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無計画なオレ達は!! ~碌な眼に会わないじゃんかよ異世界ィ~  作者: ノーサリゲ
第五章-そんなに疲れさせないでよ異世界-
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01.非魅力的なお誘い

 暗闇の中でその女性は苦しそうな顔をしている。


 苦悶の表情を浮かべたその顔に光は射していない。ただ、混乱と恐怖がその願望に映し出されていた。


 その女性は片腕で喉元をつかまれ、宙に浮かされた足は力なく垂れさがり……。そして両の手は目の前で首を掴んでいる男の腕を必死に握っていた。


「どぉ……ぃて」


 紫色の揺るフワな髪は両サイドが膨らんでおり、その髪は肩口で纏まっている。

 しかし、その髪は前髪を脂汗で濡らし、額に張り付かせていた。


 不健康とも寝不足とも思える、その力なく開かれている目は、目の前の男を見つめている。


「わたぃの<――――――>は、幸――の夢を――死――」


 喉をつかまれ、声帯を普段通りに扱うことが出来ない彼女は、それでも目の前の男に問いかける。


 女性は何故この状況に陥ってしまったかが理解できない。


 こんなはずではなかった。こんなことはありえなかった。彼女が願った幸福の死を、逃れられる者など、拒否する者など、拒絶するモノなど、今まで存在しなかったからだ。


 無限に広がる光の差さない暗闇の花畑。その中でお互いだけの存在が目に映ってる。


 苦悶と悲哀の表情を浮かべている女性は、それでも意識を失う事は無い。自分自身が手放さないよう意思を保ち、そして目の前の男が明らかに気を失わせないようにしているから、呼吸を阻害されてもまだ自我を保っていられた。


 光など無い。音など無い。いや、先程まで確かに存在していたはずのそれらは、これが表に出ることによりあっけなく消え去ってしまった。

 

 二人だけしか存在しない空間で、男は静かに口を開く。ただし、その表情は。


「――――あんな甘えた優しい夢をみせてくれてありがとよ」


 瞳孔が開ききった虚ろな目。開ききっている笑っていない瞳は、掲げられている女性を見つめながら、その姿を嘲笑うかのように狂気の笑み浮かべていた。


 * * *


「二等級の試験を受けてみませんか?」


 いつもと変わらない朝。

 金を稼ぐ為にギルドへ赴くと、受付さんから突然そんなことを言われた。


「いやぁ、別にいいかなぁ」

「試験など面倒だ」


 だから、オレとソーエンはその問いに対してこう答えた。


「えぇ……即答ですか……」


 カウンター越しに受付さんが困惑の表情を浮かべてる。その声は、ピーク時間が過ぎて人の少ない、比較的静かでゆっくりとした時間が流れるギルドホールに小さく通って消えて行く。


 オレ達は何時も通り、クエストを受けるために依頼書を剥がして持ってきたってのに、どうしてそんな試験を受けなきゃならないんだ。やだ、受付さんの言葉だろうと絶対にヤダ。


 現状で普通に生活する分には金に困ってないし、別にいまさら昇級する必要なんて無い。

 ってか、二等級に上がるのは試験が必要だったのか。だったら尚のこと受けたくないなぁ。試験なんて本当にヤダ、嫌い。


「あの……一応説明はさせていただきますが……。普通の冒険者なら二等級へ昇格する可能性が出来ただけでも声を大にして喜ぶんです。もし昇格したならその時は、町の新聞の記事に乗るほどには結構な偉業なのですが……」


 受付さんは苦笑いをしながら説明してくれて、その後に言葉では言わないが『それでどうします?』見たいな空気を出しながらオレ達に問いかけてくる。


「話だけ聞くと凄そうだけどなぁ……」


 話を聞く限り、二等級に上がるのは凄いことだとは思う。けど、別にそのことに関してメリットを感じる事は無い。


 どうやら、ソーエンもオレと同じことを思った様で。


「現状、俺達は食うに困らないくらいには稼ぎがある。それでも昇級するメリットはあるのか」


 と、受付さんに質問した。


「第一には名誉が上げられますが……」


「要らないかなぁ」

「そこら辺の犬に食わせても惜しまん」


「お二人ならば……そうですよね……。第二のメリットを上げるとすれば、上の方々から指名の依頼が来ることが増えますね。もちろん、他国に名が通っている場合は、国境を超えて指名依頼が来ることもあります」


「ねえ受付さん。この依頼書発行したの誰だと思う?」


 受付さんの話を聞いたオレは、カウンターに置かれている依頼書を目で指して問い掛ける。


「カフス様……ですよね……」


 受付さんはがっくりと肩を落としながら答えた。


 オレ達が今回選んだ依頼は、アイスマンモスの討伐。


 コイツは主に、あのイロマチニクス山の中腹に生息していて、特にタンが美味い。前に狩って来たあと、カフスを交えて家で焼肉パーティを開いたときにはタンが飛ぶように売れた。

