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異世界で彫師になる  作者: ユタユタ
龍人
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バルザックの憂鬱

バルザックの憂鬱



このままでは、後で秋人に殺されそうだ。良い武器を買わなければ。

秋人は奴隷になぜか夢を持っていたようだがまず確実に夢は叶わないだろう。隣の国に行けば違うだろうがな。

移動中に光魔法について聞けて良かった。村に帰る頃には俺は確実に破門されているだろう。

さてさて、鍜治屋だ。

日本刀と言ったか、手に入れば良いが。秋人があの剣を出した時、なるほどなと思った。元からよく分からない使い方をするな?とはたまに思っていた。

剣を打ち合わせるような使い方で無く、もっと一撃で葬るような。そんな使い方をしたかったのだろう。

しかし、なかなか作ってくれる鍛冶師は居なかった。それはカタナだと店では言われた。製法が独特らしく、無理だと言われる。

しかしこのまま手ぶらで帰ったら。女の子の奴隷に会えなかった秋人に殺されてしまうだろう。

冗談で秋人をからかったことがあるが、その時の秋人はヤバかった。

喋りなからゆっくりと剣を構えて鯉口を切ったのだ。

あのまま秋人のテンションを上げることが出来なかったら俺は切られてた。

剣の腕なら俺が勝てるだろう。

ただ、魔法も使った総力戦では秋人には敵わない。

あの時の秋人のテンションを上げるた為に余計な事を言ってしまった。奴隷の女を囲むなんて、20年前だったらな。

「はぁ」ため息が出た。



(秋人視点)

ふっふっふ。

思わず笑みがこぼれた。

俺はすっかりニヤニヤした変な奴に見えると思う。しかし、笑いを押さえることが出来なかった。

あれから奴隷を扱う店主は泣きながら色々教えてくれた。

奴隷の相場はほぼ、金貨120枚。ほぼ、税金だと言っていた。さすがに金貨120枚の準備は無かった。

良い方法を言わないと『ここでお前は俺の同士だと。俺は変態だと叫び続けるぞ!』と言ったら店主の涙腺が崩壊した。

山の中の集落に獣人達の集落がある。そこに行って直接交渉したらどうだと言われた。

獣人の集落は極秘の為、絶対に漏らさないで欲しいと言われた。勿論だとも!可愛い獣人ちゃんとイチャイチャハーレム!

誰にも邪魔させるものか!

さてさて、さっそく移動したい所だが、どうしよ?

お土産とか有ったほうが良いかな?山の中で必要な物とかって何だろ?

獣人って言うぐらいだからやっぱり肉か?それとも野菜?

いや、スイーツか!

王都をブラブラする事にした。





色々買い込んでいたら、すっかり遅くなってしまい。

バルザック怒ってないかと心配しなから宿屋のドアを開ける。

リビングの端っこで背中を丸めるバルザックを見つけた。


「おい!バルザック!」


怒ってないかと様子を伺いながら近付く。

バルザックはなんだか落ち込んでいるようだ。


「どうしたんだ?」

「す、す、すまない!お前の言う言う。日本刀だが作れる人間がなかなか居ないんだ!」


なんだかコイツ切羽詰まってんな。声もでかいし。


「おっおぅ。そうだよな」

「そうなんだ。ただ、良い感じの鍜治屋は見つけた!」

「おっおう」バルザックのテンションに圧倒されてしまう。

「そこで、どうだ?取っておいたトロールの皮とグランアレニェの甲殻で防具を作らないか」


あぁ、バルザックと倒したでっかい蜘蛛か。子供達とユリナが旨い旨いと言っていた食べていた。


「良いね」俺とバルザックの剣じゃあ傷一つ付かない防具としてかなり良いだろう。


「だろ!俺と同じ防具だな」


バルザックが嬉しそうに言う。


「そっか、何か嫌だな」


バルザックとペアルックかよ。

バルザックはとても傷付いた顔をした。

翌朝に知ったのだが同じ防具を身に付けるのは、冒険者同士での友情の証らしい。そういえばエルンストのパーティも皆同じ防具を身に付けていた。

それからおずおずと『そっちはどうだった?』と聞いて来たので、『良い感じだ』と言っておいた。多分ニヤニヤして変な奴に見えたと思う。

それから風呂に入って寝た。風呂は各部屋に付いていて、ゆっくり入ることが出来た。大浴場が本当は良いんだけど、これからは背中の入れ墨は隠したほうが良いような気がしてきたからだ。

宿代が高く付くがしょうがない。




朝起きると準備をして出された朝食を食べる。

さして美味しくない。セリアさんとユリナの作ってくれたご飯のほうが何倍も美味しかった。愛情の違いかな?

食べ終わるとバルザックと鍜治屋へ向かった。

グランアレニェの甲殻とトロールの皮、あとお金。全部バルザックに渡して俺はさっさと獣人の村へ行きたかったけど、バルザックに止められた。寸法が合わないと駄目だそうだ。

そりゃそうだよね。

鍜治屋に着くと厳つい顔をしたおっちゃんに体をペタペタ触られる。


「おっちゃん?カタナは作れないの?」体をペタペタ触ってくるおっちゃんに聞く。


「見た目だけ一緒で良いならな」

「んーと、柔らかい鉄と、固い鉄とぉ」


記憶の限りの日本刀の説明をした。かなりあやふやで、いい加減な説明になったけど、本職ならそのうち作れるでしょ。

それから見た目が一緒の刀を造って貰うことにした。

やっぱり洋剣は使いにくい。

それから俺は夢へと続く旅へと出かける事にした。

獣人ちゃの村へレッツゴー!

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