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詩*日常から*

春のうた

作者: a i o

一度口に出せば

こぼれ落ちる歌のように

季節は巡って

揺れるこの心は

あっさりと

風にさらわれる花びらのよう


まばたきが捉えた

いくつもの瞬間を

青空に映せば

早送りするような

雲が掠める


声と声を繋げて

どんな言葉なら

渡り合えたのだろう

今はもう

響きだけを反芻する波の音が

春の海を行く


触れた日溜まりの熱と

掬う(とど)まることのない形

手と手を繋いで

見せあった傷が

今はもう

違う青さで空に色付いている


先回りするばかりの不安を

折り畳み仕舞うポケット

新しい日々は

薄紙のように透け

僅かな光を射す


朧気な歌詞は

綻んだ糸

解けばするりと口ずさむ

きっと忘れやしないと嘯く

季節は巡って

誰を結ぶでもない

眩しい水平線の片側で

重なる淡い影を送る
















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― 新着の感想 ―
[一言] ポケットにしまった不安が消え去ることはないけれど もうすぐ春ね…
[一言] 出だしは、字余り、もしくは不協和音のようで、 ただ、景色が変わるごとに、変調して、それが心地よく、 いうならば、 エリックサティのような、純粋な濁り。 そして終わりは、続きを示す余韻。 な…
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