつけると知っている人物が遺体の本人と言うことなのだろう。

 兼人が斜め読みして行く

 「遺体の身元は山路大介さん・・・ってだれ?」

 俺が記憶をたどりつつ思い出した結果

 「ヨツバの代取りだよ。」

 「それで専務が不在ってことだったんだ?」

 「先方はどんな感じだったんだ?」

 課長が尋ねる。

 「アポ取ってた専務が急用で常務が対応してくれました。」

 「事務所は特に変わった感じではなかったように思いますが・・・」

 思い出しても特に浮き足立った感じはなかった。

 ニュースの更新時間を確認すると俺たちがヨツバを出た10分後くらいになっていた。 「どうします?連絡入れた方が良いですか?」

 兼人が課長に尋ねる。

 「一応、藤原が担当として面識がある常務へメールだけ入れる程度にしておこう。先方もバタついているだろうし。」

 「承知しました。」

 兼人はすぐさまPCから内藤常務の名刺に記載のあるアドレスへ面談のお礼とお悔やみのメールを入れる。

 「長谷川は時任専務とは懇意なのか?」

 課長が俺の方を向く。

 「多少は趣味の話とかもしますが、飲みに行ったりとかとういう間柄ではありません」

 「メールだけ入れておこうか?」

 「了解しました。」

 「いいか、お前ら。あまり騒ぎ立てるのは心証が良くない。ヨツバへの対応は担当になった藤原一本に絞る。長谷川は藤原のバックアップをしてやるように。」

 「あ、それと、長谷川。ちょっと来い。」

 課長に呼ばれて休憩室に向かう。

 課長は今時珍しい喫煙者だ。しかも紙巻き煙草派だ。

 喫煙ルームは休憩室の更に奥にこぢんまりと設置されている。

 課長は先に入ると、自分専用に置いてある缶ピースを棚から取り出した。

 「やるか?」

 缶入りの両切りの紙巻きたばこ、ショートピースを俺に勧めてくる。

 「頂きます。」

 俺は普段たばこを吸うことはない。とくに電子たばこはダメだ。

 俺は円筒形の青い缶から短めのたばこを一本取りだし、課長に火を付けてもらう。

 フィルターなど着いていない。たばこの断面は前も後ろも同じたばこの葉が見えている。

 前世での記憶では紙巻きたばこなどなくて、葉巻はあったが超高級品で手には入らない高嶺の花だった。

 そのせいか、セドリックの記憶が鮮明になってから、妙にこの両切りの紙巻きたばこを吸うと贅沢な気持ちになった。

 前世でも作ろうと思えばスキルを使えば作れるのだが、それをやるのは煙草職人に悪い気がして嗜好品の類いは作らないことにしていた。

 今生の煙草は甘くて芳醇な香りがする。

 「さて」課長が口を開いた。

 「開発部の件だがな。一応向こうさんの希望は火水木の3日を開発部に出勤して欲しいらしい。」

 うちの会社は完全週休二日制だ一週間は5日となる。

 月曜と金曜だけでは営業の仕事に支障が出る。

 「お前の顔に書いてあるとおり、営業部の仕事が回らなくなる。」

 「・・・」

 俺は煙をゆっくりと吐き出しながら課長の顔を見る。

 「でだ、月末はうちの部として長谷川の手が欲しい。末の週に関して、全日営業部勤務という変則的な案を出したわけだ。」

 つまり月初からの3週間は火水木を開発部に最終週4週目は全日営業部というシフトにすると言うことだ。

 正直言うとかなり辛い。

 人は同じ作業を繰り返すことで最適化を行い効率が上がっていく。

 全く別の仕事を並行して行うのはなかなか骨が折れる。

 「まぁまずはやってみて、負担が多いようならまた考えよう。」

 課長はそう言うとたばこを消して自販機でコーヒーを買うと2本俺に渡して席に戻っていった。

 兼人の分も買ってくれたようだ。

 17時過ぎに営業部の面々が戻ってくる。

 麗子も栄美も戻ってきた。

 「長谷川くん、ヨツバの件どう?」

 麗子が栄美と一緒に俺のデスクにやってくる。

 「今のところ先方からは連絡ないね。」

 「俺もだ。」

 兼人も来た。

 俺はというと、ピンチの際のピッチャーマウンドに内野手が集まるみたいな光景だなとぼんやり俯瞰で見ていた。

 「どちらにせよ、近々ヨツバの社葬が行われるだろう。出席メンバーの選出は課長に任せて俺たちは様子見って感じで良いんじゃないのか?」

 「事故ならな。事件ならまた色々とあるかもしれんぞ」

 兼人が不吉なことを言う。

 俺は一瞬、両親の件がフラッシュバックしそうになって、慌てて意識をそらす。

 定時の18時に伏見はまだ戻っていない。田代は我関せずで帰宅の用意を済ませていた。

 俺は面白いヤツだと田代を見ていた。

 ヤツは絶対に無駄な労力を払わない。完全に余力を残した状態で月々ノルマをきっちりこなしていて波がない。

 定時を過ぎて会社にいる姿を見たことがない。

 飲み会に誘うと気持ちよく応じるが自分から誰かを誘うことはない。

 飲み会の席では場に合わせてノリも良く振る舞うこともあれば、静かに聞き手に徹していることもある。

 誰からも嫌われず、特別好かれない立ち位置をキープしている。

 神聖魔法使いの回復役みたいなヤツだと思う。

 回復役は常に冷静でなければならない。ある意味、戦闘にさいして効率的に回復魔法をかけていくが、命の選択をする立場だ。だから感情を優先していては戦線は崩壊する。

 常に人との距離を一定に保ちたくなるのは理解できる。

 例えば麗子が死に瀕していて俺には麗子を助ける力があるとする。ただし、麗子を救えばその後、俺を含めてその場の全員が死ぬことになるという局面で俺は麗子を見捨てられる気がしない。

