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異世界で彫師になる  作者: ユタユタ
龍人
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いけず

いけず(セロン視点)



秋人はいけずだ!!


秋人のいけず!いけず!いけず!

今は村から降りて王都へと来ていた。

そして、秋人は王都に降りてくると変わってしまった。

私の体を舐めるように見てくれなくなったのだ!

前はあんなにじろじろと見てきたのに。秋人の視線が体を這うあの感じが今も思い出すとゾクゾクする。

それが!

全く話が違うではないか!

体を始終舐め回すように見てくれると思ったから奴隷になると言ったのに!

それか、服装がいけないのだろうか?あの白いヒラヒラした布が良かったのだろうか?今の服装は確かに全身とにかくオークの皮という、味もそっけもない格好だ。

そして今、バルザックという男のオススメの鍛冶屋にきていた。

どんな格好が良いかと聞かれるので、


『露出の大い格好が良い』


と伝える。バルザックと店主が驚いた顔をするが秋人の目が光ったのを私は見逃さない。

他には無いかと聞かれるので、


『体に出来るだけフィットした、体のラインが分かる物が良い』


と伝えると。秋人の目がまたもや光った。

それから私の体を計る。

明日には出来るそうだ。それでは、と店を出ようとすると、秋人は店主に近寄って店主とこそこそと話す。

私への興味が無くなったわけでは無さそうだ。

しかし、私は今までは男をよく観察したことが無かった。

ちょっと男について勉強した方が良いかもしれない。



(秋人視点、時間少し戻ってスタートです)

村での宴の後、長老達のオススメの五人のヒアリングをして。

翌朝の朝イチから死ぬ気で彫った。

午後には村を出て日が沈むころやっと王都に着いた。ヘトヘトになった俺とセロンは泥のように眠った。バルザックが嬉しそうに新しい装備を見せてきたが無視した。

早く村へ帰らねば!

遅くなると嫁達に殺される。

翌朝起きてからはバルザックを叩き起こして鍛冶屋へと移動した。セロンと一緒にだ。

セロンの装備と服も買わなければいけない。セロンが茶一色の格好でいるのが許せなかった。

こんな格好をさせるためにセロンを奴隷にした訳ではない!

鍛冶屋ではセロンが良い感じの要望を出したので俺も乗っかった。よりエロい感じになったと思う。

実用性?そんなもの捨ててしまえ!

そもそもセロンに危険な事をさせるつもりは無い!

それからセロンが本を買いたいと言うので金貨を数枚渡した。下着や着替えは俺が一緒に買うわけにもいかないだろう。普段着も買わなければいけない。普段着は一緒に買いたかったがセロンが『任せてくれ』と言った。

鍛冶屋でのセロンを見る限り問題は無さそうなので任せた。

むしろ任せた方が良いかもしれない。

今から楽しみだ。

バルザックが明日帰る時に護衛をしながら帰りたいというので、その手の依頼を確認するように頼んだ。

そして俺はというと、獣人の村の位置を教えてくれた『同士』の所へ向かう。

同士は、奴隷を販売している。扱っている奴隷は全て犯罪奴隷のみ。しかも男だけ!

当初、当然俺は女の奴隷を探していたし。どうしても安く奴隷を手に入れたいと俺が困っていると、善意で獣人達の村が有る場所を教えてくれたのだ。

会ってお礼を言わなければ!

複雑な小道を入り、そして店主を見つける。

店主は俺を見るとダッシュで逃げようとするが!俺の敏捷値を舐めるなよ!

目の前に立ちふさがってやった。


「どこへ行くのかな?」

「な、な、何の用だ!」

「まぁ、まぁ、ゆっくり話そうじゃあないか」


覚悟を決めたのか店主はゴクリと唾を飲み込んだ。



「えっ?奴隷を連れてこれたの?」


店主が言う。


「そっ。美人さんだぜ!」


俺は自信満々だ!

だって、セロンのルックスもスタイルも俺の自慢だ。


「そ、そうか。良かったな」

「それでちょっと相談に乗ってもらいたいんだけど」

「それならいくらでも乗るぜ。ここからが本業だ」


それから店の中に入った。

店の中は綺麗に掃除されていた。ちょっと意外。

適当な椅子に座ると反対側に店主が座った。

俺と一緒の所を近所の人に見られたくないのだろう。店に入ってからちょっとほっとした顔をしている。


「法律の説明をさせてもらおうか」


店主はなんだかイキイキしてる。


「まず、一方的な奴隷は違法だ。合意が無い奴隷は即、強制的に奴隷から解放される。だから、お前さんの連れてきた美人さんのサインが必須になる。そのサインの入ったカードは常に携帯してくれ、提示を求められたら出せるようにしてくれ。持っていないと、最悪極刑だ気を付けたほうが良い」


結構厳しいのね。


「とにかくその美人さんを連れてきてくれ。そうしたらサインをしてもらってから、俺が許可証を発行するから、好きな彫師に奴隷の入れ墨を彫ってもらえばいい」


俺は自分で彫れば良いわけか。


「大体どんな物を彫ってるんだ?」

「婚姻の入れ墨って分かるか?」

「あぁ」嫁三人がかりで彫らされた指輪みたいな奴だ。

「それを首に一周入れる」

え?なにそれ?

「婚姻の入れ墨と一緒で罪悪感に反応する。罪悪感が強ければ指じゃ無くて、首が落ちる」


なんだそれ?全然綺麗じゃない。

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