十二、
十二、
灯りの付かない燈台を背に。私を栄養が感じられない土の上に置いた彼は、遠くでボンヤリとしたためられている水平線の夕陽を見つめた。黒いコートが吹く風で翻る。アサシンの瞳は私を忘れたように海兵隊の空に吸い込まれていた。
「もうすぐで、夜かな?」
私が声を出すと、彼は驚いたようにこちらを見た。
「そうだな。どうせだから、この燈台で、一夜を過ごそう。そして、その後は…。」
その続きを待った。
「そうだな。お前が元の所に帰るまでは、俺と一緒に旅をすればいいさ。俺は、この惑星を一周してしまったけれど、まだ寄り道は一度しかしてないからな。」
「帰らないよ。」
私は呟いた。
「どうせ、帰るところもないし。あなたと離れようとは思わない。」
「そっか。」
二人の間に沈黙が訪れた。
「はぁ。」
彼は疲れたように私の隣に座って頬杖をつく。
「早く、星が出ればいい。そうすれば、この灼熱の地獄を見続けなくてすむ。」
燃え盛る太陽がニッタリと、不格好な笑みをした。
「本当に。」
私は同意して、彼の肩に頭を預けたのだった。
燈台がようやく出てきました。燈台っていう題名なのに、今まで影も形もなかったからな…。
黒猫さんと少女ちゃんのお話も、そろそろ終わっちゃうな…。
寂しいですが、月曜日に十三、を出して来週の金曜日に最終話を出す予定です。
最終話までお付き合いいただけると、とても嬉しいです!よろしくお願いしますm(_ _"m)