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無計画なオレ達は!! ~碌な眼に会わないじゃんかよ異世界ィ~  作者: ノーサリゲ
第三章-オレが何をしたって言うんだ異世界-
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04.「ひま」「あそぼ」

小話みたいなものです

「おにーさんおにーいさん」「おきて、ひま」


 ゆさゆさと体を揺さぶられる。

 そのせいで意識が覚醒と導かれてしまい、睡眠へと戻ることが出来なくなった。


「おきて」「おきて」

「……ほっといてって言ったよな」


 暗闇の中で双子がオレを起こしてきた。


「やっと」「おきた」「おはよう」「おはよう」「「おはよう」」

「だからバイノーラル挨拶やめろ。そしておはよう」


 今は何時だろう。暗闇のせいで時間の感覚が分からない。

 唯一光が入ってきた小窓も今は閉じられている。


「おはようって言ったけどさ、今何時よ」

「わかんない」「たぶんよる」

「そっか」


 双子の言葉を聞いて、体を起こそうと両腕を床に着くと、かすかな痺れを感じた。ついでに体から何かがずり落ちる感覚がする。


「……リリム、リリス。オレの腕を枕にしたろ」

「とってもいい」「ねごこち」

「そうかい。そしてソーキスはオレを布団代わりにして寝てるな」

「だってー、床固いんだもーん」


 ソーキスは寝てると思ったけど、どうやら起きているようだ。


 暗闇で何も見えないから双子とソーキスの様子が分からんわ。また<ローヒート>を飛ばすか。

 明かりをつけると、双子がオレの前に浮いていて、ソーキスはオレに寄りかかっていた。


「まぶしー」


 ソーキスは手で顔を覆って、目に光が入るのを遮っている。


「ねぇ」「ねぇ」「「あそぼ」」


 双子はオレの痺れている腕を引っ張ってくる。

 暇だから遊ぶとか子供かよ。……子供だったわ。


「分かった。分かったから、遊ぶから。何して遊べばいい」

「わんない」「でもあそぼ」


 えぇ……。無理難題じゃん。

 こんな狭い空間じゃ動き回れないし、遊びの選択肢なんて限られる。


「……しりとりなんてどうだ?」


 しりとりなら動き回らずに済むし、そのうち飽きて眠くなるだろ。


「しりとり?」「なにそれ」

「しりとりって言うのは、適当に順番を決めて、前のやつが言った単語の最後の文字から始まる単語を言っていくゲームだ。ん、で終わる言葉を言ったら負けな」

「おもしろそう」「ソーキスもやろ」

「いいよー。たっぷり寝たから今は眠くないしー」

「全員参加か。よし、順番決めて始めるか」


 ……順番によっては双子が別々に喋ることになるよな? オレは今までリリムとリリスが別々に喋っているのを聞いたことがない。試しにやってみよう。


「順番は、オレ、リリム、ソーキス、リリスの順でどうだ?」

「「……」」


 双子がオレの提案を聞くと、凄く悲しそうな顔をしてオレを見てきた。


「いや、その顔はおかしいだろ。お前らアステルの事件のときバラバラに動いてたじゃん」


 サキュバス騒動の夜、催眠の被害はあちこちで出ていた。なら双子がバラバラに動いていたって事だ。だから別に分けても問題ないはず。


「あのときはあのとき」「いまはいま」「リリムはリリス」「リリスはリリム」「「いっしんどうたい」」

「……そう…」


 よく分からんけど、必要なとき以外は離れたくないってことか? 将来を考えると、お互い自立した方がいいと思うんだけどな。


 ……将来だぁ?


「うごごごご……っ!?」


 頭を抱えてまた床に横になる。


「どーしたのー?」


 ソーキスがオレの奇行を見て尋ねてくる。


「……なんでもない。オレには関係ないことだ、そうそう。一切関係ナッシング」

「そー? でさー、順番はさっきのでいいのー?」

「……いや、オレ、リリム、リリス、ソーキスに変更しよう」

「はーい」

「ありがと」「おにーさん」 

「どういたしましてだよ……」


 オレが脱力して大の字になると、また双子がオレの腕を枕にしてきた。ソーキスも位置を調整しながらオレの体にまた乗ってくる。


 子供に群がられているからあったかいけど……他の部分はちょっと冷えるな。特に鉄の床に触れてる部分は熱を吸われているように感じる。


「ちょっと待ってろ」


 オレは一旦体を起こして、自分が寝やすくするするために、床に家具アイテムのカーペットを敷いて、体には装備している緑の外套を被せる。


「あったかい」「きもちいい」


 再度横になると、また双子がオレの腕を枕にしてきて外套に潜り込んでくる。


「っぷは。いいねー」


 オレの体に乗って外套に埋もれていたソーキスは、胸元から顔を出す。

 外套のかける位置を双子とソーキスの顔に合わせるとオレの肩が出てしまうけど、別段寒いってわけじゃないしいいか。


「ありがと」「おにーさん」

「ありがとー」

「勘違いすんな。オレが寝辛いからこうしただけだ。それよりしりとり始めんぞ」

「「「はーい」」」


 双子とソーキスにもう一度ルールを説明してから始める。


「今回は初めてだし、濁点や半濁点は取っていいことにしよう。少しくらいなら話し言葉もありだ、ゆるーくながーくやってこうぜ」


 オレが最初だし、元の世界のセオリー通りに始めるか。


「しりとり」

「りんご」「ごみ」

「実」


 一巡目は問題無く終わった。

 始めてから思ったけど、翻訳機能はしりとりにも対応してるのか…。


「ミートパイ」

「いっちゃえ」「えっち」

「血ー」

「…チーズ」

「すけべ」「へんたい」

「胃ー」

「……一本勝負」

「ぶざま」「まけちゃえ」

「絵ー」

「おい早急に止めろ。お前らアイデンティティの天才か?」


 双子はサキュバス、というかメスガキみたいな言葉しか言わないし、ソーキスはめんどくさがって一文字でしか返さない。


「どーしたの? ギブアップー?」

「おにいさんの」「まけ?」

「は? 負けてないが?」

「まけてないなら」「つづけよ?」「それとも」「もうむり?」

「大人の凄さ分からせてやるから覚悟しとけやァ!!」


 双子やソーキスは別にルール違反をしている訳ではないので、責めることは出来ない。

 その後、オレはこの地獄のようなしりとりを子供達が寝るまで続けるハメになった。

追記

第二章にて一話抜けがありました。

話としては「Q&Q」と「急行&強制連行」の間に当たるもので、貪食王とソーキスについての話しになります。

第七十三部として割り込みで投稿を致しましたので、読んでいただけると幸いです。


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