 この時代でそういう話は滅多と無いが。

 そして、ふと俺は思った。周りの人間を前世に当てはめると面白いかも知れない。

 山本麗子は魔法使いだ。どちらかと言えば攻撃魔法に振ったタイプ。

 藤原兼人は典型的な戦闘職しかも前線に切り込む両手剣使い。

 吉田栄美は金勘定に聡い盗賊だな。忍者というのもありかも知れない。

 田代典明は回復役の神聖魔法使い。

 伏見健吾は・・・村人Aだな。

 などと結構失礼なことを考えながら帰宅の準備をする。

 18時20分タイムカードを打刻する。

 「さて」

 おれは一息つく。前世では戦闘の一区切りという感じだ。

 つい口をついて出る区切りの言葉。

 「さて?」

 麗子が着いてくる。

 「帰って晩飯でも作ろうかな?」

 「私の分もね。」

 「はいはい。」


 翌日、ヨツバからは代表取締役社長山路氏の死去および社葬の案内がまずはメールで届いた。

 正式なものは後日郵送されると言うことで、家族葬は先に行われそれなりのセレモニーホールで社葬の段取りとしたらしい。

 後任は暫定的に専務の時任氏が社長を引き継ぐとのこと。

 そのことで朝から部長、課長、兼人と俺でミーティング。

 社葬には部長、俺、兼人の3名が出席することに。

 兼人が新担当として顔合わせが済んでいたら、俺は行かなくて済んだんだけどね。

 社葬は4月の末になっていた。

 それまでに新卒の新入社員の研修などが続く。

 今年の営業部には4名の新人が入社予定だ。

 昨年の俺たちの年度の歩留まりがまずまずだったから人数が減ったらしいと課長が言っていた。

 離職率40%が歩留まりが良いのかどうか疑問であるが、課長としては営業成績も伸びているのであまり新人教育にリソースを割きたくないところもあるらしい。

 と言うことで、兼人、麗子、栄美、田代の4名には一人ずつ新人のお世話をすることとなった。

 「なんでお前だけ免除されてるんだよ。」と兼人

 昼食後、珍しく社内の休憩室での話だ。

 「俺だけじゃないだろ。伏見も免除されてるし」

 「そりゃ、あいつの今の状況じゃ他人の面倒なんて見てられないだろうが」

 「長谷川くんが新人見るのはいいと思うんだけどな」

 栄美が話しに入ってくる。

 「俺より田代が適任だと思うよ。2人くらい付けてもまだ余力がありそうだ」

 「それ、言えてるかも」麗子も参戦してくる。

 「なんで主任は教育に携わらないんだ?」

 素朴な疑問ではあるが的を射ている。

 紹介が遅くなっていたがうちの主任は名前を松坂十兵衛という。なんとも重厚な名前の持ち主でまず営業に行くと松阪の姓は忘れられても十兵衛だけは覚えてもらえるという話もあるくらいだ。

 性格的には寡黙の一言だが、とにかくルート営業での信用度合いはピカイチで新たな提案はさしてしないが、とにかく販売計画に併せて商品の確保や納品の管理について一度もミスしたことがないと言われている。

 陰ながら営業部の売り上げを支えていると言われている。

 ではなぜ主任に甘んじているのかというと、人の管理が苦手なのだという話だ。

 物と金の管理は徹底しているが、部下を持たせたら即放置プレイになるらしい。

 自分の経験から(主にセドリックの)言うと、十兵衛氏は感覚的に物流の流れを管理しているのだろう。

 そういう能力については人に教えることは出来ない。どれだけ経験を積んでも出来る人と出来ない人に分かれてしまうのがそういう直感に近いセンスだ。

 ちなみに、十兵衛氏に教えを請うていたのが伏見である。

 伏見が未だ村人Aな理由は十兵衛主任のせいではないかとも勘ぐる俺たちであった。

 前世の世界観に当てはめると

 所沢課長は有能な地方領主

 十兵衛主任は頑固な鍛冶屋の頭領

 そんな感じか?

 新入社員たちは男性2名、女性2名の構成で、まずは男性には男性が、女性には女性が付くことになった。

 まず兼人に付いた新人は浜崎浩(はまざきひろし)、大柄で186センチ×98キロの体躯にスポーツ刈りの頭髪と運動部からそのまま連れてきてスーツを着せたような男だ。ラグビー部出身らしくガチガチの体育会系。兼人も元々は運動部出身なので話は合うかも知れない。

 田代には小柄で痩躯の大熊猛(おおくまたけし)こちらは160センチ×52キロとヒョロガリを体現したような男性で、銀縁めがねにマッシュルームヘアとオタク感がスゴい。

 オタクを差別する気もないが、メンタルの強度が少し気になる。

 麗子付けの新人は小鳥遊すずめ(たかなしすずめ)名前で笑いそうになったが、本人も見た目は中学生かと言うくらいに幼く見える。145センチ×41キロ。スリーサイズはすずめの名誉のに為、AAカップと言うだけにとどめておく。

 栄美にはグラビア雑誌から飛び出てきたのかと言うくらいのわがままボディな新人が付いた。星野かれん(ほしのかれん)と名前も芸能人か?っていうくらいキャラが立っている。どうしたらこんな非現実的なバストが生まれるのか知りたいところだが、天然物のGカップとは初めて見た。90-58-98とスゴいの一言だ。

