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異世界で彫師になる  作者: ユタユタ
彫師になろう!
18/66


(秋人視点)



「それでさ、ユリナの部屋を開けちゃったわけ」

「それで?」


オラさんは俺の話に頷いた。


「そしたらユリナさぁ、胸にサラシ巻いてんの!」

「ほう、何故?」

「それがさぁ、俺がペチャパイ好きだと勘違いしてたみたいでさ。『やだぁ。秋人に嫌われちゃう!』

って。最近大きくなる胸をサラシで巻いて小さく見せようとしてたんだよ」

「なるほどなぁ。いじらしいじゃあないか。その話を聞くとその子が一番良いように思うがなぁ」

「でしょ?『ズキュン』って俺の胸に響いたね!」

「でもなぁ、あの子もかなり性格キツイだろ?」


オラさんは俺の心配をいつもしてくれる。


「そうなんだよ」

「どっちにしろ確りと選ぶんだな。エルザに、ドニー、ユリナ。どの女も気が強い女ばかりじゃあないか。良いか!一人だぞ!二人以上との結婚は身を心を滅ぼすぞ!」


分かってるよオラさん!俺も三人の尻に敷かれてATMは嫌だからな。


「有り難うオラさん!」


オラさんとハグをして別れた。

ギルドの出口を目指して歩くと、エルンストさんのパーティが前から来きた。


「オッス!」俺は手を上げて挨拶する。

「これから孤児院か?」エルンストさんが言う。

「そっ」


エルンストさん達とはあの一件以来仲良くなっていた。


「また頼む」

「はいよ!」

「俺もな」


ダグラスが言う。

手を上げて答えた。

三人ともとても気の良い奴等だった。エルンストに至っては、前はドニーが好きで、オレがいるからと仕方無しに諦めると、今度はエルザを狙ったいたらしい。ドニーもエルザも二人とも一応俺が好きだろうしヤバイなって想ってたら。エルンストさんは


『俺がドニーやエルザを好きだっていう感情は否定出来ないし、誰にも否定させない。もちろんドニーやエルザが好きだって思う感情ももちろん否定しない』


二人の幸せを願っている。と言っていた。凄く出来た男だった。ダグラスはそれを聞いて。


『分かったか!これがエルンストさんのスゲエ所なんだよ!強さだけじゃあねぇんだよ!分かるか!』


と暑く語っていた。良く分かった。お前は唾を飛ばさないと喋れないという事もな。

ダグラスはそれからパーティ組みたかったら俺らにいくらでも言えば良いんだぜ?とも言ってくれていた。本当に良いパーティだ。

受付に付くがエルザは今日はお休み。今日は何だか用事が有るみたいだ。

建物の外に出て孤児院に向かって歩く。

すれ違う人に声をかけられると手を上げて答えた。

あの一件の後すっかり俺は時の人と言うか人気者になった。入れ墨を彫りたくても彫って貰えない人、この村の相場が高く彫れない人と結構居たようだ。ちなみに俺がそう言った前の彫師を倒した件は秘密になっている。

あの後、エルザやバルザック、エルンストさんにセリアさんも。後、ギルド長(こいつ風呂屋で会う体を洗わずに風呂に入るじじいだった!)も来て囲まれて質問責めにされた。

まず、セリアさんがドニーに抱き着くと二人で泣いていた。

じじいが「ギリーは?」と言うので、とりあえず。


「誰それ?」と逆に聞く。

「彫師の男じゃよ」


と言うので、最初発見したチ◯コを出した男を指差した。

その男は納屋を俺が見つけた時にチン◯を出しながら納屋の中を見ていた。まぁ何をしようとしたのかは触れないでやってくれ。光魔法で自分を見えないようにして近付き思いっきりぶん殴って気絶させておいた。


「もう一人居ただろう」と言うので。

「いゃ、知らないなぁ」


と答えておいた。

あと、空が暗くなったのをとっても心配していた。これも。


「いゃあ、何の事だろう?全然分かんない。ドニー知ってる?」


しらばっくれる。


「んー。私も分かんな~い。何の事だろうねぇ?」


とドニーも口裏を合わせてくれた。

バルザックを睨むと、小さく頷いた。よしよし。

ちなみにアイツを殺して出て来たアイテムは全て俺が没収した。神木の樹液などかなり持っていた。俺が有効活用してやろう。


『憲兵には何とか言っとくわい』


とじじいは言って去っていった。

その後、急にセリアさんに抱きつかれた。

うお!スゲー肉々しい!