 もちろん他の部位も絶品で、全員で三頭分くらいの肉は平らげた。大食いなやつ等が多かったからだけど、食べる量をセーブして三頭だ。それだけで味の保障は出来ている。


 そしてあまりにも美味かったし、オレを含めた家の奴等がまた食べたいって言ったことで、またカフスはアイスマンモスの討伐依頼を発行したんだ。

 

 その依頼を無視してまで二等級の試験を受けるなんて、オレ達には考えられない。名誉より美味だ。


 こんな現状を鑑みると、オレ達は一国の主から実質指名依頼みたいな形でクエストを受注してるから、二等級に上がったところで受付さんが提示したメリットはもはやメリットにならない。


 そうなると、やっぱり上がる意味は無いわけで。


「うーん、やっぱりなぁ。でもなぁ……」


「阿呆よ、どうした」


 オレが悩んでいると、背後からナトリに声をかけられた。


 今のところ、家のパーティは、ラリルレ率いる子供組、ナトリ率いるカフェ組、そしてオレとソーエンの編成で動いている。

 いつもこの組み合わせで動いているわけじゃないけど、この割り振りが基本形になってるんだ。


 『オレとソーエン』『ラリルレとロロ』は基本セット。そのほかはその日に合わせてご自由にって感じ。


 今日はオーソドックスな割り振りで動いているから、ナトリはカフェ組で行動するはずなんだけど――。


「これは!! ……いや、危ないっス!! こっちは!! これならギリギリ……? ダメっス!!このモンスターはメアメアちゃんには早すぎるっス!!」

「て……店長、これはどうでしょう?」

「うはーっ!? メアメアちゃん大胆っスね!! ちょっと待ってっス、ちゃんと依頼内容読んで精査するっス!! ムムムー……」


 どうやらヤイナがセイメアに適したクエストを血眼で捜しているようで、ナトリが入りこむ余地は無いからこちらにきたようだ。


 因みに、子供組は早朝に出発してクエスト探しに出たからこの場には居ない。


 この場に残っているメンバーはカフェ組とオレ達だけだ。


「いやね? 二等級に上がるって話が来たんだけど……正直上がる意味が薄くてなぁ」


「ならば断ればいいであろう」


「バカを言うな天才。ローザがこれ程までに押してきているんだ、無下にするのは野暮だろう」


 ソーエンの言う通りなんだよなぁ。開口一番は断ったけど、まさか最強の受付さんがここまで食い下がってくるとなると、あっさり断るのもなぁ……。


「ならば受ければいいであろう」


「でも試験めんどいんだよなぁ……」


「くっくっく、ならば受ければ良いであろう」


「ナトリ、話を聞いていなかったのか。俺達が上がるメリットは薄いと言っただろう」


「くっくっく、やめるのである……朝からの爆笑は少々辛いものがある。して、貴様等はその昇級試験を受けるか受けないかで悩んでいるのであるな?」


「まあそうね。今のところ受けない九で受ける一くらいの割合」


「受ける気全然無いじゃないですか……」


 受付さんは困惑しながら口を開いて露骨にガッカリする。


「全く無いわけではない。現に、ローザがここまで打診しなければさっさと切り上げてクエストへ向かっていたところだ」


「そうそう。例えばあいつだったらこんな悩む必要も無かったから」


 オレは少し離れたカウンターにいるレイラを見て、この場に居る全員にあっちを見てと伝える。


「ヤイナ、セイメア、おはおはー!!」

「レイレイちゃんおはおはっスよ!!」

「お、おはようございます…レイレイさん…」

「「イエーイ!!」」

「ぇーぃ…」


 クエストが決まったようで、依頼書をレイラの元へと提出に行ったヤイナ達。あいつらは依頼書をカウンターに置くやいなや、三人でハイタッチをして挨拶を交わしていた。


「姦しいのであるな」


 その姿を見たナトリは達観したかのようにつぶやく。


「あいつらいつの間にかメタクソ仲良くなってんだよなぁ。……おいナトリ、お前呼ばれてんぞ」


「またであるか……仕方がないのである」


 ナトリはやれやれといった雰囲気を出しながらヤイナ達の方へと向かって歩き出す。


 その後姿を見ながらオレは。


「あいつ結構人気あるよなぁ」


 と、しみじみ思う。


「ルナトリックさんは色んな人の相談に乗っていただいてますから。それに、あの優雅で余裕がある立ち振る舞いは安心感があるといいますか、いつでも頼っていいんだって思わせてくれます」


「分からなくも無い」


「なー。年齢問わず色んなとこからナトリの評判聞くわ。そんなかでも特に中年の女性からそりゃもう熱い信頼がなぁ……。聞いてよ受付さん。ちょっと前にさ、近くの商店街の婦人会に呼ばれて暇つぶしに行ってみたんだよ。オレとソーエンで」