 初顔合わせを入社式の後に行ったのだが、課長から夕食会をするとの旨連絡があった。

 去年はそんなのしたっけ?と思っていたが、昨年は異動と退職のため、営業部には俺たちが入社するまで主任と課長だけになってしまっていたらしい。

 どうりで今年は歩留まりが良いとか言っていたはずである。

 幹事役は兼人で決まり。なんだかんだと言いながら幹事とか好きなんだよな。

 最近の事情により飲み会ではなく食事会。

 ちょっとしたことが〇〇ハラスメントという訳のわからない定義づけがされてしまう。 たしかセクシャルハラスメントという言葉が出始めたのが最初だとか聞いている。

 しかも日本人はなぜか直ぐに言葉を略して造語したがる傾向がある。

 セクハラ、モラハラ、パワハラでアルハラだ。

 俺は場の雰囲気で酒は飲ませ飲まされも遊びの範疇だと思うのだが、とにかく嫌だという人がいる。

 嫌なら飲まない方法を考えて上手く躱せば良いのだが、「それってアルハラですよね?」などと場が凍り付くような台詞を平気で言う人が増えているのだとか。

 増えているというか、実際には少数なのだろうが、台詞と馬鹿げた態度が一人歩きし、多くの人がそういう態度に出ると思われている節もあるのでは?などとも思う。

 普通に学生生活を楽しんでそれなりの交流関係を築いた人にはあまり関係の無い話だと思っている。       

 それはさておき、まずは新人の自己紹介から始めようとなる。この当たりの仕切りも兼人主導だ。

 そのため、大きめの個室を借りているのも、コース料理にしているのもなかなかの段取りだ。

 不公平の少ないように五十音順に30秒程度を目安にと兼人から新人へ通達される。

 まずは大熊がトップバッターだ。

 「大熊猛です。学生時代はゲーム研究会に所属していました。ハンドルネームはベアード大佐であります。」

 最初に習うのが自己紹介のお約束なので、ベアード大佐のおかげで以降は学生時代のあだ名や通り名を発表しなくてはならなくなった。

 「2番!小鳥遊すずめです。趣味は衣装作りでレイヤーやってます。ハンドルネームはぴいちゃんです。」

 今年は濃いのが揃っているらしい。

 「3番!浜崎浩!見ての通りのラガーマンです。背番号は6です。仲間からはひろしと呼ばれています。よろしくお願いします!」

 また違う意味で濃いヤツがいたな。前世にもこれ系の切り込み隊長みたいなのがいたなぁ。

 「星野かれんです。よろしくお願いいたします。」優雅にお辞儀をしてみせる。

 「趣味はインスタグラムとYouTube投稿です。インフルエンサーとしての活動もしております。ハンドルネームはかれんです。」

 見た目は完全にグラドル系だが仕草に上品さがある。

 「あー、ちなみに星野くんは入社後もインフルエンサーとしての活動は会社から認められているので、みんな応援してあげて欲しい。」

 すかさず課長がフォローを入れる。

 「では、皆様のお手元に飲み物は揃っていますね?では乾杯のご発声は所沢課長、よろしくお願いします。」

 兼人がおしぼりをマイクのように持って進行を務める。

 「では、新人の皆さん、これからよろしくお願いします。乾杯!」

 実に簡潔な挨拶だ。でもそれが良い。

 見渡すと全員ビールのグラスを持っているようだ。

 部屋の隅には開封していないビールの中瓶とバヤリースオレンジの瓶が大量に並んでいた。

 さすが兼人、解ってるな。

 ジョッキで頼むと提供まで時間が掛かるが、瓶なら栓抜きで抜くだけで注ぐことが出来る。そして、ここでも新人の営業としての素質が見られている。

 新人4人は解っているのだろうか?

 兼人も席についてビールを飲み始めた。とラガーマンが動いた。

 早速中瓶2本を片手に持ってビールを注いで回り始める。

 体育会系はよく仕込まれている。

 まず一番役職の高い課長へと向かう。

 課長も目の端で浜崎の行動を捉えていたのか、浜崎が到着する頃にグラスを干してみせる。

 「課長、どうぞ。」と言いながらグラスにビールを注ぐ。

 「おお、すまんね。」

 続いて主任にもビールを注ぐ。

 それを見て他の新人はどう動く?

 麗子の方を見ると面白そうに観察している。

 麗子の隣ではすずめがやや緊張気味にグラスを傾けていた。

 あれはタイミングを見ているな?