「あんた!心配したんだよ!」


セリアさんはそう言って思いっきりハグしてくれた。

俺、物心着いた時には母ちゃん居なかったからこういう経験無いんだけど。何だかスゲー嬉しかった。こうやって女性にハグされるのが何だか安心する。嬉しいぜ!ヒャッハー!じゃなくて。このまま眠りたい感じ。

んー、40、50歳の女性も良いかもしれない。バルザックに謝って今度連れていって貰おうかな。

年増のいるヘル◯。

それにちょっと丸いのも良いよな。柔らかいぜ!

最初のユリナとかちょっと悲しくなったもんね。


それから、


「嘘が下手すぎ」とエルザには叱られた。


「えっ?そんな事無いだろ?」とバルザックを見たら、バルザックは首を縦に振って答えた。


「秋人は嘘が致命的に下手なんだから、自覚してよね。まぁ、ギルド長が何とかしてくれると思うけど」

「じゃあ大丈夫だな」

「それで、暗くなったのって本当に秋人がやったの?」


と聞かれ、どうしようかと悩んでたら。


「秋人だ」

バルザックゥ!喋りやがった!


ギロリと睨む。


「す、すまん。でも、この間聞きそびれてしまったがあれは何なんだ?それにどうしてここにいる?」

「内緒だボケぇ!せめて何で誰も居ない所で聞かねぇんだよ!」


こいつには今後何もかも教えない事にした。

バルザックは俺が光魔法の第三階位を発動させるのを見ても何が起こったのか分からない。やはり光の正体なんて知らないよな。この分だと重力なんてもっと分かんないだろうな。

なんて事は無い。光を集めて落としただけなんだけどどな。

さて、俺がドニーの現状に気付いた理由だが。

俺が森でオークに全然会えなくって困ってた時、何とか法印を使ってオークの場所を探せないか考えてたんだ。その時に両手の法印を見てあることに気付いたんだけど。

それは、左手の法印は地、水、火、風、命と彫って全部に魔力を込めると輪の法印にもなり神様がこの世界を作った魔法『天地創造』の下位魔法の『神癒』が使える。

じゃあ右手は?

右手には残りの時、重、空、光、邪、と彫ってあって全部に魔力を込めると天にもなる。これは宇宙の理だと思われる。

左手の地、水、火、風、命、輪はこの星を作った。

右手の時、重、空、光、邪、天これで宇宙を作った。

そこで右手の法印に魔力を込めた。

すると右手に透明な球体が出来それが一気に広がった!宇宙はもちろん出来なかったけど。

何が起こっているのかが分かった。

まず、オークやゴブリン、トロールもこの辺には居ない事が分かった。他にも、風で葉が揺れているのが分かったり。俺の魔力に驚いて飛び立つ鳥がいたり。小さな虫が足元に居るのも。全部分かった。

驚きながら、まぁ、魔物も居ないし帰ろって思って。どれぐらい先迄分かるか試してみようと。

右手の法印に魔力を込める。右手に透明な球体が出来ると村の方へ投げた。

そうしたら分かる分かる!

色んな事が、チョッと内緒なあれこれ、チョッとエッチなあれこれ。

その中でエルザやドニーとか俺が法印を彫った相手は特に分かりやすかった。後はその魔法を使いながらダッシュ。

ちなみに、左手が『天地創造』で下位版が『神癒』ならば。右手は『森羅万象』で下位版は『万象』で良いかな?

