555/582
もーいいかい
「もーいいかい?」
「まーだだよ」
「もーいいかい」
「まーだだよ」
「もーいいかーい?」
「もーいいよ」
「…………みっけ」
「見つかった、見つけられた。にこ」
「ごめんなぁ。オレぁ色々ぶっこわれてるからすーぐ見つけられちゃうんだわぁ。
いつでもどこでも、ニコが居てくれるなら見つけるよ」
「ふわふわってなる。これ、嬉しい?」
「多分そうだよ」
「ふわふわする嬉しい、覚えた。キミも、ニコがいつでもどこでも見つけてくれたら嬉しい?」
「――あぁ、ふわふわってこんな感じだったんだっけ。じゃあ、これは本当に嬉しいんだ。
うん、嬉しいよ」
「嬉しいって言われて、ふわふわ。ニコも嬉しい。
キミはニコがニコだって見つけてくれた。そしていつでも見つけてくれる。次はニコの番。もーいいかい」
「そんなジっと見つめないで? 目瞑って?」
「ニコの目を閉じたらキミを見つけられない」
「じゃぁしゃーないよなぁ。目開けたままで良いから、オレは隠れさせてもらうね。ニコの後ろにかくれちゃお」
「もーいいかい」
「もういいよ」
「みーつけた」
「見つかっちゃった」