 課長へビールを注ぎに行きたいがラガーマンに先を越されたので、麗子と半分どうでも良いような話をしながら機を見ている。

 ベアード大佐が動く。まずは隣にいる田代にお酌をすることにしたようだ。

 田代は弥勒菩薩像の様なうっすらとした笑顔でお酌を受ける。

 ラガーマンは次に兼人、栄美、田代、麗子、俺と順に回っている。

 とにかく決めたルールに沿って多少強引でも貫くつもりらしい。

 一巡すると自席に戻り兼人が注いでやったビールを旨そうに飲んだ。

 大佐は田代に一言「ちょっと失礼します。」と言い、上座へ向かう。

 すずめが「あっ!」という顔をした。思わず栄美がぷっと吹き出す。

 完全に先を越された感が顔に出ている。

 動かないのはインフルエンサーかれんである。

 栄美の横で世間話に興じているように見える。

 しかし、この個室全体の全ての動きを完全に把握している感がスゴい出ている。

 「できる・・・」

 思わずつぶやいていた。

 「先輩!」すずめが麗子越しに俺にビールを掲げてみせる。

 目が合うと、麗子の後ろを回ってお酌をしにくる。

 「先輩は担当の新人がいないんですね?」

 「まぁ俺だけじゃないけどそうだよ。」

 ビールを飲み干す。すずめがビールを注ぐ。

 麗子が背を向けてかれんと話しているようだ。

 が、全センサーはすずめと俺のやりとりをキャッチし続けている。俺の皮膚感覚がピリッと電気のような物が走る感覚を捉える。緊張感!