まあ、名前なんて何でも良いんだけどさ。それでその日はとりあえず解散。

あっ、あと。ドニーがあの日の事を『ごめんね』って言っていた。どうしてあんなに笑ったのかもしっかり聞いて。ドニーは最後に『私は秋人が好き』って言ってた。ほっとした。俺も自分の心配していた内容を伝えると。『バカじゃないの?あと、アイツはぶっ殺す』って言ってた。アイツってのはドニーの胸を触って俺を殴って、俺に殴られたアイツの事だ。

さてさて、孤児院に大部分近くなってきた。バルザックがアッシュに剣を教えているようだ。

近くまで行くと、


「あんまり頑張り過ぎんなよ!体がおっきくなんないぞ!」


とアッシュに声をかける。


「えっ!そうなの?」

「そうだよ」


二人に手を振って建物へ入る。

今日の夕飯は何かなぁ?ユリナはさらに最近メキメキと料理の腕を上げていた。今までは買えなかった食材で、あれやこれやと作ってくれた。じいちゃんとの二人暮らしで、自分でももちろん作れるが。人の、女性の作ってくれる料理というのは何とも言えない幸福を感じるものだった。

ユリナが居ない。


「あれ?ユリナは?」

「ユリナ姉ちゃんは今日『緊急会議』って言ってたよ」


と、カナリア。


「まじかぁ~!」俺マジ凹み。

「大丈夫!ユリナ姉ちゃん程じゃあ無いけど私頑張るから」

「おっ!良いねぇ!手伝うか?」

「ホント?!有り難う」


俺がシスターの事をユリナ、ユリナって呼んでたら、いつの間にか皆もシスターじゃ無くて。ユリナ姉ちゃんって呼ぶようになった。

アッシュがユリナって一回呼び捨てにしてぶん殴られていた。


「なぁ、兄ちゃん」おっ噂をすればバカが来た。

「何だよ?」

「何で体がおっきくならないんだよ」

「あぁ」


面倒な奴だ。


「とにかく子供の頃に筋肉をいっぱい付けると体がおっきくなりにくいです。以上」

「へぇ」


アッシュは満足したらしい。


「俺も聞きたい事が有るが良いか」バルザックだ。

「ダメだお前はもう破門だ何も教えることは無い」

「そ、そうか」

「それにまた人の居る所で聞いてきてお前はバカか?しょうがないか、お前はバカザックだもんな」

「いや、その。フラグとか言ってただろ?あれは何だったんだ?」

「あぁ、フラグならいいか。本来なら破門したお前には何も教えることは無いのらだが、仕方無い。慈悲だ教えてやろう」

「フラグとはな。伏線の事だ、いいか。例えば戦争で『俺はこの戦争から帰ったら結婚するんだ!』って言ったとするだろ。そいつは必ず死ぬ!これを死亡フラグと言う。恋愛フラグなんて物も有る」

「ジンクスみたいなものか?」

「違う、お前はフラグのセンスが一つもないな。破門にして良かった」


「じゃあ」カナリアが話しに入ってきた。


「もう絶対に死ぬ。絶対に助からないと、自分の人生を諦めていた少女が居ました。しかし、何とその子は、格好良いお兄さんに助けて貰いました。これがフラグで。その後、その子が格好良いお兄さんを好きになる。ってこと?」

「正解だ!素晴らしい!免許皆伝!ちなみにその好きになるのを部分をフラグ回収と言う」

「へぇ」


カナリアが俺を見てくる。

ん?どっかで聞いた話しだな。


「ちょっと待ってくれよ!」アッシュが慌ててる。「も、もしかして。カナリア?」

「好きだよ!私、秋人お兄ちゃんの事」


何ぃ~!ちょっと待ってくれい!いくら何でもこれ以上は、、

。エルザ、ドニー、ユリナの内の誰かを選ぶだけで既に頭が痛いのに。それに、いくらなんでも子供過ぎる。確かにカナリアは可愛く将来も有望だが。


「大丈夫だよ?私のお母さんも胸大きかったし。お兄ちゃん大きい方が好きなんだよね?」

「うん、そう、、。じゃなくて!」


涙ぐむアッシュをバルザックは慰めると、ドニーの宿を手伝いに行くと言って出ていった。忙しいのかな?

それから夕飯になった。合図はカナリアが出した。そのまま子供達の面倒を見るとカナリアは俺の隣に座った。いつもはユリナの席だ。

カナリアは「へへ」と嬉しそうに俺を見て笑い、ご飯を食べ始める。


「それにしても遅いな?」ユリナの事だ。

「う~ん、何時に終わるか分かんないって言ってたよ」

「そうか、じゃあ良いのかな?」


遠慮なく食べることにする。

とっても美味しかった。幸福の味がする。

それからご飯を食べ終わるとカナリアが子供達の面倒を見るので俺が洗い物をする。今日は終わったら銭湯に行こうかな?

