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22 ティナ、お前にはうんざりだよ

宿屋の近くまで戻ってきた。もう夕方近い。昨日のような襲撃がないか不安だが、気にしても仕方がない。それに昨日は不意打ちだったが、今日からはチョッキもあるし、心の準備もある。あの素人臭さだったら、そう簡単にはやられないだろうと思った。


宿屋の隣に行って、おしのさんのことを聞いてみた。昨日、荷車が来て急病人を運んでいったことは知っていた。ただ、どこに連れて行かれたかはわからない。この近くの病院の場所を何箇所か聞いておいた。


部屋に戻ってきた。ふと思いついて、古着を掻き集める。昨晩襲われて血で汚れたものも、一緒にする。本当は洗ったりするべきなのだろうけど、そのまままとめて、それを抱えて外に出た。ティナちゃんの雑貨屋に行く。


正直に言って、俺は相当腹を立てていた。八つ当たりかもしれないが、俺の側でも色々大変だった。特にこういう状態だから大事にしてくれとか、特別扱いしてくれとかいうつもりはないが、自分が弱っているときに、陰であれこれ言われたことについて、さらりと聞き流すことができないのは責められることではないと思う。

ノートを破って、メモを書く。


「雨に濡れた猫に対するように、やさしく餌付けしようとしてくれてありがとうございました。とりあえずご慈悲にすがらなくても食べていけそうですので、これはお返しします。」

メモを付けてティナちゃんの雑貨屋さんの前に放り出しておいた。


それから暗くなる町を歩き回って、いくつかの病院に行ってみた。おしのさんが入院しているかを聞こうとしたのだが、ほとんどの病院は、「いや個人情報なので。」と言って教えてくれなかった。教えてくれたところもあったが、そこにはいなかった。ていうか、個人情報なんていう概念がこの世界にあるのか。なんか進んでいるのか遅れているのか、よく分からない世界だな。


手も足もでない。どこか適当なところで晩御飯を済ませて宿に戻った。もう夜遅くなってしまった。


部屋に入った。さっきティナちゃんの雑貨屋さんの前に放り出してきた古着が畳んでベッドの上に置いてあった。手紙が置いてある。


「メンデス先輩


猫って、なんのことですか?私は猫が大好きです!かわいいですよね(ハート)。

服は本当にもう使わないものなんです。池先輩ご迷惑でなければ雑巾代わりにでも使ってやって下さい(ペコリ)


ティナ」


なんか、更に腹立ちが増してきた。正直、ティナちゃんが本気であんな酷いことを言ったのではないことは分かっていたから、町を歩いているうちに少し気持ちが落ち着いてきて、折角貰った服をそのまま置いてきたのは失礼だったかもという気もしていた。


しかし、この手紙はなんだ。

決めた。ティナちゃんが、泣いて謝るまで、もう口を利いてやらないぞ!なんか、すごく子供っぽい心情になってきたが、もう自制する気もなかった。


お読み頂きありがとうございました。

なんか起伏の無い話になってしまいました。

明日の同じくらいの時間に、投稿したいと思います。

ここから第3章に入っていこうと考えております。

引き続き、よろしくお願い致します。

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