 「小鳥遊さん、課長。空いたみたいだよ。」

 俺がそう言うと、すずめは直ぐにビールを持って課長に突進していった。

 「やれやれ。」一息ついて俺は所在なさげな伏見にビールを注いでやる。

 「あ、ありがとう。」

 「どうした?」まあ、どうしたもこうしたも、伏見の周りだけ異空間みたいになっている。

 担当する新人もいないし、もともとこういう席は得意でもないようだし。

 伏見と飲むのは俺の去年の誕生日会以来だ、あのときも早々に飲まされて潰れていた。

 あの時、一人残って潰れた奴らの面倒を見ていたのが田代だ。やはり回復魔法担当。

 目の前にいる村人Aはこの一年で成長が少ない。

 今年の新人の方が存在感が強い。

 それで良いのか?村人Aよ。

 「伏見、なんか心配事でもあるのか?俺で良ければ話くらいは聞くぞ。」

 「・・・ああ、ありがとう。俺ってダメだよなぁ・・・」

 やばい。伏見がうざいモードに入りつつある。

 「具体的にどうなんだ?」

 建設的な会話に持ち込みたい。

 「営業成績もギリギリ達成だし、人と話すのも得意じゃないし、取引先からもなめられてる気がするし・・・」

 そうなのだ、営業成績の一番悪い伏見でさえ、ノルマは達成しているのである。

 この辺りは課長の采配だとは思うが。

 「人と話すのが苦手でもちゃんと営業成績を残せてるんだぜ?これで人と話せるようになったら売り上げ上位だって狙えるんじゃないか?」

 「そうなのかな?」

 「ああ、いいか?伏見は同期のみんなより優位に立っているんだ。わかるか?」

 「わからないよ。」

 「既に自分が苦手としていることを自分で気づいている。これはゲームの攻略本を片手にゲームをしているようなものだ。」

 「そうかな?」

 「そうさ。弱点が見えているならそれを強化したら良いだけじゃないか?みんな普通は何が不足しているか解らないから苦労するんだ。」

 俺はさらにビールを注ぎつつ伏見に言葉を続ける。

 「簡単な話だ。人と話すことが苦手なら、自分の得意分野の会話に無理矢理でも持ち込むんだ。伏見の趣味は何だ?」

 「プラモデル作りかな。でもこんなの客先で話す話ではないよ。」

 「何を言ってるんだ。プラモデルを作れると言うことは手先が器用だろ?」

 「まぁ、うん。色々改造とかするし」

 「じゃあ、そういう造形の話や、ハンドクラフトの話に持って行けるだろ。これからの時期ならお子さんの夏休みの宿題の自由研究なんかも話題として丁度良いんじゃないか?」

 「そうか。そうだよね。」

 伏見の顔が明るくなる。

 「いいか、自分では『誰にでもできて当たり前』と思っていることが、実は人より秀でていると言うことがよくあるんだ。自然にこなしているから自分では気がつかない。」

 俺は伏見の背中をポンと叩くと自席に戻った。

 「お疲れ様」

 麗子がお酌をしてくれる。

 「やっぱりねぇ」

 麗子がじっと俺を見つめる。

 「何だよ?」

 「ん?上手だなぁって思ってさ。完全に上司と部下だったよ。祐介くんと伏見くん」

 「あんな不景気な顔をされるのが嫌なんだよ。命の奪い合いをしてるわけじゃないんだ。気楽に生きれば良いんだよ。ホントに。」

 俺はビールを飲み干す。