孤児院では大体、体を洗わずに濡らした布で拭いて済ませることが多かった。自分だけ銭湯に行くのが申し訳ないので我慢していたがやっぱり湯船に浸かりたい。

そんな事を考えているとユリナの声がした。ん?他にも誰か居るな。


「あぁ、やっぱり残らなかったか!」


厨房に入ってきてユリナってが言った。


「そりゃそうだよ」洗い物をしながら言う。「カナリアの料理美味しかったぞ」


そう言って振り向くと、ユリナの他、エルザとドニーがいた。


「なんだ、一緒か」


ドニーとエルザが「よっ」って言って手を上げる。


「じゃあたまには俺が作るか?」

「えっ作れるの?」三人が声を揃えて言う。

「まあな。じいちゃんとの二人暮らしだったからさ。ある程度はな」


ドニーのを見る。


「ジャガイモだって剥くの上手かったろ?」

「確かに」とドニーが言った。

「じゃあ座ってろよ」


そう言ってから作り出す。

ニンニク的なものと、オリーブオイル的な物と、パスタ的な物と。鍋の残りの汁。後は具材を適当に使う。なんとかなるだろう。

料理をしていると後ろに誰かが立つ。


「その、ごめんな?」


ユリナだ、最近少しづつ俺限定だけど謝れるようになっていた。


「ん?何が?」

「その、子供達をほっといて、ふらふらしてさ」

「ん?良いじゃん。まだユリナだって16歳だろ?そういう時間も大事にしたほうがいい」


最近、ユリナとドニー、エルザの三人は最近仲が良いみたいでたまに会っているようだった。


「へへ、ありがとよ」


そう言って後ろから抱き付いてきた。


「ほら、大きくなっただろ?」


ふふふ。確かに。背中にユリナの胸が当たる感触がある。

これはBはあるね。


「今日三人で一緒にブラ買ってきたんだ」

「良かったな。適正なブラを付けてないと成長に良くないらしいぞ?いくらでもお金は出すから常に合ったブラを頼むよ」

「もぅ、秋人は」


俺の背中をグリグリしてくる。


「でも、まだ大きくなるかな?」

「なるさ」

「そうたな。おっきくないと秋人はな」

「そろそろ皿を頼むよ」


ゆで上がったパスタをソースにを和える。

ユリナが出した皿に盛り付けて、フォークと一緒に持っていく。三人は気に入ってくれたようであっという間に無くなった。

おいしいと三人が揃って言うから俺は、


『カナリアが作った鍋の汁が良かったんだよ』


と言う。


「ねぇ」エルザが口を拭きながら言う。「お願いが有るんだけど聞いてきて貰えない?」

「ん?何?」

「凄い簡単な入れ墨を入れて欲しいんだけど」今度はドニーが言った。

「三人とも?」

三人が大きく頷く。

「どんなもの?」

「すごく簡単なものだから秋人ならすぐ終わるこれから彫ってくれないか?」


ユリナが右腕に抱き付いて言った。


「お願い」ドニーは左腕に。


「ね?」エルザは後ろから。


「ま、ま良いけど」


胸が当たる感触、もう俺は立ち上がれません。

それから三人に彫る入れ墨のデザインを決めた。三人とも指輪の入れ墨を希望した。

エルザはハートをあしらったデザイン。

ドニーは鳥の羽をあしらったデザイン。

ユリナは花をあしらったデザインになった。

細かいから結構しんどい。がそんな事を事は言えない。

それに、通常、デザインを決めてから数日経ってから彫る事にしていた。一生残るものだからデザインを決めて、その日に『さあ!彫りましょう!』というのは断っているんだけど、三人に押しきられてしまった。

その指輪は三人とも左手の薬指に彫って欲しいと言ったが。まさかね。


「あっそうそう。入れ墨に使う墨なんだけど秋人の血を入れて欲しいんだけど?良いよね?」エルザが言った。

「え?何で?」

「何かね、ほら秋人に彫って貰った犬の法印有るでしょ。何かね良いみたいなの」

「何が?」

「うん、良くなるみたいなの」ドニーも言う。

「え?だから何が?」

『いいから!やって!!』三人が同時に言う。

「じゃあ、、うん」


ユリナに至ってはまだ何も彫ってないんだけどな。

それから手の指先を切って血を出すと。ブラックウルフの血にしたように魔法をかけて精製する。俺の血が、透明になるとエルザが持ってきたという、神木の樹液と混ぜて硯で磨った。

