獣人の村
獣人の村
獣人の村は山の奥深くへ入った処にある。
通常は二日以上かけてなんとかたどり着ける場所だ。
そこを走って前へ、前へと進む。
魔物との戦闘は出来るだけ避けて、やむ終えないような場合は魔法で舜殺した。
急がなければいけない。あんまりカロイラ村に帰るのが遅くなれば俺の方が舜殺されかねない。妻達に。
遠くに橋が見えてくると一度立ち止まった。
そろそろだな。
何とか一日で獣人の村へ着くことが出来そうだ。
右手の法印に魔力を通して、『万象』を発動させる。
『万象』は、時、空、重、光、邪、天の六つの法印に魔力を込めると発動出来て、何が起こっているのかが分かる。
まぁ、なんと言うか、取っても凄い感知の能力だと思ってもらえれば良いです。
そして、『万象』によって、橋の手前に犬型の獣人が二人いる事が分かる。
驚かさないようにここからは歩いて行く事にした。
近付いていくと、準備万端で待っていた様だ。
二人だった獣人は五人になっている。ちなみに全員男だ。犬耳の奴と、猫耳の奴がいる。
一番体格の良い犬耳を着けている男が一歩前に出た。
「何のようだ?」
「えっとぅ。行商?」
五人は顔を合わせて小さい声で話し合っている。
可愛い獣人の奴隷とイチャイチャしたいです。って言ったら絶対に殺されるよね。
「大丈夫だ。間に合っている、お引き取り願おうか」
さっきの犬耳が言った。
さてさてどうしようか、こいつらのレベルは8から10だけどHPとMPは俺の半分以下。敏捷が俺の半分とは限らないけど。
「じゃあ」
そう言って振り替える。
帰ると見せかけて村へ向けて一気に走り出す!
村の場所はさっきの『万象』で掴んでいた。
「待て!」
そう言って追いかけてくるが遅い。全員俺の袖に触れる事すら出来ない。
俺の後を追う獣人とどんどん距離が開いていく。
岩から岩へ飛び移り、木の幹を蹴って前へ進む。
いくら走っても全然息が切れなかった。
村に近付くと速度を落とした。獣人の村の手前にある木の柵の切れ目を探す。木で出来た門を見つけるとそれを潜る。後ろから息を切らしながらも後ろから近付く獣人の気配を感じた。
俺がこの村を目指して進んでいるのを村の中でも察知していたのだろう。目の前にはたくさんの獣人が居る。
前後をしっかり囲まれている。
「もう一度聞こうか」後ろから声がした。「何のようだ?」
さっきの犬耳持ちだ。
一生懸命走って来たのだろう。ハアハア言ってる。
「行商だよ?」
「嘘を付け!」
今度は柵の中に居るヒョウ柄の耳を持ったお祖父ちゃんが言った。
うーん。何故嘘だとばれる?
そろそろ俺のリビドーを解放するときが来たのだろうか。
その時獣人達の人達をを割って一人の獣人が出てきた。
その獣人はボッキュッボン!そして、良い感じでムチムチしてる。胸のサイズはGだな。間違いは無い。だって服がヤバイんだもん。他の獣人は皆、茶色のオークの皮を鞣して作ったような服なんだけど、その獣人は白い布で体を隠しているだけ。
しかも、よくよく見ると肌が透けて見えているような。
胸をガン見する!凝視したら透けないかな?胸の突起ぐらい見えても良いだろう!必死で凝視するが、なかなか透けない。
ほんと、龍眼のスキル無駄。全然役に立たない。ゴミスキルだな。
「止めて!そんな目で巫女様を見ないで!」
大きな声がした。
「巫女様が穢れちゃう!」
小さな女の子が俺を睨んでいた。