 そうだ、ノルマが達成できないからと言って処刑される訳じゃない。

 口が滑っただけで貴族に切り捨てられる訳でもない。

 俺は前世の記憶が鮮明になるにつれ、この世の中のユルさにため息が出た。

 特にこの国では金がなくても生きていける。

 イージーモード過ぎるだろと思う。さしずめ前世はヘルモードだ。まぁ実際に地獄の業火の様な魔法で焼かれて死んだんだけどな。

 そこでインフルエンサーが動いた。

 「課長どうぞ。」

 個室が水を打ったかのように静かになり、かれんの挙動に注視している。

 もちろん、かれん本人も十分に場の雰囲気を感じ取っているはずだ。

 課長が一言

 「すまんな。」と言い、グラスを飲み干す。

 ほぼ全員から詰めていた息がほうと吐き出される。

 コイツはスゴいのが営業に入ってきたな。

 今年の新人は俺たちの年よりも個性が強い。


 さて、食事会も終わり店を出ると、かれんは早々に「お疲れ様でした。お先に失礼いたします。」と優美にタクシーに乗り込み帰って行った。

 大佐こと大熊とラガーマン、ぴいちゃんはもう一件行って親交を深めるつもりらしい。

 田代と伏見は挨拶そこそこ、さっさと駅の方へ向かっていった。

 俺たちは兼人と次行くかどうか話していたら課長から声が掛かった。

 「長谷川たちも帰るのか?もう一件行くなら付き合わないか?」

 「課長、俺たち4人ですけど良いんですか?」

 兼人が答える。

 「まあ、用事があるのは長谷川だが、別にかまわんよ。」

 「あざーす!ゴチになります。」

 と言うことで、課長の行きつけのバーへ向かうことに。

 テーブル席に俺たち4人、カウンター席に課長が一人。指定席らしい。

 席に着くとオーダーそこそこに俺だけが課長に呼ばれた。

 隣のスツールに腰掛ける。

 程なくグラスが行き渡り、それを軽く上げて乾杯をする。

 課長はショートカクテルを一口飲むと口を開く

 「長谷川。今年の新人をどう見た?」

 「自分に聞きますか?」

 バーテンダーが缶ピースと灰皿を課長の前に置く。

 課長は一本咥えると、缶を俺の方へよこした。

 「頂きます。」

 俺は灰皿と一緒に置かれたマッチを擦り、たばこに火を付ける。

 「どのメンバーも癖が強いですね。ただどれも悪くない。ただ、吉田は苦労するかもですねぇ」

 「星野か?」

 「キャラが立ちすぎてますからね。あの子は訳ありでしょ?」

 「やっぱり分かるか?」

 「インフルエンサーをやってるからと言って、あの雰囲気と所作はかなりの社会経験を踏んでいると見ましたが。」

 「いずれ分かると思うが、店舗の経営をしていた。クラファンで資金を調達して新地にラウンジをオープンさせた。4年で数億稼いだようだ。」

 「面白い経歴ですね。」

 「本人は会社を売却して、クロシエに入社。社会経験を積んで今度は化粧品業界で会社を作りたいらしい。」

 「人事部や経営陣はそれを許しているんですね。」

 「若いからな。うまく取り込んで上手に使うつもりらしいが・・・」

 「逆にうまく使われてしまう可能性がありますね。」

 「あの年でM&Aまでやってのけたんだ。なかなか一筋縄ではいかんだろうな。」

