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1・ある日突然に

自分は普通の人間だと思っている。周りが魔法を使えたり、召還獣が存在したりそんな漫画みたいな設定があるわけじゃなくて、おれは個性も強くないし顔もかっこいいわけじゃない。たぶん、人並みの人生を終えて幕を閉じると思う。わかりきった人生でも何も不満はない。だからこそ気楽に生きられる、そう思っている。

しかし、人生はちょっとしたことでガラッと変わってしまうこともある。そんないつくるかわからない危険にいつでも対処できるように身構えている。

たとえば授業中にわからない問題を当てられても対処できるように・・・・・。

「ここの問題わかる人ー」

数学の授業。黒板には難問が呪文のように書かれている。

黒田は数学を呪文のように書くことで有名だ。

鋭い目つきで回答者を探している。

クラスのみんなが視線をそらす。

「だれもわからんのんかー」黒田の眉間にしわがよってきている。

これは答えられないと怒られるパターンだ。脳内に最悪の事態が浮かび上がる。

しかし問題ない。

こういうときのために作戦は用意されている。

スッと立ち上がる。黒田やクラスのみんながオレの方を向く。

「どうした?わかったのか?」

オレは口を開く。言うことは決まっている。

「先生トイレ行ってもいいですか?」

オレに向けられた視線がどんどん離れていく。

「あーわかった。さっさと行って来い」

黒田はあきれたような声でため息交じりで言った。

逃げることのできることから逃げる。それがモットーだ。たぶん。

教室から出るとトイレとは全く逆の方向に歩く。行く場所は決まっている。

「失礼します」保健室のドアをゆっくりと開く。

「どうしたの?」特別綺麗なわけでもなくかといって不細工でもない。そんな保健室の先生がオレのところに歩み寄ってくる。

「すいません。吐き気がすごいので帰らしてください。」

保健室の先生はオレが体の弱いことを知っているので決まって

「わかりました。担任には伝えときます。」なんて台本を読まされているのではないかと思うほど同じ言葉を毎回使ってくる。

「ありがとうございます」そういうと保健室を後にした。

後は数学の授業が終わるのをまって荷物を取って帰るだけか。

早退というチートをつかってはや一年。嫌なことから逃げられるはでメリット満載だ。

しかし、クラスでは帰りすぎて影が薄いや軟弱なんて噂が立ってるに違いない、いや絶対そうだ。だって友達少ないし。

「あと20分か」時間は有効に使わないといけないと思いつつ残り時間は昼寝で過ごすと固く決意する。

                    屋上

季節は秋。暑くも寒くもないそんな絶好の昼寝日和だ、壁にもたれかかるとゆっくりと目を閉じた。

だんだん意識が遠のいていく。

もう少しだ

お休みと自分に語りかけるとそのまま意識は暗闇に落ちていった。






「もしもーし。聞こえますかー。もーしーもーし」

誰かが語りかけてくる。体を揺さぶられていると感じたときには完全に意識は戻ってきていた。

目を開けると目の前には女の子かがみこんでオレを見つめている。

その子はとてもかわいくて、アイドルといっても過言ではないそんな感じだった。しかし、オレが驚いたのはそんなかわいさじゃなくて

なぜこの子は水着なんだということだった。

「あーよかった。死んでなかったんだね」

問題はそこではない。季節は秋、寒くもないが水着はおかしい。頭の整理もつかないまま口を開く。

「この学校の生徒ですか」絶対違うとは思ったが聞いてみた。

「違うよ」

「あなたはどちらさんなんですか?」

服装は水着だし髪色はピンク、こんな校則違反を犯している人が生徒ではない。じゃあなぜここにいるんだ。まさか夢!!

彼女が口を開く。

「わたしはー勇者だよ」

?????。勇者?職業が勇者ってことかな?それともただのコスプレ?二次元に帰りたい病が発病したのかな?それともほんとに夢?

どんどん頭が混乱してる。

「私の目的はあなたを殺すことなんだよー」彼女は笑顔で微笑んだ。

その笑顔はとてもかわいくて。

見とれてしまって。

「どういうことだ」

  


人生というものはちょっとしたことでガラッと変わってしまうことがある。それはかわいい美少女が現れたとそんなんじゃ変わらない。

たとえば胸に剣が刺さっているとかそんなんじゃないと・・・・・・・   






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