「はい……えっ? どうして?」


「そしたらさぁ。なぁ?」


「ああ。タダ飯とタダ酒を食らえたのは良いが、その後はナトリの話で持ちきりだった。あれはアイドルを崇拝する信者に似ている、好きなのではない。ファンなのだ」


「そうそう、いつの間にかナトリファンクラブできてんのよ。でも、そのおかげもあってか土産沢山貰えたからトントンだけど。なんなら家の子達に沢山食わせてやれってめっちゃもらえたけど。でもあれヤベーんじゃないの? 家のパーティから不倫で謝罪会見開くはめになる奴出てくるんじゃねぇの?」


「問題は無い。あの類は異性や恋愛対象と見ているのではなく、日常へのエッセンスとして見てる。言うなれば、心の活力を得ていると表現できよう。そもそも、あの場に限らず俺の仲間にそのような不埒な考えを持って近づくような者が要れば、問答無用で殺す」


 ソーエンは比喩表現で言うなら、目を光らせながら。そして銃を取り出して手に持った。


 でも、コイツがここまでの意思を表明しているのに実際には行動して居ないってことは、ナトリの周りにはその……心の活力? エッセンス? を感じてる奴しか居ないってことだから問題ないだろう。


「そのような物騒な発言はあまり推奨しませんよ。ダメです」


 受付さんは指でバツを作りながらソーエンに訴えかける。


「ものの例えだ」


 受付さんの姿を見たソーエンは、素直に銃をしまった。

 その姿を見て受付さんは、分かってますよ。見たいな微笑みを向けてくるけど……いや、こいつマジでやるぞ。例えじゃないから。


 そんなこと受付さんには言えるわけも無いからオレは黙っておく。


 黙っているオレの横目では、ナトリを含めてハイタッチを終えたカフェ組がクエストに関する説明を受けていた。


「あの……それで、昇級の件に関しては……」


 受付さんは、オレ達に伺うように尋ねてくる。


 なんだろう、結構食い下がってくるな。ここまで執拗に尋ねられると、受付さんの言葉としてはいよいよ無視できないぞ。


「ねえ受付さん。どうしてそんなにオレ達を二等級に上げようとしてくるの?」


「……それがですね」


 受付さんは苦笑いしながら口を開いて、オレ達に訳を聞かせてくれる。


「事前の説明をさせていただきます。まず、二等級に上がる為の必要な条件としては、本部へギルドマスターからの推薦か、二等級冒険者三組以上の推薦が必要なんですけど……」


「ゆるくない? そんなんじゃコネ使えば誰でも上がれるでしょ」


「仮にコネを使って上がったとしても、実力が見合ってなければ簡単に命を落としてしまいます。それどころか、見合っていても命を落とすことはザラではありません。それほどに、二等級以上の世界は厳しい世界なんです」


 オレの疑問に関して、受付さんは真顔でぴしゃりと答える。


 まるで、その厳しい世界の実態を知っているかのように。


 その機微にオレとソーエンが反応する事は無い。悲しみが無ければ、孤独が無ければ、あえて無視する。


「あ、えっと。それですね」


 受付さんは自分の言葉に、何かしらやってしまったっと思ったんだろう。


 それでも言葉で流したのは、オレ達が反応しなかったからだ。


「この度、イキョウさんとソーエンさんは、見事両方からの推薦がありまして」


 受付さんは、ここからは人に聞かせられないのか、手をちょいちょいとしてオレ達に耳を近づけて欲しい意思を示した。


 その指示に、オレとソーエンは素直に従ってカウンターに顔を近づける。


「本部からまさかの査定が入りそうなんです」


「は?」

「何故だ」


 受付さんの文脈から、何がどうして本部から査定が入るのかが分からない。


 どういった過程を辿ったらそうなるんだ?


「査定の件に関しては、まだギルマスと、私達副ギルマスしか知らないのですが、なんでもイキョウさん達が二等級に上がった場合は、二等級へ昇格する冒険者として最少レベルを大幅に更新したとのことで、冒険者ギルド全体に大々的に取り上げられるそうで。

 だからこそ、少しでも間違いが無いよう、本部からお二人の経歴や履歴などの精査をした上で見極めるお話まで発展したようなんです」


 コソコソと受付さんはオレ達に内情を教えてくれる。


 この声も良い。良いけどやっぱコロロの声がオレにとっての一番だ。


「巫山戯るな。何が最少レベルだ。俺達のレベルは本来三百を超えている」


「そのことを知っているのは、私とカフス様だけです。こういっては失礼かもしれませんがあえて言わせていただきます。世間一般に見ればお二人は二十数レベルで一般的な三等級冒険者を大きく下回るレベルの冒険者なんです。ラリルレちゃんも、ヤイナさんも、ルナトリックさんも同様です」