 「課長が直に見た方が良いんじゃないですか?」

 「まぁ、俺にも色々思惑があってだな。逆に吉田に学ばせたいとも思ってるんだ。」

 課長は煙草を深めに吸い込むと続けた。

 「吉田はお前らの中では一番金銭感覚に秀でている。ただのケチではなくて使いどころをよく知っている。会社のことや営業のことは吉田から星野へ、生きた金の使い方を星野から吉田へと学ばせたら、吉田の成長も盤石かと思ってな。」

 「で、俺に話って?星野の件じゃないでしょう?」

 俺は煙草をもみ消しながら課長の様子をうかがう。

 「これは内々の打診なのだがな。第二営業部で新規プロジェクトを立ち上げる動きがある。更に、軌道に乗り次第、分社化し子会社を設立するという話だ。そこで、長谷川の名前が出たわけだ。」

 課長の話を吟味してみる。

 「で、なんで俺なんですか?まだ入社一年目の新人ですよ?」

 「経歴からいうとそうなんだが、誰もお前を見てまだ一年目の新人社員とは思わないんだ。特にこの半年くらいはベテランのような風格がある。」

 「風格ですか?」

 「そうだ。ベテラン社員の真似はできる新人はいても、その風格まで身につける新人は俺も初めてだ。

 風格というのは一朝一夕には身につかない。まとっている空気みたいなもんだからな。」

 課長は新しいショートピースに火を付ける。

 「プロジェクトの概要は何なんです?」

 「SNSを絡めたECサイトのようなものらしい。」

 「第二営業部で既にやってる話では?」

 「もちろんそうなんだが、お偉いさん方は従来のDtoCとは一線を画したいらしい。」

 「企画会議は来週にもあるらしいから、まずはそれに参加してくれ。」

 「開発部の方はどうするんですか?」

 「そこは、任せとけ。悪いようにはしないから」

 課長はそう言うと、話は終わりとばかりに俺の肩をポンと叩き、カウンターのバーテンダーと話し始めた。

 俺はモスコミュールのグラスを片手に麗子たちの待つテーブル席へと移動した。

 「課長、何だって?」

 興味津々の兼人がストレートに聞いてくる。

 「なんというか・・・新しい部署へ転属になるかも知れないようだ。」

 『えー!』

 麗子と栄美がそろえて声を上げる。

 「おいおい、曲がりなりにも第一営業部のエースなんだぞ。そんな腰の軽いことでいいのかよ?」

 兼人の言い分も分かるが、曲がりなりには余計な一言だ。

 「まぁ、まだ企画段階で来週の会議で一応何らかの方向性が見えるだろ。」

 今日は荒れるかもしれんと思い、ポケットの中でアルコール分解に効果がある酢酸菌とグルタミン酸、アラニンをソフトカプセルで包んだ自家製サプリメントを合成する。

 「お、サンキュー」

 兼人は即口に放り込む。

 「これよく効くのよねぇ。どこで手に入れてるの?」

 栄美は出所に興味があるようだが、それは言えない。

 「知り合いの研究室の試作品だって言っただろ?」

 「だからどこの研究室よ。絶対売れるわよこれ。」

 酢酸菌はアルコールや二日酔いの元となるアルコールやアセトアルデヒドを分解して酢酸を作ることが出来る菌だ。特殊な菌ではないのでどこにでもいる。これにアミノ酸を加えると肝機能を高めるのでアルコールの分解が捗る。

