セロンの実力
セロンの実力(秋人視点)
セロンの部屋に入る。
部屋の中は女性ならではの少し甘いような匂いがした。
「どうしたのだ?」
元気が無いぞ?と声をかけてくれる。
セロンは白のブラウスに、丈の少し短い黒いスカート。
白い靴下を履いている。
「似合うね」
セロンは笑顔になると、スカートの裾を少し詰まんで上へ持ち上げた。
白の靴下がガーターで吊るされているのがわかった。どこから吊っているのかめっちゃ気になる。
「良いだろ?」
「おう。良いな、清楚な感じが凄いセロンに似合ってる。しかも、そこからのちょっとエロい感じがさらに最高だ!」
ふう。やるな、セロン!思わずテンションを上げられてしまった。
「誉められるというのは嬉しいな」
セロンはそう言って俺の前に座った。
「私は誉められた事が無い」
「どういう意味?」
「言葉通りだよ。村を出た時に私達を見送った仲間の中に私の両親がいた」
今まで気付かなかった事に驚く!
「あっ!まじか!ご両親にご挨拶した方が!!」
俺ってば最低じゃん!!
「良いんだ。親とは呼べないし、向こうも自分達を親とは思っていないだろう」
「そうなのか?」
「物心付く頃には巫女になってしまったからな。あとは見ての通りだよ」
確かにちょっと異常じゃあ無いかと思うような不思議な村だった。
村人は巫女のセロンが来ると道を空けて頭を下げる。きっと親も同じ様にするだろう。
犬神様のお世話をする巫女に動物性の臭いを付けないためらしいが。あの村では確かにセロンは浮いていた。
「巫女になった時から村を仕切る存在になった。その時から誉められることも、怒られる事も無くなった。私から見たら父親も母親もただの村人だよ。私が巫女になった時期に新しい子供を授かってな、今も家族三人で仲良くやっているよ」
これは、きついな。
「辛かったんじゃあないか?」
「うん」
セロンは立ち上がった。お茶を淹れてくれるようだ。
少し寒くなってきた、外は暗く雨が降っている。
「私はそれが我慢出来なくてな、癇癪を起こすんだ。でもな、どうなると思う?」
「どうもならなかったんだろ?」
俺だってじいちゃん一人だった。母親が、父親が欲しくってただをこねた事がある。もちろんどうにもならなかった。
「さすが秋人だな。その通りだ」セロンの後ろ姿は力が無くって。「泣いて癇癪を起こしても皆三歩下がって頭を下げるだけだった」
やかんから湯気が出るとセロンはティーポットにお湯を注いだ。
「あの村にいるとな。私の体が透明になったような錯覚を覚える」
お茶を淹れて机に戻ろうとするセロンが何処に座るか少し悩むので、俺の隣の椅子を引いた。
「皆、私が来るのが分かると三歩下がって頭を下げるだろ?」
セロンはそう言って俺の隣の椅子に座ると俺の肩に頭を乗っけた。
「それは端からは敬っているように見えるかもしれないが決してそうじゃない。無視してるように感じるんだ」
セロンの淹れてくれたお茶を口に含む。
「誰も私と目を合わせず、私が癇癪を起こしても頭を下げるだけ。長老達の指示通りの事をやり。犬神様のお世話をする」セロンの口調が徐々にきつくなる。「私の体が必要なだけで。私は必要なんじゃないんだよ。私の心は要らないんだよ?そんなのおかしいよ」
右肩に乗っかるセロンの頭を左手で撫でた。
「でも、秋人は私の体を見てくれた」セロンの右手が俺の太股に置かれる。
「秋人が私の事を見てくれるの、凄く嬉しいんだ。秋人が私の事を誉めてくれるのが私は嬉しいんだ」
セロンの口が俺の耳元に来る。
「だからこれからも私が良くできたら誉めてくれないか?」
セロンは小声で言う。
「きれいだったら綺麗だって誉めてくれないか?」
俺は大きく頷いた。
「私は全部初めてで上手く出来るか分からないけど頑張る。だからしっかり見て欲しい」
何の事か分からないけど立ち上がるセロンを見上げた。
セロンは机の反対側に廻って俺の前に正面に立つ。
頬が赤く高揚しているようだ。
そして、ゆっくりと口を開いた。
「私は変態です。秋人様に体を見られて興奮する変態です」
セロンはそう言ってさっきより大きくスカートを持ち上げた。
白い靴下を腰からガーターで吊っているのと、赤い下着が見えた。扇情的な生地の隙間から綺麗な肌が良く見える。茶色の尻尾も見えた。
「秋人様に見てもらうのを想像して買いました。見て欲しくて選びました、秋人様に見られることを想像して興奮していました」
な、な!何だ!何なんだ!この急なエロゲ的な展開は!
「私は秋人様に見られたくて腰を振るメス犬です」
セロンはスカートを脱ぐとブラウスに手をかけた。
ボタンが一つづつ外され下着に包まれた大きな胸が顕になる。
「綺麗だ」
俺の言葉にセロンは腰をくねらせる。
「嬉しい」
セロンはブラウスを脱ぎ捨てると手を後ろに回した。
「もっと、もっと見てください。全て秋人様のものですから」
胸を覆っていた下着が外される。
「どうか、この性奴隷めに御慈悲を」
セロンが机を廻って近付いてくる。
ヤバイ!ヤバイ!!ヤバイぞ!!
今の俺は半こすりではてる自信がある!
初めてのエッチの恐怖が甦る!
挿入!そして、その瞬間にフィニッシュ!
そして、散々散々笑われ!今では嫁達にネタとしてエッチの度にバカにされる!
あの時の二の舞はゴメンだ!
考えろ!考えろ!秋人!考えるんだ!秋人ぉ!!!
いつも本当にありがとうございます。
稚拙な文章でイライラされているかと思いますが。
お付きあい頂き、本当にありがとうございます。




