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第一章 オンドレの町 1 南の門を通過する

「こんにちは。」門番(それとも衛兵というべきか。)に声を掛けてみた。別に挙動不審じゃないよ。普通に。俺、当たり前のことをしているだけだもんねって、自分に言い聞かせておく。まずは自己紹介だ。俺の設定のとおり述べてみる。


「池です。池メンデスです。」

なんだよ、この名前。イケメンデスって。確かにイケメンにしてくれって神様に頼んだけど、名前までそうしてくるとは思わなかった。これからは、名前を先にいって、それから名字をいうことにしよう。メンデス・池だったら、おかしくはないと思う。


姓 池    名 メンデス

年齢 15歳

職業 イケメン   備考 避難民(南の方から逃れてきました。)

スキル イケメン


って書いてある。なるほど。俺は避難民なんだな。これは深刻そうだ。でも、そう言えばいいんだろうな。本当だな。


「避難民です。南の方から逃れてきて、今到着しました。」

言ってみた。ちょっとアドリブ入れてみる。今到着したのは確かだから、問題ないだろう。正しい設定らしく門番さんが、暖かく声を掛けてくれる。

「そうか。魔物にやられなかったか。大丈夫だったかい?」


やさしい。この世界とのファーストコンタクトは、やさしさでできていた。もっとも魔物だなんて不穏なワードが出てきたが、それはスルーする。

俺は、ぐっと眼に力を込めた。


「はい・・・。大丈夫です。ああ。俺は負けるわけにはいかないんだ。」

今までの生活で、そんな発言したら、周りから爆笑されていただろう。でもさすが異世界。しかも俺はイケメンらしいから。イケメンは、大抵のことは許されるんだぜ。門番さんも、当然のように受け入れてくれた。

「そうだな。負けるんじゃないぞ。いや、君ならきっと大丈夫さ。」

おおっ。予想どおりの反応だ。やっぱり人間は顔だよ。顔。


「本当は通行税を取るんだけど、そういう事情だから君は免除されるんだよ。オンドレ伯爵様のお達しがあってね。それからオンドレ商工会議所から補助金が出ているから。この地図を見て、宿屋に行けば、二日分の寝食は無料だ。それから先は自分で頑張るしかないが、俺としても応援するよ!」

なるほど、オンドレ伯爵様は、偉い人だ。オンドレ商工会議所も立派な組織だ。門番さんもよく出来た人だ。いっぺんに色んなことで感服したぞ。門番さんにお礼をいって城門をくぐった。まずは朝ごはんだな。


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