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異世界で彫師になる  作者: ユタユタ
龍人
39/66

ではでは。

ではでは。



こっちを睨んでくる模造刀君を無視して、バルザックのカウンセリングをする。

模造刀君は王族の関係者みたいだし、あんまり無下にも出来ないけれど。

今さら手の平を返すようにペコペコしてなんかいられない。そんな訳で、開き直る事にした。

そしてバルザックは、接近戦をメインに法印を体に彫りたいのだそうだけど、どうしたら良いか相談を受けていた。

バルザックの体に直接筆で法印を書いては実際に戦ってみる。


「どう思う?」


とのバルザックの問いに。


「いや、どうもこうも、出来るだけ小さく彫って様子見るだけだろ?」

「そうなのか?」

「ああ」


魔法を発動させる法印。

例えば火を放つための法印や、光を放つための法印は。常時発動させるものでは無いので。その時その時に宙に神字を書いて魔法を発動させる。

そして、常時発動型の魔法でエンチャント系。治癒能力上昇の法印や、身体能力上昇の法印は体のチャクラのある場所に彫る。

チャクラは頭の上、額、喉仏、胸骨、臍の下、股の間の六ヶ所にある。

魔力上昇の法印を彫るならば喉仏の有るところに。

治癒能力上昇の法印を彫るならば胸骨の有るところに。

力、敏捷、体力を上げたいのなら臍の下に彫る。そうすると、当然臍の下は三種類の法印で大混雑になる。

じゃあ、出来るだけ小さく沢山彫れば良いかというとそうでもない、あまりに小さいとどうやら上手く発動しないらしい。

それで小さいくても発動するギリギリのサイズだが、これがまた面倒。そのサイズというものが人それぞれ違うのだ。

バルザックはそこそこ小さくてもいけるみたいだった。


「じゃあ、レベルはいくつまで彫る?」


力、敏捷、体力の法印はまんべんなく上げるのが一般的だった。バルザックならレベル4までなら普通に彫れると思うと思う。


「2まで頼む」

「いいけどさ」


貧乏人め。


「じゃあ最低でも金貨3枚な。あと、ちゃんと寄付しろよ?」

「も、もちろんだ!」


俺の入れ墨の料金体制は複雑になっていた。

孤児院で入れ墨の施術をしているのだが、孤児院に募金箱を設置してから入れ墨の代金と募金がいつの間にかセットになっていた。俺は客に募金を強要したことは無いが、これだけ孤児院に出入りしてるバルザックが募金無しではちょっと情けない。

あと、経費だ。

俺は神木の樹液をバンバン使って試し書きをするため、経費が通常以上に掛かる。

それを心配した客がお金を勝手に多めに払い始めて、それが当たり前になっていた。

俺への施術料、孤児院への寄付、入れ墨のための経費。

これらを客は負担していた。


「さてと」


バルザックに彫る入れ墨のサイズをメモに書き孤児院に移動しようとする。

さっきの模造刀君がエルンストさんに何故かボコボコにされているがもちろん無視して歩く。

その時、


『ドラゴンだ!!』


誰かが叫んだ。

ドラゴンは前から村に来ては居たのだが、俺が村に居なかったり、忙しかったりしてまだ見た事が無かった。

エルザを見るとはしゃいでいるのが分かったので、エルザの所へ近付くと抱きかかえた。


「キャ」


エルザは驚いたのか声を出すが無視して、ポケットに入れてある重力魔法の書かれている札に魔力を込めて、重力魔法第二階位を発動させる。

すると重力を感じなくなって、体がふわりと浮く。


「え、え?」


軽く地面を蹴った。

重力から開放された体は空へと上昇して、建物の屋根に足を掛けると重力魔法を解除する。

屋根をさらに登り建物の一番高い所まで来るとエルザを下ろした。


「凄い!何をしたの?もう一回やって!」


とエルザが言うが、エルザの頭をナデナデしてドラゴンを探す。

ドラゴンは村の北にいた。北の山から祭壇のある村の上部へと向かっているようだ。

その大きな姿は日本の伝説にあるような竜ではなく。西洋の、ゲームなどで良く目にするドラゴンに近い。

赤茶けた肌、太い胴体、二本と腕と二本の足。

日本の竜とは全然違う。日本の竜だと手が六本だからね。

そんな事を思っているとドラゴンと目が合う。


『キィン!』


頭に刺すような痛みを感じて顔をしかめた。

思わずエルザを抱く手を強くしてしまうとエルザが心配そうに俺を見た。


「大丈夫?」

「うん、急に頭が痛くなって、、」


エルザの頭をナデナデして。


「ありがと。大丈夫、もう痛くない」


と言うとエルザは安心したようだ。

それからドラゴンは祭壇に積み上げられたお供えを口一杯に頬張ると森へと帰って行った。

ドラゴンを見送って建物から降りる。着地する前にはもう一度重力魔法の第二階位を発動させて『ふわり』とゆっくり着地する。

エルザの目がキラキラしてるけど、何もしない。

無駄に目立ってもね。

孤児院に帰ろうとすると、エルザがステータスをチェックしろと言うので、チェックルームに入った。

一応セロンの村でレベルが上がったとは思うけど、どうせ一つしか上がってないだろうし見るまでも無い。

だけど、エルザに言われると弱いのだ。

そして、そのステータスが問題だった。



11/99

HP745/745

MP 208/210

力 205

敏捷 172

体力 199

魔力 187


力上昇Le2

敏捷上昇Le2

体力上昇Le2

魔力上昇Le2

心肺能力上昇Le2

自然回復能力上昇Le2

MP回復能力上昇Le2

状態異常耐性上昇Le2

火耐性上昇Le2

火魔法威力上昇Le2


剛体Le2

龍眼Le2

感知Le2


ドラゴンブレス

龍の午睡


龍言語Le1



いきなり表れたスキル『龍言語』にエルザは首を傾げた。

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