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無計画なオレ達は!! ~碌な眼に会わないじゃんかよ異世界ィ~  作者: ノーサリゲ
第三章-オレが何をしたって言うんだ異世界-
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27.シアスタの心中

「なにやら騒がしいでありますね」


 四騎士という立場ゆえに自由に歩けるコロロはシアスタと双子に付いて魔法訓練を傍で見ていた。

 しかし、いつもの訓練では聴こえてこない声に疑問を感じて、遠く離れている剣の訓練場所を見る。


「なんでしょうか……って、あれイキョウさんが居る方ですね」


 何が起こってるかは分からないが、誰がこの騒ぎを起したかは理解していた。だからこそ心底呆れたような表情をする。


「おにーさんだね」「たのしそう」

「イキョウが何かやったのKA。気になるNA」


 騎士の魔法の指導に当たっていたスターフも気になったようで、コロロ達の方に近づいて来て話しに参加する。


「あの、私が見てきましょうか?」


 シアスタは自分の仲間が何かやらかしたような気がして、そのことで罪悪感を感じて自分が見に行くことをスターフとコロロに提案する。


 普段なら罪悪感を感じることは無いが、今は訓練に特別に参加させてもらってる身だ。妨げるような事はあまり見過ごせない。


「キアルが居るし大丈夫SA」

「そう…でありますね」


 スターフの言葉にコロロは一瞬懐疑的になりながらも、キアルロッドが居るから大丈夫と自分に言い聞かせて納得させる。が、やはりあちらの様子が気になる。


「そういえば、YOU達はどうして強くなりたいんDA?」


 スターフはコロロの一瞬を読み取り、コロロのツボを付くような話題に切り替えることで指導に集中して貰おうと画策した。


 コロロは所謂、友情、努力、勝利と言った熱い王道が好きな人間なのでこの話題に食いつかないはずがない。そうスターフは考えた。


「!! 私も教えて欲しいであります!!」


 そしてスターフの目論見どおりコロロは見事に食いついた。


「強くなりたい理由ですか?」


 シアスタの言葉にコロロは目を煌かせながら首を縦に振る。


 先日のシアスタ達を見てからというもの、コロロの中ではイキョウ以外の<インフィニ・ティー>メンバー。特に子供達が推しだった。

 だからもっと知りたくて、あっちの喧騒は忘れてこっちに集中する。


「そうですね……私は…仲間と呼んで欲しくて。あの人たちに追いつきたくて…だから強くなりたいんです」


 その言葉を言った瞬間のシアスタは少し虚しそうな顔をする。


「わたしたちも」「いっしょ」「なかまはわかんないけど」「あそこはいごごちがいい」「だから」「わたしたちも」「そーきすも」「しあすたと」「おなじ」「あのばしょにいたい」


 双子とソーキスには仲間という概念はぴんと来ない。それでも今感じている心地よさを守りたいとは思っていた。

 薄情な訳ではない。頭で理解していないだけで、心の奥底では無意識に仲間と言う存在を理解している。そして、その心が自分の目標を作る糧となっていた。だから子供達は強くなろうとしていた。


「シアスタ殿達が言っている仲間と言うのは誰のでありますか?」

「<インフィニ・ティー>の…、イキョウさん達にです」

「え?」


 コロロはシアスタ達が全員同じパーティに所属していると聞いていたので、急に仲間に成りたくてと言われて困惑する。

 自分の知っている事と、シアスタが言葉にしたことに乖離があったからだ。


「ラリルレさんはいっつも温かい人です。ロロさんもそんなラリルレさんに習って優しくあろうとしていると思います。ソーエンさんはいつもツンツンしたような態度で、でも優しい人です。イキョウさんもいつもふざけているような人ですが、優しいです。でも、皆さん強いんです。本当に強いんです。最近、イキョウさんは私を家の子って呼ぶようになったんです。それはそれで嬉いんですけど……でも、まるで私達は守る存在みたいな言い方で…だから並び立てるように少しでも追いつかなきゃダメなんです」 


 シアスタもリリムもリリスもソーキスも、他と強さの隔たりがあるのは分かっていた。そして、イキョウ達が自分達をそんなことで見捨てるようなことはしないと理解させられていた。

 だからこそイキョウ達には甘えたくなかった、あの高みへ並び立てるように、少しでも一緒に居られるように。


 そんな甘えたくない心の一つが魔道具の獲得だ。ただ与えられるのを良しとせず、せめて初めて手に入れるものは自分達でといったことが子供達の目標の一つとなっている。


「その年齢にしては十分強いと思うのでありますが…」

「おいらもそう思うZO」


 昨日の試合を見たからイキョウ以外ならその凄さが分かる。


 だが、イキョウのことだけは未だに認めていないコロロからすれば、何故シアスタがそれほどまでにイキョウの名を上げるのかが分からない。パーティのリーダーだから買っているのだろうか。でも、それだけではないものもあるのか?


 否。本当はイキョウが強いことくらい重々承知はしていた。なにせ、どんな手段を使ったかは分からないがあの王国最強に勝ったのだから。


 この心の苛立ちはただ自分が認められないだけ。あの煙の中、どんな手段を使ったのかは分からないが、それでも卑怯なことをやって勝ったのは分かっている。


 卑怯な事は許せない。あのことに誓って。


 自分の決意を改にしたコロロは、シアスタがそこまで言うならばと、機会があればイキョウの力を今一度見極めようと思い直した。

 ゲーム組の本当の実力を知らない二人は昨日の試合が評価の全てだ。それでも、その実力は高く評価している。だからこそ、その仲間であるシアスタ達もそう遠くない日に相当な実力を持つと思っていた。


 イキョウ達の本当の力を知らないからこその評価ではあるが、シアスタ達には強くなる素質があると四騎士は睨んでいる。


「まだまだ全然足りないんです!!私達は仲間のために、いつまでもあの人たちと居られるように、強くなりたいんです!!」


 シアスタは力強く決意の言葉を言う。


 本当の力を知っているシアスタからしたら、イキョウ、ソーエン、ラリルレ、ロロは遠く及ばないような実力の持ち主だった。

 だからこそ、共に居るならば、その高みに並び立つことが自分の目標であると思っている。


 そして双子とソーキスも、シアスタほど高い志は無くても、それでもあの場所に居るために頑張ろうと思っていた。


「仲間のため…そして居場所を守る為…私、心を打ち砕かれたでありますよ!!」


 こういう話はコロロの大好物であった。だから、シアスタ達の言葉に感銘を受けたコロロは、目を輝かせるのを通り越して燃えていた。


「その志、私もお手伝いさせていただくであります!!」

「おいらも教えられることがあるなら教えるZE」

「コロロさん…スターフさん…!!よろしくお願いします!!」

「「がんばるー」」


 剣の喧騒を他所に、魔法にも喧騒が訪れていた。

今日の12時に次の話を投稿します。

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