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異世界で彫師になる  作者: ユタユタ
龍人
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日本の竜の表象は平安時代の地図に始めて現れる。

その竜には三つの特徴があった。

一つ目、足がなかった。その時代の竜は蛇のように描かれていた。

二つ目、頭に要石という石が頭に刺さっていた。

三つ目、その地図の竜は右回りにぐるっと一周して自分の体で円を描き、その中に地図が書かれていた。なぜこんな地図を昔の日本人は書いたのかというと。これは、竜が日本を不浄から守っていると考えられていたからだ。日本の国土の外、海の上に漂い。外から不浄が日本へと入り込むのを防いでくれているとされていた。

じゃあ、竜は日本を不浄から守る良い存在だと考えられていたかというとそうでもない。

竜が地震を起こしていると考えられていたからだ。

そこで、二つ目の理由『要石』だ。

この石は京都に実在する石で、その石は、地中深くにいる竜の頭に刺さり地震を起こさないようにしていると言われている。

そして、一つめの特徴に戻る。

最初足の無かった、日本の竜は外国からの文化の流入によって足を持つことになった。

そこで足には六つの玉が持たされた。

六つの玉を握る指の数は通常は三本。

五本指の竜もいるがこれは主に中国での話になる。

中国では人が竜になると。竜に成った時の指の数が五本になるのだそうだ。

この文化は日本にも入ってきた。

しかし、日本の竜は恐ろし過ぎたのだろう。

多くの人の命を奪う地震を起こすその存在になりたい。

竜になりたい。というのは恐ろし過ぎたのだろう。だから日本の竜はほとんど三本指だった。

しかし、その例外をじいちゃんの葬式で見た。

じいちゃんの葬式に来た坊さんの袈裟に書かれていた竜が五本指だったのだ。

きっと、人が竜になって、神となって、じいちゃんの魂を天国に導くそんな意味があるのだろう。

さて、本題に入ろう。

じいちゃんの彫る竜はいつも三本指だった。

沢山じいちゃんが彫る竜を見てきた。大きなものから小さなものまで。どれもこれも三本指だったのだが、じいちゃんが俺に彫った入れ墨、俺の背中の竜の入れ墨は五本指だったのだ。

俺の異常だと言われるスキルの多さ。そのスキルも普通人が持つ事の出来ないスキル『ドラゴンブレス』なんてスキルまで修得していた。

そしてスキル『竜言語』だ。

俺の体に今何が起きているのか。わからない事ばかりだが。

一つだけ分かった、じいちゃんは俺を竜にした。

人の身でありながら竜の力を持つ。そんな存在に俺をしたのだろう。

じいちゃんは俺に何をさせるつもりなのか。孤児院への帰り道そんな事を思った。

いつもお読み頂き有難うございます。

今回の内容、竜の表象についてですが。

ゼアミという雑誌の『立ち上がる場と風景』という題だったとおもいます。

その中のレ・レウィンさんの論文を参考にさせて頂きました。

内容がうろ覚えで、本来の内容と違う所がありましたらごめんなさい。


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