表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で彫師になる  作者: ユタユタ
龍人
62/66

二巻目おしまい。

二巻目おしまい。



「で、どうすんだよ?」


アズルトに聞いた。

もちろん、アッシュを養子にもらってくれるかどうかだ。


「すまん」


アズルトは頭を下げて言った。


「忘れられないんだ、アッシュと遊べば遊ぶ程マガハの事を思い出す。そして、マガハの魂が苦しんでいる、そんな気がしてな、、、。

でも、マガハの仇を討ったら必ず戻ってくる。その時は」


アズルトは最初に見せていたニヤニヤした顔付きでは無く、

力強い顔を見せた。


「分かったよ。待ってる、

でもな、ドラゴンの血で法印を彫ってもイャンには勝てないだろ?」


アズルトもそれは分かっていたのだろう。

口をグッと結んだ。

リーザオ王国の国王にドラゴンを殺させた立役者だ、

まずドラゴンの法印を彫っても役に立たないだろう。


「イャンに何か弱点とか無いのか?」

「無い。殆どの攻撃はイャンの作る障壁を通り過ぎる事が出来ない」

「障壁って?」

「見えない壁の様な物だ、奴のはドラゴンブレスを防ぐ」

「じゃあ、ドラゴンの法印なんか全然ダメじゃねぇか!!

もっと考えろよ!

俺も考えてやるからさ。

そんで、お前はあんまりレベルを上げない事!!」


イャンを殺した時に魂を吸収出来ないからな。


「そういえば、何でお前は『ドラゴンブレス』を使わなかったんだ?」


ん?

『竜の後睡』の事か?


「前、オークキングみたいな奴に使ったんだけど何だか微妙だったんだよ。一応オークキングはフラフラしてたんだけど、お前に効果が有る気がしなかったんだよね。それにコスパが悪いんだ、効かなかったらもうお仕舞いって感じてさ」


『チッ!』


アズルトは大きく舌打ちをした。

どうやら、俺のスキルを知っていたアズルトは俺が『竜の後睡』を使うと思って障壁を張っていたらしい。


「あと、あの時お前の瞳孔が縦に開いてた、何だったんだ?!アレは?」


あの時ってのは、アズルトと最後に斬り会った時の事だろう。

最後俺の剣がアズルトを袈裟斬りしようとし、

アズルトの剣は俺の首を切り落とそうとしたその時。

アズルトの剣の剣先がへし折れたんだ。

俺の首に当たるその寸前でだ。

あの時俺は相討ちするつもりだったんだけど不思議に思っていたが、


「ドラゴンのようだったぞ?」


アズルトのこの一言でその疑問は氷解した。

背中の龍が俺を守ってくれたんだ。

じいちゃんが守ってくれたんだな。

やべ、スゲーうれしい。

涙は出ないんだけどな。


それから、アズルトがバルザックみたいに教えてちゃんになって、

色々聞いてきたけど全部無視した。

教えてちゃんはバルザックだけで十分。

確かに、普通は五人掛かりじゃないと使えない『神癒』を俺は一人で使ったり、

かなり遠くに居たアズルトとカナリアの場所を感知したり、

俺の光魔法第三階位『閃光』なんかも、

アズルトは興味津々なようだ。

でも面倒なのでごめんなさい。

そんな事より俺には優先すべき事がある。

レベルアップだ!!

早くレベルを上げて、体力を上げないと嫁達にアレを毎晩毎晩絞り取られてそのうちミイラになりそうだ!

とにかくレベルを上げるには色んな種類の魔物を殺した方が効率が良いらしいので隣の国を目指すことにしていた。

おそらくだけど、レベルを20にすれば、また体力上昇のスキルも2から3に上がる。

そうなれば一気に楽になる筈だ。

それから数日して王都へ向かいそれから隣の国リーザオへと向かうのだが。

このアズルトとの一件はアッシュに内緒にする事になった。

もちろん、アズルトにアッシュを養子に貰ってもらう為だ。

アズルトがカナリアを拉致した件をアッシュに喋ったら、アッシュはアズルトを絶対に許さないだろう。


そしてこれを後に強く後悔する事になる。

同じ秘密を持つ者同士は繋がりを強める、

しかしそれは秘密を知らされない者の疎外感をバネにしてだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