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18.天啓

 七人で同じクエストをやるのは効率が悪いので、オレとソーエン班、子供+ロロ班に分かれてクエストを受けることにした。ってかオレが頼み込んだ。あっちにはラリルレとロロがいるから大丈夫だろう。

 オレとソーエンは例の如く無理難題の高難易度クエストを選び、あちらは比較的簡単なクエストを選んで出発した。

 何でか出発時にシアスタは気合を入れていた。久々にオレ達から離れてクエストに行くから全力でも出す気なのだろうか。


 オレ達のクエストは高所にしか咲かない花の採取だったけどすぐに終わった。


「なぁソーエン」

「なんだ」


 オレ達はアステルから遠く離れた山の上で吹雪が響く洞窟の中で、煙草を吸いながら話している。


「オレさぁ、お前とクエスト行ってるときが一番落ち着く体になっちまった」

「そうか、それは末期だな」


 煙草の煙は寒さのせいで普段よりも濃く吐き出される。


「オレなんか悪いことしたかなぁ」

「俺に対してはしょっちゅうしているが他にはそんなにだな」

「だよなぁ。色町くらい許してくんねぇかなぁ」

「無理だろ。昨日あれだけ怒られたんだ」

「ラリルレを怒らせた挙句泣かせて、もう素直に色町行けねぇよ。絶対心が痛んで萎える」

「性欲よりも仲間を取るのは好感度が高い。猫の集会所といい俺の中でのお前の地位は鰻上りで向上している」

「そりゃどうも。どうだった? 集会所」


「完璧だった。まさかあのような路地裏にあるとは思っても見なかった。猫缶やチ○ールはこの世界に無いので鶏肉を買って行ったのだが、想像以上に群がってきてな。早々に持参した鶏肉が切れてしまったので、肉屋に大量に買いに行って全員を満腹にさせた。食事が終わった後は俺に群がってきた。恐らく俺のコートが黒いから日に光を吸って暖かかったのだろう。暖を取りやすいように座ると俺の周りは隙間なく猫が寄ってき、さながら俺は猫の海に浮いているような錯覚を抱き身を任せて倒れこんだ。そしたら更に猫が乗ってきて俺は猫の海に溺れた」


「お前が満足できてオレは嬉しいよ」


 どうして猫好きって猫のことになると人が変わるんだろう。


「本当に感謝している。今はあの無料券をお前に譲ってやれば良かったと後悔しているくらいだ」

「もっと早くに後悔して欲しかったし、やめてくれ。色町に行くところを見られたら、今度こそオレの居場所は無くなる」

「仮面や<隠密>を使って色町に行けば良いだろう」


 オレはソーエンの発言に驚愕して煙草を落としそうになる。


「考えたことも無かった。色町に行くために装備やスキルを使うだなんて……イロマチニイクス的転回だぞこれは……。ソーエンがあの無料券の受け取りを拒否したおかげで出た結論だ」


 あの仮面や<隠密>を使えば見つからずに色町に行ける!!

 ラリルレにばれて心が痛むなら、そもそもばれないようにすればいい。ラリルレにばれないなら他のやつらにもばれない。これなら心が痛まないし問題も無い!!


「猫の集会場の恩は返せたようだな」

「むしろおつりが来るくらいだ。思い返せばモヒカとの約束で一枚は貰える!! 早速帰って交換しなければ!!」

「お前が喜んでくれて何よりだ」

「神はいたんだ。しかもこんな身近にな」


 オレとソーエンはがっちりと握手をし、帰り支度を始めた。

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