4 お、ヤクザとキャバ嬢と合コンです
ピーコちゃんは、組長の隣に座った。ヒヨコ族だという。たしかに髪の毛が黄色かった。お尻から、ちいちゃな尻尾が出ている。それ以外は普通の人間と変わらないように見えたが、ピーコちゃんの唇を触らせて貰うと、固かった。クチバシの名残なんだそうだ。キスするときに嫌じゃないか?と思うと、自分の意思でやわらかくできるそうだ。やわらかくしたところをもう一度触らせて貰った。うん。やわらかい。触っているだけで気持ちがいいよ。指を離したくなくなってしまう。
ちなみに、大人の男は、頭のてっぺんに5ミリ程度のトサカが生えるそうだ。それが赤いほど男っぽいらしい。よくわからん感覚だ。
俺の隣には、エリスちゃんだ。人間族だそうだ。売れっ子だというのもよく分かる。なんか高級そうなドレスを着ていて、胸元が大きく開いている。お化粧もすごく上手だ。海外のポルノ女優とかにいそうな感じの娘だな。セクシーさが半端ない。それでいて、にこにこしていて、ものすごく話しやすい。この町のことを色々教えてくれた。その合間に、どんどんお酒を注いでくれるので、いい気分だ。
俺は、組長と喋ったり、四人で喋ったり、ピーコちゃんと話したりエリスちゃんと話したり、笑ったりびっくりしたりですごく忙しくって、可愛い女の子たちが俺のこと見てるし、エリスちゃんは、回ってきた皿を取るときに、俺の前で手を伸ばして、ゴムマリみたいにはっきりと存在感のある胸が押し付けられたり、香水のいい匂いが漂ってきたり、「池さんもてるんでしょ」とか言われたりしちゃって、なんか生きてきて本当に良かったって思った。俺もうヤクザに魂売ってもいいよ。
楽しい時間が過ぎ、俺は純白の馬車で送ってもらって、刑事訴訟法の本を片手に馬車を降りた。結構遅い時間だ。なんか、門限を過ぎて帰ってきた気分だ。おそるおそる宿の扉から中に入った。
なんか、一話の長さを揃えるのが難しいですね。ここは短くなってしまいました。