SかMか
SかMか
「憲兵達がこの村の警備をほったらかしで、ギリーを殺した奴を探してるみたいよ?」エルザが言った。
「え?うそ!」
俺はもう一回戦!と思って伸ばした手を止めた。
この村の彫師だったギリーを殺したのはなんと俺だったりする。
「ほんと。外道彫師がこの村に居るかもって、皆怯えてるのにそっちのけでさ」
「そういえば、それって本当なの?本当に外道彫師が居るの?」
「そういう噂が有ったってだけ、誰かが見たとか、指名手配されてる外道彫師が居たとか、そういう話じゃ無いみたい」
俺は伸ばした手を布団の中へ戻して仰向けになる。
外道彫師と聞いて、アズルトの事を思い出した。
「エルザはアズルトって分かる?」
「分かるよ、ドニーから聞いた、何だか胡散臭いんだって?」
「そうそう。なんか常にニヤニヤしててさ。この村の領主代理と憲兵に請われてこの村に来たのに妙に俺に対してフレンドリーだし」
「みたいだね。でも彫師なんだし同業者と思って仲良くしようとしてるんじゃない?」
「かなぁ」
「だとしたら仲良くしてあげないと可哀想じゃない?
確かにそうだな。
てか、あいつ彫師だって言うし、聞きたい事が結構有るんだよね。
このまま、意味も無いのに敵対しても無駄か。
「まぁ、距離を保ちながら色々聞いてみるか」
「そうだよ」
エルザは気楽そうに言った。
エルザは俺の目を見て微笑んでいる、ちなみにエルザと俺は真っ裸だ。布団の中には大きな胸が隠されている。
布団の中から胸を目掛けて手を伸ばすと、
「そういえば。新しいスキルの竜言語ってどんなスキルか分かった?」
「いや」俺は伸ばした手を引っ込める。「今日、ドラゴンが村に来たろ?」
「来た来た」
「その時にちょっと近付いてドラゴンの言葉で話しかけてみたんだけどダメだった」
「ダメだったって?」
「わからん、通じないのか、無視されたかどっちかだろうけど」
「でも、凄いね!近付けたんだ」
「うん、カナリアと二人でペシペシ触ったよ」
「ウソ!」
「ホントだよ?カナリア凄い喜んでたよ。はじめて触ったみたい」
エルザが呆れた顔をしている。
「そりゃそうよ、普通は触れもしないはずよ?」
「そうなの?」
「目に見えない障壁をドラゴンは常に張っていて、人はもちろん、魔法とかも障壁に阻まれてドラゴンの体には届かないらしいよ?」
「そうなんだ」
「そう、カナリアちゃんには口止めしておいた方が良いかも」
そうだな、と言いながらエルザの体へと再び手を伸ばす。
「でも、ドラゴンに近付けるなんて、障壁はどうしたのかしら?」
俺は伸ばしかけた手を止める。
「ええ?!分からん!」さっきからエルザの体に触ろうとする度に、エルザが話し掛けてくる「でも、カナリアに『ドラゴンの鱗って凄い高く売れるらしいよ?』言ったら。カナリアが、『え?そうなんですか?剥ぎます?』とか言ってさ、そしたらドラゴンに睨まれたよ」
「へぇ、普通の言葉が通じるのかなぁ?」
「わからん、たまたまこっちを向いただけかもしれないし」
そう言って再びエルザの方へと手を伸ばす。
「でもさ」
とエルザが喋り出すが。無視してエルザの胸を触った。
「あっ」と、エルザの口から艶かしい声が漏れるが。「ダメ!」
と言ってエルザは俺の手を叩いた。
さてはこ奴。俺がエルザの体を触ろうとする度にわざと話し掛けて来よったな!
「だぁ~め。したい時は何て言うんだっけ?」
と言い出した。
エルザはちょっとSなんだよな。
「エルザとエッチがしたいです」
と俺が言うと、エルザは俺に抱き付いて来て。「良く言えました。ご褒美にいっぱいしてあげましょう」と、言った。
俺は俺の足をエルザの足と足の間に入れて、股を広げさせると、手をエルザの下腹部へと伸ばす、すると
「あっ」
とまた艶かしい声が再び漏れる。
エルザはもう準備が出来ているようだった。
「したかったのはエルザのほうじゃん」
「ダメェ、言わないで」
Sに成りきれないエルザだった。