「ふぅ……つくづく面倒だ」


「まあまあソーエン。受付さんには本当にお世話になってるから……」


「分かっている」


 オレ達の行いに関して、受付さんには色々便宜を図ってもらっている。


 オレ達のレベルでは考えられないような討伐に関しても、異常に早い討伐速度にも、クエスト成功率に関しても、裏では受付さんがその地位と審議師という立場を使ってくれてちゃんと周りから正等な信頼をしてもらっている。


 思えば、カフスはこういうことを見越して受付さんをこちら側に引き入れたのかもしれない。


「でもさ、普通そこまで低いレベルの奴が二等級に推薦されたら、本部の審査の時点で弾かれるんじゃないの?」


「それが……。テモフォーバさんは、本部長から絶大な信頼を得ていまして……。それに、平和の旗印さんやにゃんにゃんにゃんさん達も本当に評判が良くてですね……。あれよあれよとお話が進んでしまって……。

 本当は平和の旗印さん達は、他国からの指名依頼が多く来ているんです。でも、あの方々達はそれを知ってしまっては際限なく受けてしまうからと、こっそりとギルド側で制限を設けさせていただいてるんです」


「何だあいつ等……マジで徳が高すぎる……」


「にゃんにゃんにゃんさん達は最上ランクの脅威対象を討伐を請け負うことが多く、特に偏狭の地への派遣が多いので戦跡とその行いから、やはり本部からの信頼が大きいです」


「言われて見れば、あいつ等ってよく長期の討伐に行ってるもんなぁ」


「絶影はどうなんだ」


「絶・漆黒の影さん達はあまり他国に名は知られていませんし、一般的な二等級冒険者の戦跡ではありますが、拠点としているこのアステルの依頼は全て高水準でこなしていて、そのレベルの高さから実力派集団との評判が高いこともあり、他の方々同様に、本部からの信頼は厚いと思われます」


 なるほどなるほど。どうして登録しているレベルは低いオレ達が、二等級に上がる権利を得たのか疑問だったけど、そういう経歴があったのか。


 信頼されてる奴等からの推薦で、しかも片方だけで良い条件を両方とも満たしてるから本部も乗り気になっちゃったわけで。


 …………は?


「おーーーーーーーーーい!! テモフォーバァ!! ちょっとホールに降りて来いやァ!!」


「さっさとしろ。でなければ直接お前の元へ行く」


 オレとソーエンは現状がどうなってこうなったのかを理解して、ギルマスであるテモフォーバを直接呼びつける。


 この行いで受付さんは目を丸くしながらビクっとしてしまったけど、今だけは許して欲しい。他のこっちに目を向けている冒険者やらギルド職員は知らんわ。お前等には関係ないからな!!


「……ごめんごめん」


 訂正だ。オレの大声で驚いてしまったセイメアには手を合わせて謝っておこう。


 びっくりさせちゃったよね。ごめんね。


 それはそれとして。この理不尽に訴えることをしなかったら、叛徒として……いや、普通に一個人として名が廃るってもんだぞ。


「お二人とも、あのですね。現在テモフォーバさんは所要でカフス様のご自宅へ赴いているので、ギルドにはいらっしゃらないんです……」


 気を取り直した受付さんは、オレ達に向かってテモフォーバが不在ということを教えてくれた。


 なるほどなぁ。なんでカフスの所に行ってるのかは分からないけど、居ないなら呼んでも意味無いって事か。


「ごらぁカフスーーーー!! テモフォーバ連れてギルドに馳せ参じろや!!」


「どうしてそうなるんですか!?」


 最近、カフスの名を気軽に呼んでも睨まれる事は無くなった。


 何でも、カフスが周りに『カフスって気軽に呼んで』と言って回ってるらしく、その恩恵がオレ達にも降りかかっているようだ。


 未だにカフスを呼び捨てにする奴等は居ないけど、それでもスノーケア様からカフス様へと、段々移行してきている。そのうち、いつかは『様』が取れて『カフス』に変わることもそう遠くは無いのかもしれない。


 でも今はそんな事関係ない。


「はよ来いやぁ!!」


「ふむ。カフスの家に襲撃をかけた方が早いのではないか?」


「ソエーン……お前天才か? よしそれで」


「それでじゃありません!!」


 受付さんの一括で、今にもこのギルドを立ち去らんとしていたオレ達の足は止まる。


 遠く向こうでは、ナトリの爆笑する声だけが響いていた。


「いいですか? 少し落ち着いてください」


 カウンター越しに、受付さんが怖い笑顔をしながらオレ達を諭すように言葉を言い放ってくる。


 あっ。これは……。

サルベージしきれなかった幕間は五章後に回します

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