指先は左手の法印で即治療。

エルザに彫ると、エルザは無言でガッツポーズを何回も取った。

ドニーに彫ると、ドニーは俺に抱き付いてきて耳元で


『ありがとう』


って言った。

ユリナに彫ると。泣きながら


『幸せ過ぎるよ』


って言った。

三人とも凄く可愛い。この中から一人を選ぶのは難しい。そんな事を考えていると部屋のドアが開いた。


「あぁあ。兄ちゃんやっちまったな」アッシュだ。

「何だ。まだ起きてたのか」俺がそう言うと。

「うん、ちょっと目が覚めちゃってさ。それより。兄ちゃん。それ、どんな意味が有るか知ってる?」

「え?いや?」

「あぁ、やっぱりな。それって、姉ちゃん達が兄ちゃん以外と関係を持つとその入れ墨の指輪が縮んで最後に指が切れるんだだよ」

「何それ?」

「兄ちゃんどうせその入れ墨の中に兄ちゃんの血が入ってんだろ?」

「入ってるよ」

「それは婚姻の指輪。とにかく兄ちゃんが旦那って事」

「え?マジ?」


三人を見るとニコニコ笑っている。


「ごめんね?」とドニー。

「へへ。ありがとな」とユリナ。

「ここに『秋人妻の会』の結成を宣言します!」


エルザ?何を言っているんだ?


「え?そうなの?」

「ごめん。アッシュの言った通りなの」エルザが言った。

アッシュを見ると、「まぁね、こうなるような気はしたんだけどね」

「じゃあ、もっと早く言ってくれよ?」

「えぇ、もう良いじゃん」


こいつカナリアの事を根に持ってやがるな。ちっちゃい奴だ。


「とにかく、小さい子も居るんだからイチャイチャするなら他に行ってくれよ!」


アッシュはそう言って部屋を出ていった。

後ろを振り返ると。ユリナは恥ずかしそうにモジモジしている。ドニーはニコニコ嬉しそうだ。エルザは勝ち誇った顔をしている。


「じゃあ行こうか!」


三人の声が揃った。

それからラブホみたいな、連れ込み宿って所へ四人で行った。





俺はオラさんに泣き付いていた。


「まさかそんな手を使って来るとはな」

「ほんとまさかだよ」

「俺も注意するべきだった」


「いや、オラさんは悪くない」

あれから散々だった。いや、最高だと言うべきか。ほんと、体力上昇のスキルが有って良かった。無駄なスキルなんて無いんだな。


「でも、三人ともとりあえず、生活費を寄越せって言ってこないんだろ?」

「そうだね」


エルザは仕事をまだ続けるそうだし、ドニーはお店優先だそうだ。ユリナはもちろん、まだ妊娠したくないそうだし。皆28歳ぐらいになったら子供が欲しいからその時は生活費を貰いたいだそうだ。


「じゃあ、まあいいじゃないか」

「そうなんだけどさ」

「やっぱり三人とも強いか?」


俺は涙を浮かべて頷いた。


「大変そうだな」バルザックが後ろから話し掛けてきた、

「結局三人とも嫁になったらしい」オラさんが答えた。

「じゃあ気分転換に王都でも今度行かないか?ほら、奴隷がどうとかお前、前に言ってただろ?」

「王都へ行こう!!」


そうだ!忘れてた!


「さすがだな心の友よ!」

「全く、現金な奴だ」バルザックが呆れている。

「確か知りたい事が有ると言っていたね。ゆっくり話ながら王都へと行こうか!」

「破門だって言ってたが、良いのか?」

「もちろんじゃあないか!親友よ!」

「じゃあ、この辺じゃ狩りが難しくなったし。早めに行きたいな」

「確かにそうだな!よし、明日出よう!」


そうなのだ。あの日、彫師とやりあった日に。魔物がほとんど居なかったのには理由があって。なんと、ドラゴンが出たのだ。


「嫁達は大丈夫なのか?」バルザックが言う。

「大丈夫!俺は行く!」 色々怖いけどな。

「頑張れよ」オラさんが心配そうに言った。

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