お笑いコンビ 魔王&勇者(エセカンサイ版)
作者は関西出身では無い為、似非関西弁の仕上がりになっております。ちょっと読みづらいけど堪忍してや……
「どうもーお笑いコンビの魔王と――」
「――勇者です」
『どうぞよろしくお願いしまーす』
「お前……俺に世界半分くれる言うてなかったか?」
「何なん? いきなり」
「一年前そう言っとったやんけ!」
「ああ、ウチがあんたをお笑いの道に引きずりこんだ時の話か……んー……まだまだ掛かりそうやな……」
「まさかお前の言う『世界』が『お笑い界』だとはあん時は思わへんかったけどな……で、どのくらい掛かりそうなん?」
「そうやな……あと二十年もすれば『かかしやさんま』も天に召されるやろうから? その時がウチらの天下やで!」
「大先輩殺すなや! そんで俺はいつまで待てばええの!? 俺人間やから二十年も待ったらもうええ年やで!?」
「あんたも男ならこの世界に骨埋める覚悟持ってこんかい!」
「そ……その通りやな……なんか納得いかんけど」
「ちなみにウチはその時千と飛んで二十四歳やから? まだまだピチピチやで?」
「……なにがピチピチや、浜に打ちあがったナマズみたいな顔しとるくせに」
「誰がナマズや! どこからどう見ても絶世の美人やろうが! ファンクラブもあるし!」
「それは世の男共はお前がアロエのパックしながら小顔ローラーコロコロやっとる姿を知らんからやろ」
「個人情報流すん、ほんま止めてくれる!? あんたのせいでクラブの会員減ってきてんねんで!?」
「まぁ、こいつの効いてるか効いてないか分からん、小顔のストレッチなんかはともかく――」
「効いとるわ!」
「――ともかくや! 俺らはもっとお笑いの道を究めなあかん……そうやな魔王?」
「そりゃそうや」
「お笑いをやる上でもっとも大事なことってなんやと思う?」
「……気合?」
「おもろくない回答やな……ちゃうちゃうそんなんやない、それはな――おもろいボケと的確なツッコミや! 俺ら普段からどっちがボケでどっちがツッコミって決めてへんやろ?」
「せやな、ウチらいつも適当にしゃべり倒しとるだけやからな」
「そこでや、俺らもここでボケとツッコミ担当白黒はっきりさせてレベルアップを計ろうちゅーわけや」
「あんたが考えたわりにはええ企画やな、で? お題は?」
「お題は俺ららしく『魔王城での決戦前』にしようや」
「どっちが魔王でどっちが勇者の役なん?」
「お前が勇者で俺が魔王やったらややこしなるやないか! そこはそんまんまや! お前が魔王で俺が勇者!」
「それもそうやな、じゃあ最初ウチがボケで行くで」
「おう、頼む俺がツッコミやな」
「では――ふはは、よお来たな勇者!」
「俺が勇者や! お前を倒す!」
「あんたがウチの仲間になるなら世界の半分やるで!」
「――待てや、お前今もしかしてボケとるんか? 俺が会うた時の原文そのままなんやけど?」
「おう、その時からウチはボケとったで――まさか乗って来るとは思うてへんかったからな」
「返せ! 俺の一年を返せや! 面白半分で俺をお笑いに引きこんだんか!? お前は!」
「お、今のあんためっちゃおもろいで!」
「いてまうぞ! コラ!」
「戻すで! ――あんたがウチの仲間になるなら世界の半分をやるで!」
「そんなんいるかい! 俺は世界を救うんや!」
「……ファイナルアンサー?」
「クイズ番組か!? 完全にそれ『クイズビリオネア』やんか!?」
「ファイナルアンサー?」
「そんでゴリ押すんかい!? ファイナルアンサーや!」
「――正解!」
「――やかましいわ! 戻せ戻せ!」
「どうもーお笑いコンビの魔王と――」
「戻しすぎや! 冒頭の挨拶やんけそれ!」
「ど、どこまでやったか忘れてしもて……」
「鳥か! 三つネタやったら忘れてしまうんか!? お前は! 俺が世界を救う言うたところからや!」
「おお、せやったな――ふん、あんたにウチが倒せると思おてるの!?」
「おう、今ならハリセンで引っぱたけば倒せる気がするで」
「あかん、それはボケには弱点特攻や――っていうかあんたがボケの番ちゃうで!」
「おお、すまんすまん」
「戻すで――ふん、あんたにウチが倒せると思おてるの!?」
「おう、この光の剣で一発や!」
「ああ、この前質屋に売りに行ったやつか」
「――待てや! 光の剣を売った!? 何してくれとんねん!?」
「いや、あれずっと押入れの中に入れっぱなしで邪魔やったから……今使わへんやろ?」
「今はな!? お前みたいなアホが魔王やるって出てきたらどうすんねん!」
「ハリセン持って行けばええんちゃう?」
「それ効くのお前だけや! 世間一般の魔王にハリセンは効かへんわ!」
「買い戻すん? 結構酒場で使おうてしもうたねんけど?」
「豪遊すなや! 今日からお前のギャラはなしや!」
「そんな殺生な! 堪忍して!」
『どうも、ありがとうございましたー』
「――と、こんな感じやな」
「次はウチがツッコミであんたがボケナスで行くで」
「……もう俺はツッコまへんからな?」
「行くで――ふはは、よお来たな勇者!」
「――死ねやぁ! 魔王!!」
「危なっ!? その包丁どっから出してん!? 殺意高すぎやろ! この勇者!?」
「俺なりにツッコミ極めようとした結果なんやけど」
「何を突っ込む気や!? あんたがボケ担当言うてるやろ!?」
「ああ、すまんすまん、ちょっと間違えた。これツッコミの時に使う道具やったな」
「ツッコミの時にも嫌やわ!……あとそれは床に置いてな?」
「しゃあないな……ほら」
「投げるなや! 危ないやろ!? 戻すで――あんたがウチの仲間になるなら世界の――」
「――死ねやぁ!! 魔王!!」
「危なっ!? また!? そんであんたそれは一体何なん!?」
「これか? これは舞台のマイクに刃物を仕込んだもんやけど?」
「悪びれずに言うなや! それウチら前にネタやった人も普通に使うてたやつやん!? ウチらはともかく他の人が怪我したらどうすんの!?」
「それは大丈夫や、これここのスイッチ押しながら左に回さんと刃が出んようになっとるから」
「安全装置作るなら本物の刃使わんかったらええやろ!? というかいつ仕込んだんや!? そんなもん!」
「昨日、『下見です』ってここに来た時やけど?」
「計画的犯行か!」
「これ作るのには一ヶ月かかっとるで?」
「計画的犯行か!」
「はぁ……せっかくアホそそのかして保険に入ったちゅーのに……」
「計画的犯行か! そんであの掛け金の異様に高い保険はこの時の為かい!? 解約や解約!」
「――ファイナルアンサー?」
「うっさいわ! ボケ!! 」
「なんや、さっきから全然ネタが進んどらんのぅ」
「誰のせいやと思うとるん!?」
「ほら、ネタ進めいや、まだまだ武器は仕込んどるから」
「まだあるんかい! 人間武器庫か! あんたとネタやっとたら命がいくつあっても足りひん、もうええわ!」
『どうも、ありがとうございましたー』
共通語版も作成していましたが読みやすいが面白くない感じになってしまったので没にしました。予測変換先に関西弁はないので結構変換だけで時間掛かってます……