 色々試してみたがこの組み合わせが合成も楽に出来て手軽だと分かった。

 実はコツコツと合成のスキルについても実験を重ねているのである。

 ミジンコの死骸を合成してから、気になったのはどこからが生き物として生命稼働まで復元できるか?ということであった。

 先ほどの酢酸菌は生きている。が、ミジンコのように死んだ状態で合成されたわけではない。どうも菌類や単細胞生物については合成しても命を作り出したことにはなっていないらしい。境目がはっきりしていないのは俺が感覚的に生命と見なしていないものはOKで、普段から生き物と認識している物はNGであるらしいと分かった。

 余談であるが、食材としての車エビを合成したときにはとびきり鮮度の良い車エビが合成された。

 医薬品なども合成可能だが化学薬品の類いは構造が複雑で合成した物が正常に効果を発揮するかの試しようがないのであまり手を出さないようにしている。

 逆に漢方薬系統のものは簡単に合成できるし安全性も高い。

 材料となるものを合成するのは比較的簡単なのだがそれを加工し、他の物と組み合わせて更に加工するのは簡単ではない。

 と言うことで酢酸菌とアミノ酸の溶液をゼラチンのソフトカプセルで閉じ込めただけのサプリメントは簡単に合成できるのである。

 ちなみに容器の方は市販品のスクリュー蓋の小型の物を見本に合成している。素材は耐薬品性・耐水性に強いHDPE(高密度ポリエチレン)を使用している。乳白色のつるっとした汎用性の高いボトルはいかにも試作品ぽいという効果も狙っている。

 実は課長が気に入ってしまい、ボトル単位でせがまれている。

 商品化を目論んでいそうで怖い。

 俺は今の世界でこの生産スキルを使って儲ける気はない。真っ当に社会人として生計を立てていきたいのだ。

 なのでこういうサプリメントの合成などはあくまで趣味の範疇を出ないように心がけている。

 感覚的には、釣り好きの人がルアーを手作りしたり、日曜大工で凝った家具を作っている感覚に近い。

 普通、こういう特殊な能力を持つと、バンバン使って破滅ルート一直線か、封印していざというときに使って世界を救うルートに大まかに分かれる気がする。偏見かも知れないが。

 ただ俺の場合、折り合いを付け便利に使いつつスキルの鍛錬をすることも大事だと思っている。

 いざというとき、使えなかったり、使い方を間違っていたりしたら目も当てられない。

 普段から何が出来て、何が出来ないかを把握しておくことは重要である。

 また、この能力を使うにあたり何を元にこの力が発揮されているかも考えた。

 この世界にはエネルギー保存の法則という神聖不可侵の法則が有る。

 突然ものが生み出されるなどという芸当は表面上のことであって、何らかのエネルギー交換がなされていると考えられる。

 材料をそもそもないところから生み出しているわけではないことは考察済みであるが、合成するにあたりそこに必ずエネルギーの介在があるはずだ。

 まさか俺の生命エネルギーを使っているのかと思ったときは肝が冷えたが、どうやらそうではないらしい。

 使われているエネルギーは主にブドウ糖のようだった。

 この力を多用すると脱力感や目眩がすることがある。

 そして空腹感。それで血糖値測定機を準備して試してみたら、血糖値が急激に低下していることが分かった。

 脳をフル回転させている状態を数倍の勢いで糖の代謝が行われている。

 つまり、この生産の能力は俺の大脳の演算能力に依存していることがわかった。

 とりあえずブドウ糖と各種ミネラルをタブレットにした物を用意し、低血糖状態にならないようにした。

 そう言えば前世で魔法使い連中が魔力切れの時に飲んでいたマジックポーションもガムシロップのような甘い液体だった。

 不思議なのは前世ではそういった低血糖状態になったことがなかった。

 もしかしたら魔法などが使える世界だけに、今生とは世界を構成している要素が違うのかも知れない。

 こればっかりは調べて分かる話でも無いから仮説にとどまり検証不能とした。


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