表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕と私とetc.  作者: 霧島シキ
5/10

「そんな風に思われてたのか・・また、ショック。ああ・・存在をミステリアスのほうが格好いいと思って、私の立場をあいまいにしたのがいけなかったんだな。

星名君、私は、神空学園の守衛だよ。主な仕事は、学園の守護および警護だ。今日は、君の登校の案内役を任されている。あっ、もしかして、この服装も君の想像を膨らませてしまったのかな。

この服装は、学園の守護をしているということで、よくいるボディーガードの人の服装を意識してきているだけだよ。妻や娘にも恐いからやめろといわれているんだが、私は形から入るタイプだからね」

と、明らかに不審に見える格好をしていたおじさんは悲しそうに言った。


「じゃあ先に、学園の職員さんだって言ってくださいよ。恐かったじゃないですか」


「すまない、まあなんだ、私は、シャイなんだよ。このサングラスも、もともと人と目を話して話すのが苦

手だからつけているんだけなんだ。サングラス越しなら、恥ずかしくないからね」


「なんか、案内していただいているのに気づかずに、その上、逃げてしまってすいませんでした」


僕は、人を見た目で判断してしまったことを反省しながら言った。

なんだ、普通のはずかしがりおじさんじゃないか・・・


「いやいや、いやこちらこそ、恐がらせてすまなかった。それと、私のことは、おじさんじゃなくて、Mr・アグレットと呼んでくれ」

「アグレット?」

「アグレットとは、あまり知られていない大変優れた発明品、靴紐の先の硬い部分のことだよ。アグレットがなかったら、我々は、靴紐を通すのに現在よりかなりの時間を費やす事になっていただろうね」


Mr・アグレットは何故か自分の事でもないのに誇らしげだ。


「アグレットのことはわかりましたけど、じゃあ、なんで、Mr・アグレットと呼ばれているんですか?」

「それは、私が靴紐の神だから、靴紐つながりでそう呼ばれている」


靴紐の神!だからこんなことができるのか・・

さすが神様、すげえ~、じゃあ、僕にもこんな力が使えたりするのか・・・


「では、Mr・アグレット、そろそろ、僕の体に絡みついているこの靴紐どうにかしてもらえませんか?」

「うーん、それは、ダメだ。また、逃げられたりしたら、君が一時限目の授業に間に合わなくなってしまうからね。学園長室にも挨拶に行かないといけないし・・・それに、これはこれで、扱いやすいしね」


すると、Mr・アグレットは、まるで切りたての丸太のような僕を肩に担ついだ。

僕にはもう逃げる気などないのだが・・・・


「百歩譲ってこの状態でもいいとしますが、これじゃあ、完全に誘拐状態ですよ。通行人とかに見られたら、通報されちゃいますよ」

そう、すべて、これは、普通の道路上で行われていることである。


「大丈夫、この辺りには、私が結界を張っておいたから、普通の人間には、私達の姿は見えもしないし、声も聞こえもしないよ」

Mr・アグレットは、満面の笑みで言った。

神様、完全に何でもアリである。

まあ、神様だしな。

納得!

「じゃあ、Mr・アグレット、今からどこに行くんですか?」

「まあ、なに、すぐそこだよ」

Mr・アグレットは指をさした。

その先にあったものは、ポストだった。今日ここまで来たときには、気にも留めなかった、あの、みなさん、おなじみの赤いポストである。手紙を入れる、あの人工的な赤色のポストである。

見たところ何も変わっている様子は無い。Mr・アグレットは、近くに落ちていた僕のカバンを空いているもう片方の手で持ち上げるとそのポストに向けて歩き出した。Mr・アグレットに、抱えられて、よって見ると、通常のポストには何も書いていない場所に、何か書いてある。


「神空学園正門前?」

「そう、神空学園正門前、それがこのポスト型時空移動装置、ポッポストの名前だ。名前は、時空移動によってつれてかれる場所を表している。もちろん、これにも、結界がかけられていて、神以外には見えない」

「あの、時空移動装置って、なんですか?」

「そのままさ。時空を移動する装置だ。あっ、まだ言ってなかったっけ、神空学園は、異次元にあるから」

「えっ、だって校舎は、そこにあるじゃないですか?」

「ああ、あれは、フェイクだ。ポッポストを利用して人間界から通う生徒たちのためのね。本当の神空学園は、ここ、人間界でもなく、神の世界、つまり、神界でもない異次元にある。まあ、普通の人間には、あそこが、普通の高校のように見えるけどね。ちなみに、ここにある偽の神空学園は、通称『ウツセミ』と呼ばれている」

「でも、生徒とかがいなかったら、さすがにばれるんじゃないんですか?」、

「まあそこら辺のことは、結界が、人間の認識をずらしているからだいじょうぶさ。」

おい、神様なんでもありだなぁ。あと、認識ずらすって、結界すごすぎるだろ。結界大活躍だ。

つーか、神の世界って、神界って言うんだ。それに、人間が暮らしている世界も、人間界でそのまんまだし・・・神様って、名前とかには無頓着なのか?シンプルでわかりやすいと思うけど。

「じゃあ、早速、行こうか?」

「行くってどこに?」

なんだかいやな予感がする。

「神空学園に」

僕の新たな学園生活が始まろうとしていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