『船の碇のホノオ』・・・『死辺詩編の氷の詩集』から
『船の碇のホノオ』・・・『死辺詩編の氷の詩集』から
㈠
世界を敵に回し始めた俺は。
まさに、船の碇のホノオの、中にいる。
しかし、俺は俺でしか、居られないじゃないか。
と、思ってはいたが、案外そうでも無いらしい。
㈡
最大限の、歓声を。
最大限の、特徴を。
最大限の、失念を。
最大限の、有限を。
㈢
船の碇のホノオの中で、俺は転生し、現世に戻る。
それは、遊泳した、最大限の、船の碇のホノオだ。留まることを遊泳した、船の碇のホノオだ。