七夕
過去に既読の小説から短歌をお借りして…
澄ましえぬ
世にしがらみの
なかりせん
綾も錦も君ありてこそ
十代の頃に出逢った小説から歌を拝借して、
併せてもじって短歌に替えました。
詠んだ方は江戸後期、実在した公女和宮と記憶しています。
私が唯一記憶している短歌です。
その小説を読んでから時間が経っている為、
うろ覚えですが、二つを併せて一首にまとめてしまいました。
昨日は七夕。
笹が手に入らなかったのでゆずり葉という樹木に短冊をかけてみました。
上記の短歌の返歌になればと思い立ちまして
ゆずりはに
願いをこめて
天の川
昨夜は雷が激しく雨も心配されたのですが
月が出ていたので庭の木に短冊を掛けました。
余談ですが、七夕の句を詠むと決めたとき
頭に浮かんだのは
笹の葉に 短冊揺れる 天の川
という唄い文句だったのですが実は自分自身の20年以上前に詠んだ句だったので、今の自分の感性で返歌を詠みなおしました。
やはり感性も変化するようでゆずりはに~の方が今の自分が一番気に入る歌になったと自負しています。
極限まで文字を厳選して詠む句というのは
どこか彫刻に似ています。
その時の気分に合った言葉を探し、見つけ、 語呂が合うように磨きあげ、音に乗せて流れるように詠む。
先人は風流を愛で、お互いを認め合っていたのだと詠みながら気がつきました。
そして、そこに産まれた輝きこそが
七夕の錦、金銀砂子の天の川なのではないかと黙視では視えない天の河を想像して七夕伝説に思いを馳せました。
ここまでお付き合いいただきました皆様の頭上にも満天の星空が広がっていますようにと心を込めてお祈り申し上げます。
二回に分けて詠んだ七夕の節句を今宵の月に奏上して結びの詞とさせていただきます。
平成26年 七月 作者一同